函館大学の総合型選抜。教科を限定しない「記述式総合問題」が出る
函館大学の総合型選抜には、教科を限定せず複数のテキストや図表を読み解いて批判的・論理的に記述する「記述式総合問題」があります。しかもその内容について口頭試問も。出願書類には情報リソース一覧(参考文献リスト)が必要です。
函館大学(北海道函館市)の総合型選抜には、記述式総合問題があります。要項の説明がこれです。
「思考力・判断力・表現力」を評価するため、以下の問題を出題します。 1)基礎学力試験において、自らの考えを導き出して記述する、記述式総合問題を出題します。 2)教科を限定せず、いくつかのテキスト(図表を含む)を読み解き、内容を的確に把握したうえで、批判的・論理的に考えをまとめ記述する、記述式総合問題を出題します。
教科を限定しない。複数のテキストと図表を読む。批判的・論理的に考えをまとめて書く。名前は「小論文」ではありませんが、やることは小論文です。
そして、書いて終わりではありません。
※記述式総合問題で出題された内容について口頭試問を行います。口頭試問は一人10分程度、面接時間は一人15分程度とし、順番によっては1〜2時間待つこともあります。
書いた内容について、10分間聞かれます。
出典:函館大学「総合型選抜(一般・地域)」(https://www.hakodate-u.ac.jp/wp-content/uploads/2026/04/総合型選抜(一般・地域).pdf )、「募集要項」(https://www.hakodate-u.ac.jp/admission/designated/ )。2026年9月22日に確認しました。
商学部だけの大学
函館大学は商学部 商学科の1学部1学科で、商学総合コースと英語国際コースがあります。入学定員は80名。
総合型選抜は一般と地域の2区分で、募集定員は一般10名、地域若干名です。
日程は1回だけ。
| 項目 | 期日 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年10月1日(木)〜10月23日(金) |
| 試験日 | 2026年10月31日(土) |
| 合格発表 | 2026年11月9日(月) |
| 手続締切 | 2026年11月27日(金) |
入学検定料は30,000円です。
出願資格に「探究活動」が入っている
① 高等学校(中等教育学校を含む)を令和8年3月に卒業した者、および令和9年3月卒業見込みの者で、探究活動に精力的に取り組んだ者。
「探究活動に精力的に取り組んだ者」が出願資格そのものです。評定の条件はありません。
地域で出願する場合は、さらに条件が加わります。
② 総合型選抜(地域)で出願する場合においては、以下の要件を満たし、出身校の所在する地方自治体の首長から推薦された者。 ・高校時代、探究活動に積極的に取り組み、学外において研究成果を発表した経験がある者。 ・将来、北海道や道南地域に貢献する意思があり、地域を担うリーダーとして活躍する事を志す者。
市長や町長の推薦が必要です。しかも「学外において研究成果を発表した経験」が条件。ハードルは高いですが、そのぶん選抜方法が変わります(後述)。
配点比率が公開されている
| 試験内容 | 時間割 | 一般 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 基礎学力試験(学科基礎試験=国語・数学Ⅰ・英語) | 9:00〜10:00 | 25% | — |
| 基礎学力試験(記述式総合問題) | 同上 | 20% | — |
| 口頭試問(記述式総合問題口頭試問) | 10:30〜(順次) | 10% | — |
| 個人面接 | 10:50〜(順次) | 20% | 50% |
| 書類審査(調査書・活動報告書・活動報告書添付書類) | — | 25% | 50% |
一般は記述式総合問題と口頭試問で30%を占めます。学科基礎試験25%より重い配分です。
そして地域は基礎学力試験も口頭試問も課されません。面接50%と書類審査50%だけ。首長の推薦を取る手間と引き換えに、当日の負担が軽くなる設計です。
記述式総合問題にどう備えるか
「教科を限定せず、いくつかのテキスト(図表を含む)を読み解き」という条件から、出る形が見えます。
- 複数の資料が渡される(文章、グラフ、表)
- それぞれを読み取って、突き合わせる
- 批判的・論理的に考えをまとめて書く
対策は3段階です。
- 複数資料を読む練習をする。文章とグラフが1つずつ出て、両方を使って答える形が典型です
- 「批判的に」を誤解しない。否定することではなく、書いてあることを鵜呑みにせず、前提や条件を確かめることです。「このデータは何年のものか」「対象は誰か」「例外はないか」
- 書いた内容を口で説明できるようにする。10分の口頭試問があります
複数資料の扱いは複数資料を使う小論文、グラフの読み方は資料・グラフ型小論文の書き方、書いたことを話す準備は小論文と面接をつなぐにまとめてあります。
商学部なので、経済・経営・地域産業に関わる資料が出る可能性が高いところです。環境と経済、観光のテーマ、都市と地方あたりを押さえておくと土台になります。
当日は9:00〜10:00が基礎学力試験、10:30から口頭試問、10:50から面接。「順番によっては1〜2時間待つこともあります」と明記されているので、昼をまたぐ可能性を見込んでおいてください。
出願書類に「参考文献リスト」が要る
函館大学の総合型選抜で特徴的なのが、提出書類です。
④ 活動報告書:本学ホームページ入試情報からダウンロードした所定用紙。(受験生本人の自筆) ⑤ 活動報告書添付書類:情報リソース一覧(参考文献リスト)と探究学習における成果物(プレゼン資料)。A4サイズで様式は適宜。分量はそれぞれ両面印刷で最大3枚まで。
参考文献リストを出す。これは高校の探究活動でどこまできちんと調べたかが、そのまま見える書類です。
やるべきことは明確です。
- 探究で使った資料を全部書き出す。本、新聞、統計、ウェブサイト、インタビュー
- 書誌情報をそろえる。著者名、書名、出版社、発行年。ウェブならタイトルとURLと閲覧日
- A4で両面3枚以内に収める
- プレゼン資料も、同じく両面3枚以内
探究の記録が残っていない人は、今から資料をたどり直す必要があります。調べ方と記録の残し方は探究のための調べ方、探究で一次情報にあたるにまとめてあります。
なお活動報告書は受験生本人の自筆です。
書類審査で見られる観点も公開されている
要項には、調査書と活動報告書をどう見るかも書かれています。
| 観点 | 見るもの |
|---|---|
| 主体性 | 資格・検定への取り組み、自分の考えを発表する取り組み |
| 多様性 | 国際的な学習への取り組み、読書への取り組み |
| 協働性 | 課外活動の取り組み、ICTを活用した学習への取り組み |
「読書への取り組み」と「ICTを活用した学習への取り組み」が明示されているのは珍しいところです。読んだ本や、探究でどんなツールを使ったかを、活動報告書に書く余地があるということです。
書類審査は一般で25%、地域では50%を占めます。地域で受けるなら、ここが半分です。
合格すると学費の給費もある
特別奨学生等学費給費制度(一般のみ) 選抜の成績により、学費給費の資格を得られます(※最大4年間/継続審査あり)。
総合型選抜(一般)は特別奨学生制度の対象です。最大4年間なので、金額の面でも受ける価値があります(地域は対象外)。
どこから手をつけるか
- 一般か地域かを決める。地域は地方自治体の首長からの推薦が必要です
- 地域を狙うなら、推薦の手続きにかかる時間を先に確認する。出願は10月23日までです
- 探究で使った資料を全部書き出して、参考文献リストを作る
- プレゼン資料をA4両面3枚以内にまとめる
- 活動報告書を自筆で書く。読書やICT活用も評価の観点です
- 複数の資料(文章+グラフ)を読んで書く練習をする
- 書いた内容を10分説明できるようにする。口頭試問があります
- 当日は1〜2時間待つ可能性を見込む
まとめ
- 函館大学の総合型選抜は一般(10名)と地域(若干名)の2区分。試験日は2026年10月31日(土)の1回です
- 出願資格そのものに「探究活動に精力的に取り組んだ者」が入っています。評定の条件はありません
- 一般は、学科基礎試験25%+記述式総合問題20%+口頭試問10%+個人面接20%+書類審査25%
- 記述式総合問題は「教科を限定せず、いくつかのテキスト(図表を含む)を読み解き、内容を的確に把握したうえで、批判的・論理的に考えをまとめ記述する」問題です
- その記述式総合問題について、一人10分程度の口頭試問があります
- 地域は基礎学力試験と口頭試問が課されず、面接50%+書類審査50%。ただし出身校の所在する地方自治体の首長からの推薦と、学外での研究成果発表の経験が必要です
- 出願書類に「情報リソース一覧(参考文献リスト)」と「探究学習における成果物(プレゼン資料)」が含まれます(それぞれ両面印刷で最大3枚まで)。活動報告書は受験生本人の自筆
- 書類審査の観点は主体性(資格・検定、自分の考えを発表する取り組み)/多様性(国際的な学習、読書への取り組み)/協働性(課外活動、ICTを活用した学習)
- 順番によっては1〜2時間待つこともありますと要項に明記されています
- 総合型選抜(一般)は特別奨学生等学費給費制度の対象(最大4年間・継続審査あり)
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。北海道の私立大学は札幌大学、札幌学院大学、藤女子大学の記事にもあります。