探究活動で一次情報を取る方法。高校生が実際にできる5つの手段
ネット検索と本だけで終わった探究は、面接で深掘りされると崩れます。高校生が現実に取れる一次情報の集め方と、依頼メールの書き方まで具体的に解説します。
探究活動の発表を見ていると、調べた情報がすべてネットと本から来ているものが大半です。
それ自体は悪いことではありません。ただ、面接でこう聞かれたときに答えられなくなります。
「それは誰かがすでに言っていることですよね。あなた自身は何を確かめたのですか」
この問いに答えられるかどうかが、探究の評価を分けます。答えるために必要なのが一次情報です。
一次情報とは何か
一次情報とは、あなたが直接手に入れた情報のことです。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 一次情報 | 自分で数えた、測った、聞いた、実験した |
| 二次情報 | 本・記事・論文・統計・ネット記事 |
二次情報が不要なわけではありません。二次情報で全体像をつかみ、一次情報で自分の問いに答えるというのが正しい順番です。
そして高校生の探究では、一次情報が1つあるだけで、他の受験生と決定的に差がつきます。
手段1:数える
最も簡単で、最も見落とされている方法です。
- 商店街の店舗数のうち、閉店しているのは何軒か
- 通学路にある自動販売機の数と、その配置
- 学校の生徒のうち、〇〇をしている人の割合
数えるだけで一次情報になります。 「シャッターが増えた気がする」と「20店舗中7店舗が閉店していた」では、文章の強度がまるで違います。
手段2:話を聞く
インタビューは、高校生が思っているより実現します。相手は次のあたりから探せます。
- 地元の商店・事業者
- 学校の卒業生
- 保護者の職場の人
- 市役所の担当課
- 大学の研究者
断られることも普通にあります。 3人に頼んで1人に会えれば上出来くらいの感覚でいてください。
依頼メールの型
丁寧すぎて何を頼んでいるか分からないメールが一番断られます。次の要素を必ず入れてください。
- 名乗り(高校名・学年・実名)
- 何を探究しているか(一文で)
- なぜその人に聞きたいのか
- どれくらいの時間をもらいたいか(30分など具体的に)
- 候補日を3つ
- オンラインでも可能であること
とくに4の時間を明示すると、承諾率が上がります。相手が予定を組めるからです。
手段3:現地に行く
写真を撮る、歩いてみる、実際に使ってみる。これも立派な一次情報です。
「バリアフリーが不十分」と書くより、「車椅子で通れる幅がない箇所が、駅から病院までの間に4か所あった」と書けるかどうか。
現地に行った人にしか書けない文が、必ず1つは出てきます。
手段4:自分で試す
サービスや制度を、実際に利用してみる方法です。
- 自治体の相談窓口に電話してみる
- 対象のアプリを1か月使ってみる
- 自分で同じものを作ってみる
やってみると、資料に書かれていないことが必ず出てきます。 その「書かれていなかったこと」が、あなたの発見になります。
手段5:アンケートを取る(ただし最後に)
アンケートは最もよく使われますが、探究の最初にやると失敗します。
何を聞くべきか分かっていない段階のアンケートは、「なんとなく分かっていたこと」しか出てきません。「〇〇について関心がありますか」に「ある」が7割、では何も分かりません。
アンケートが有効なのは、インタビューや観察で仮説を作った後です。仮説を検証するために使う道具だと考えてください。
一次情報を取るときの注意
- 相手の許可を取る。 話を聞いた内容を発表で使うことは、その場で伝える
- 個人が特定される形で公開しない。 「〇〇商店の店主」ではなく「創業50年の商店の店主」
- 写真に人が写る場合は許可を取る
- 学校を通したほうが良い場面は通す。 特に企業・行政への依頼
まとめ
- 二次情報で全体像、一次情報で自分の問いに答える
- 数えるだけで一次情報になる
- インタビューは断られる前提で3人に頼む。所要時間を明示すると通りやすい
- 現地に行く、自分で試す。書かれていないことが必ず出る
- アンケートは最初ではなく、仮説を検証する段階で使う
- 許可を取る。個人が特定される形で公開しない