札幌学院大学の総合型選抜。面談でアドバイスをもらってから1,600字のレポートを書く
札幌学院大学の総合型選抜「リフレクション入試」は面接重視型・自己PR重視型・探究重視型の3タイプ。面接重視型は課題を選び、面談でレポート作成のアドバイスを受けてから1,600字を書きます。小論文と口頭試問のサンプル問題も公開されています。
札幌学院大学(北海道江別市)の総合型選抜は「リフレクション入学試験」という名前で、3つのタイプに分かれています。そのうち面接重視型の流れが独特です。
(1)エントリーの際に課題A〜Cの中から一つを選び、エントリーシートの課題記号欄に記入してください。 (2)面談では志望動機などについて伺い、レポート作成のアドバイスをします。レポートはこの面談でアドバイスを受けてから出願までのあいだに作成します。 (3)出願の際に1,600字程度にまとめたレポートを提出してください。 (4)試験(面接)ではレポートについて質疑応答をします。レポートのコピーを当日持参してください。
大学の先生から書き方のアドバイスをもらってから、レポートを書く。そのレポートについて、本番で質疑応答をする。これがこの入試の中身です。
そして大学は、小論文と口頭試問のサンプル問題も公開しています。
出典:札幌学院大学「総合型選抜-リフレクション入学試験【面接重視型】【自己PR重視型】【探究重視型】」(https://www.sgu.ac.jp/entrance/exam/RF_interview.html ほか)、「リフレクションシート・課題」(https://www.sgu.ac.jp/entrance/exam/RF_task.html )、「小論文について」(https://www.sgu.ac.jp/entrance/exam/essay_exam.html )、「口頭試問について」(https://www.sgu.ac.jp/entrance/exam/oral_exam.html )。2026年9月22日に確認しました。
共通の条件が緩い
まず出願資格を見てください。3タイプに共通です。
本学を第1志望とし、志望学科のアドミッション・ポリシーに沿って目的を持って学修する意思を持ち、「出願資格」のいずれかに該当する者。学校長の推薦は必要としません。高等学校または中等教育学校における「全体の学習成績の状況」は問いません。1校あたりの人数制限はありません。
専願であること以外、条件がほぼありません。評定も推薦書も要らず、同じ高校から何人出しても構いません。
学部は経済経営学部・心理学部・人文学部・法学部の4つです。
3つのタイプを比べる
| 項目 | 面接重視型 | 自己PR重視型 | 探究重視型 |
|---|---|---|---|
| エントリー | 必要(9月1日〜9月9日) | 不要 | 不要 |
| 面談 | あり(9月19日〜9月27日) | なし | なし |
| 出願 | 10月5日〜10月13日 | A日程11月30日〜12月7日/B日程3月1日〜3月12日 | A・B日程とも同じ |
| 試験日 | 10月24日・25日 | A日程12月12日/B日程3月21日 | A日程12月12日/B日程3月21日 |
| 試験内容 | 面接・口頭試問(あわせて20分程度) | 面接・口頭試問(あわせて30分程度) | 面接・口頭試問(あわせて30分程度) |
| 事前に作るもの | 課題レポート(1,600字程度) | 入学後の学修計画 | 探究シート+学修計画 |
| 奨学金 | — | — | 総合点180点以上で1年次前期の授業料免除 |
面接重視型だけが9月スタートで、面談がある。ほかの2つは11月末または3月の出願で、エントリーも面談もありません。
そして探究重視型だけに奨学金がついています。
※リフレクション入試【探究重視型】のみ、「成績優秀者奨学金制度」の導入により、総合点の得点180点以上の者は、1年次の授業料(教育充実費は除く)の前期分を免除します。
面接重視型:面談は道内各地と青森でもある
面接重視型のスケジュールは、こうなっています。
| 段階 | 期日 |
|---|---|
| エントリー期間 | 2026年9月1日(火)〜9月9日(水)11:00 |
| エントリー書類郵送締切(必着) | 9月10日(木)15:00 |
| 面談 | 本学9月19日(土)〈経済経営〉・9月20日(日)〈心理・人文・法〉/旭川・帯広・函館 9月26日(土)/北見・釧路・青森 9月27日(日) |
| 出願期間 | 10月5日(月)〜10月13日(火)11:00 |
| 試験日 | 10月24日(土)〈経済経営〉・10月25日(日)〈心理・人文・法〉 |
| 合格発表 | 11月4日(水)10:00 |
面談の会場が道内6か所と青森にあります。しかも「面談は、会場によってオンラインの場合もあります」との注記つき。北海道の広さに合わせた設計になっています。
課題はA〜Cから1つ選ぶ
課題は学科ごとに用意されていて、たとえば人文学部 人間科学科は次の3つから選びます。
| 記号 | 種類 | 内容 |
|---|---|---|
| A | 指定文献 | 梨木香歩『ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版』(岩波現代文庫、2022年)を読んでレポートを作成 |
| B | 資料収集 | 人間と社会・文化に関する諸問題の中から、大学で学んでみたいテーマを取り上げ、具体的な資料をもとに考察 |
| C | 聞き取り | 地域社会の発展と共生社会の実現に貢献していると思う人に聞き取りをしてレポートを作成 |
それぞれ「面談までに取り組んでほしいこと」も指定されています。
A(指定文献)なら、①心に残った箇所の要点を、具体的にページを示して書く ②なぜその箇所が心に残ったのか、理由を書く ③それを日々の生活やこれまで経験してきたこと、世の中で起こっている出来事と結びつけて考える。これらを箇条書きにして、コピーを2部持って面談に行きます。
B(資料収集)なら、テーマを決めて資料を集め、どんなレポートを書きたいかを考えてくる。資料の例として「本や新聞などの文献、官公庁や民間の統計、ホームページ、写真、録音・録画資料、昔話、遺物・遺跡、美術品、道具類、建築物」が挙げられ、「インターネット以外に図書館、博物館、美術館、各種センターなども利用するとよい」と書かれています。
C(聞き取り)なら、協力者を探して依頼し、承諾を得て聞き取りを実施。項目は①活動の内容 ②やりがいと苦労 ③始めたきっかけ ④活動と社会の結びつき ⑤活動を通して自分がどのように変化したか。
3つとも、面談の前に実際に手を動かしておく必要があります。エントリーが9月9日、面談が9月19日以降。準備期間は夏休みのうちということです。
注意事項が、そのままレポートの書き方講座になっている
この大学の課題で最も価値があるのが、注意事項です。
(1)書籍、新聞、インターネットを参照した場合には、レポートの最後に参考文献欄を設け、資料の出所を必ず記載してください。参考文献一覧はレポートの字数に含みません。 (2)インターネットのいわゆる「まとめサイト」を参考文献として扱うことはできません。 (3)資料の文章や生成AIに作成させた文章をそのまま書き写してはいけません。あくまでも自分の言葉で書いてください。 (4)レポートに図表や写真を挿入してかまいません。挿入スペースはレポートの字数に含みません。 (5)聞き取りを録音する場合、協力者に事前に承諾を得る必要があります。試験(面接)が終わったら、録音したデータは消去してください。 (6)協力者が語った内容に協力者本人以外の個人情報が含まれている場合、レポートにその個人情報を書いてはいけません。本名と関連しないイニシャルなど、仮名で表記してください。
しかも参考文献の記載例まで示されています。
- 書籍の場合…松村圭一郎(2019)『これからの大学』春秋社
- 新聞の場合…「不登校、ひきこもりの若者支援」『北海道新聞』(2024年12月24日付朝刊)
- ホームページの場合…内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査(令和4年11月調査)」+URL
これは大学のレポートの書き方そのものです。この入試を受ける人は、ここで一度身につけておくと入学後に効きます。調べ方の基本は探究のための調べ方、一次情報の扱いは探究で一次情報にあたる、まとめ方は探究のまとめとレポートにまとめてあります。
そして生成AIの扱いがはっきり書かれています。「生成AIに作成させた文章をそのまま書き写してはいけません」。禁止ではなく、そのまま写すことの禁止です。大学ごとの違いは生成AIと入試にまとめてあります。
なお提出用の「レポート提出用紙(様式10号)」は20×20のマス目(400字詰)で、1,600字なら4枚分になります。
大学が公開している小論文のサンプル問題
札幌学院大学は「小論文について、サンプル問題を掲載します」として、実際の問題を1つ公開しています。
課題文は河合隼雄『こころの処方箋』(新潮社、1992年)から。設問はこれです。
問 この文章を読んで「ボランティア活動」について、あなたはどのように考えますか。まず、この文章の著者の考えを簡潔にまとめたうえで、あなたの考えを述べなさい。ただし、自分の考えを述べる際には、理由についても書きなさい。字数は、六〇〇字程度(五五〇〜七〇〇字)とします。
この設問には、やることが3つ入っています。
- 著者の考えを簡潔にまとめる(要約)
- 自分の考えを述べる(意見)
- 理由も書く(根拠)
600字程度なら、要約に150〜200字、意見と理由に400字前後という配分です。要約を飛ばして自分の意見だけ書くと、設問の半分に答えていないことになります。
要約の手順は課題文の要約のしかた、課題文型の進め方は課題文型小論文の手順、字数の指定に幅があるとき(550〜700字)の考え方は小論文の字数調整にまとめてあります。
口頭試問は「2分間で考え、2分間で説明」
口頭試問のサンプル問題も公開されています。
(1) 下記グラフについて、2分間で考え2分間で説明してください。(出典:2017.3.28 毎日新聞) (2) これまでの読書体験から印象に残っている作家について、2分間で考え2分間で具体的に説明してください。 (3) これまでに見聞きした異文化について、今後体験したいものをその理由も含めて、2分間で考え2分間で具体的に説明してください。
「2分間で考え2分間で説明」という形式が3問とも共通しています(学科によって内容は異なる場合があるとの注記あり)。
これは話し方の練習ではなく、短時間で構成を組む練習が必要な形式です。
- 2分で、話す順番を決める。結論→理由→具体、の3点に絞る
- 2分で話す。2分は原稿にすると600字前後。詰め込みすぎないこと
- グラフが出たら、まず何のデータかを言う。次に目立つ変化を1つ挙げ、最後にそこから言えることを述べる
(2)の「印象に残っている作家」は、読書経験がそのまま問われる質問です。1人決めて、作品名と印象に残った理由を用意しておけば答えられます。(3)の「異文化」も同じく、具体例を1つ持っておくだけで対応できます。
グラフを読む練習は資料・グラフ型小論文の書き方が、口頭で説明する場合にもそのまま使えます。
探究重視型なら「探究シート」
探究重視型は、高校の「総合的な探究の時間」の成果をプレゼンする形式です。
まずはリフレクション入試ガイド2027を入手し、「探究シート」の活用方法について確認しましょう。探究シートのテーマは自由です。札幌学院大学で行われているゼミのテーマや研究者情報を参考にしても構いません。
テーマは自由。そして大学のゼミや研究者を参考にしてよいと書かれています。つまり、入学後に学びたいことと探究テーマをそろえることが推奨されているわけです。
さらに、高校向けにこんな案内もあります。
高等学校または中等教育学校での探究学習において、本学の教員が出張講義や指導を行うことが可能です。
探究学習の段階から大学の教員が関わる設計になっています。探究と志望理由のつなぎ方は探究学習を志望理由につなげるを見てください。
どこから手をつけるか
- 3タイプのどれで受けるかを決める。面接重視型は9月エントリー、ほかは11月末か3月です
- 面接重視型なら、夏のうちに課題A〜Cを選んで手を動かす。面談は9月中旬です
- 課題Aなら指定文献を買って読み、箇条書きのメモを2部作る
- 参考文献の書き方を覚える。記載例が公開されています
- まとめサイトを使わない。生成AIの文章をそのまま写さない
- 小論文のサンプル問題を解く。要約+意見+理由で600字程度です
- 「2分で考えて2分で話す」練習をする。口頭試問の形式です
- 探究重視型を狙うなら、大学のゼミや研究者情報を見て探究テーマをそろえる
まとめ
- 札幌学院大学の総合型選抜は「リフレクション入学試験」で、面接重視型・自己PR重視型・探究重視型の3タイプです
- 専願ですが、学校長の推薦は不要、全体の学習成績の状況は問わない、1校あたりの人数制限なし
- 面接重視型はエントリー制。課題A〜Cから1つ選び、面談でレポート作成のアドバイスを受けてから1,600字程度のレポートを書き、面接でそのレポートについて質疑応答をします(コピー持参)
- 課題はA 指定文献/B 資料収集/C 聞き取りの3種類。学科ごとに内容が用意されています
- 注意事項に、参考文献欄の記載例、まとめサイトは参考文献にできない、生成AIに作成させた文章をそのまま書き写してはいけない、参考文献一覧と図表は字数に含まないなどが明記されています
- 面談は旭川・帯広・函館・北見・釧路・青森でも実施(会場によってオンラインの場合もあり)
- 試験は面接・口頭試問で、面接重視型は20分程度、自己PR重視型と探究重視型は30分程度
- 探究重視型のみ「成績優秀者奨学金制度」があり、総合点180点以上で1年次前期の授業料が免除されます
- 小論文のサンプル問題が公開されています(河合隼雄『こころの処方箋』/「著者の考えを簡潔にまとめたうえで」自分の考えを理由とともに600字程度=550〜700字)
- 口頭試問のサンプル問題も公開。「2分間で考え2分間で説明」という形式で、グラフの説明・印象に残っている作家・見聞きした異文化が出ていました
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。北海道の私立大学は札幌大学、函館大学の記事にもあります。