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小論文の言い換え辞典。話し言葉を書き言葉に直す60語

約5分で読めます

「なので」「ちゃんと」「すごく」——答案に混ざる話し言葉は、内容より先に印象を下げます。接続・程度・動詞・文末の4分類60語の言い換え表と、直しすぎの注意点をまとめました。

添削で赤を入れる箇所のうち、内容と関係ないのに確実に印象を下げるもの——それが話し言葉の混入です。

読む側は内容を評価しようとしていますが、「なので」「ちゃんと」が目に入るたびに、答案の格が一段下がって見えます。逆に言えば、ここは覚えるだけで直る、最も費用対効果の高い減点対策です。

ブックマークして、見直しのときに照合してください。

接続の言葉

文と文のつなぎは、答案の骨格です。最優先で直してください。

話し言葉 書き言葉
なので/だから したがって/そのため
でも/だけど しかし/だが
あと/それと また/さらに
~だし、~ ~であり、~
~けど ~が/~ものの
じゃあ/なら それならば/とすれば
~とか~とか ~や~など
いちおう 形式上は/さしあたり
ちなみに なお
要するに(多用) すなわち/つまり(1回まで)

接続詞の選び方そのものは接続詞の記事で扱っています。ここでは形だけ、確実に書き言葉に。

程度・量の言葉

曖昧な強調語は、話し言葉である上に、論述として情報がありません。

話し言葉 書き言葉
すごく/とても/超 極めて/非常に
ちょっと/少し やや/わずかに
いっぱい/たくさん 多くの/数多くの
いろんな 様々な/多様な
だいたい おおむね/約
全然~ない まったく~ない
一番 最も
~ぐらい ~ほど/~程度
めったに ほとんど
どんどん 急速に/次第に

さらに一段上を狙うなら、程度語を数字や比較に置き換えることです。「非常に多い」より「全体の7割を占める」。強調語が消えるほど、答案は強くなります。

動詞・名詞

話し言葉 書き言葉
やる 行う/実施する
ちゃんと/きちんと 適切に/確実に
ダメだ 不適切である/機能しない
いい 望ましい/有効である
すごい 優れた/著しい
変な 不自然な/奇妙な
子ども達 子どもたち(「達」は仮名書きが標準)
いろいろな人 立場の異なる人々
みんな 多くの人/誰もが
絶対に 必ず/確実に(安易な断定自体を避ける)

「みんな」と「絶対」は、言葉の格の問題だけでなく、主張の精度の問題でもあります。主語を大きくしない、断定しすぎない——内容の修正と地続きです。

文末・文体

避けたい形 直した形
~だと思う ~と考える
~な気がする ~と考えられる
~かもしれない(多用) ~の可能性がある(根拠とセットで)
~してほしい ~すべきである/~が求められる
~ですます調 だ・である調に統一
~たり、~こと(単独の「たり」) ~たり~たりする
体言止め 用言で結ぶ
!/?/…(記号) 使わない(疑問は「~だろうか」)
(笑)/絵文字 論外。しかし実際に出る
ら抜き(見れる・食べれる) 見られる・食べられる

「思う」と「考える」の違いは、感覚か思考かです。根拠を伴う判断は「考える」、それ以外の「思う」は根拠の欠落のサインとして自分で点検に使えます。

一人称と呼称

避けたい形 直した形
僕/俺/自分 私
お母さん・お父さん 母・父
おじいちゃん 祖父
~さん(有名人に) 敬称なしで姓のみ(筆者・著者も同様)
先生(一般論で) 教員/教師

身内に敬称を付けない、人物は敬称なし——新聞の表記と同じルールだと覚えると迷いません。原稿用紙上の表記ルール全般は原稿用紙の記事にまとめています。

直しすぎにも注意する

言い換えには逆側の失敗もあります。

硬い言葉を使いこなせていない

「よって当該施策は蓋然性が高いと愚考する」——背伸びした語彙は、使い慣れていないことごと伝わります。書き言葉であることと、難しい言葉であることは別です。この記事の言い換え先は、すべて標準的な語にしてあります。それで十分です。

翻訳調・評論家調のクセ

「~と言えるのではないだろうか」「~こそが重要なのである」。もったいぶった文末は、内容の薄さを飾る言い回しとして読まれます。言い切れるものは短く言い切る。

全部を書き換えて自分の声が消える

保護者や先生に直された答案が弱くなる理由と同じで(親が読むときの記事)、言葉の格を整えることと、内容を借り物にすることは違います。この記事で直すのは「形」だけです。

使い方:見直しの30秒チェック

書き終えたら、次の5つだけ探してください。頻度の高い順です。

  1. 「なので」「でも」——文頭の接続
  2. 「思う」——根拠はあるか。あるなら「考える」
  3. 「すごく」「ちゃんと」「いろんな」——程度と質の曖昧語
  4. 「やる」「いい」——動詞の格
  5. ですます混在・ら抜き

残り5分の見直しでは誤字と事実を優先し、言い換えは練習段階で癖ごと直しておくのが理想です。練習の回し方は練習方法へ。

まとめ

  • 話し言葉の混入は、内容と無関係に印象を下げる。覚えるだけで直る
  • 最優先は接続語。「なので→したがって」「でも→しかし」
  • 程度語は書き言葉に直した上で、可能なら数字・比較に置き換える
  • 「思う」は根拠の欠落のサイン。「考える」に変えられるか自問する
  • 背伸びした語彙ともったいぶった文末は、直しすぎの失敗

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