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日本女子大学の総合型選抜。16学科すべてで実施、当日の試験は10通りに割れる

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日本女子大学の2027年度総合型選抜を募集要項から整理しました。16学科すべてで実施して183名。方式の分岐はありませんが、当日の試験は小論文60分から空間表現130分まで10通りに割れ、心理学科は筆記がありません。4学科は出願時に1,200〜2,000字の論文を書きます。評定の基準も学校長の推薦も不要で、既卒も出願できます。2027年4月に経済学部が新設されます。

日本女子大学の総合型選抜は、16学科すべてで実施されます。方式の分岐はなく、「総合型選抜」の1区分だけ。募集人員は合わせて183名です。

ところが、当日の試験は10通りに割れます。小論文60分の学科、小論文40分+適性検査60分の学科、適性検査だけの学科、130分で絵を描いて文章で説明する学科、そして筆記がまったくない学科。

「日本女子大の総合型対策」という括りでは準備できません。学科を選んだ瞬間に、やることが全部変わります。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・実施学科・選考方法は年度によって変わります。この記事は2027年度 総合型選抜募集要項(37ページ)、16学科のアドミッション・ポリシー、2025・2026年度の入試結果によります。 出典:日本女子大学 入試情報。2026年10月4日に確認しました。

2027年4月に経済学部ができ、家政経済学科が募集停止になる

まずここです。2027年度入試の最大の変更です。

変更 内容
経済学部 経済学科を新設 2027年4月・入学定員99名・目白キャンパス・学士(経済学)。2026年6月19日に設置届出完了を発表
家政学部 家政経済学科は募集停止 2027年4月より(2026年5月20日告知)

2026年度は家政経済学科が総合型選抜を実施していました(1次志願17名)。志望していた人は、経済学部 経済学科(総合型は8名)に切り替えることになります。

募集人員——最大25名から最小2名まで

学部 学科 募集
文学部 日本語日本文学科 25
文学部 英文学科 10
文学部 歴史文化学科 10
経済学部 経済学科 8
人間社会学部 現代社会学科 4
人間社会学部 社会福祉学科 10
人間社会学部 教育学科 6
人間社会学部 心理学科 5
国際文化学部 国際文化学科 25
理学部 数物情報科学科 12
理学部 化学生命科学科 12
建築デザイン学部 建築デザイン学科 6
家政学部 児童学科 20
家政学部 被服学科 25
食科学部 食科学科 2
食科学部 栄養学科 3
合計 183

最大25名と最小2名で12.5倍の開きがあります。

日程は全16学科共通です(出願9/7〜9/15、1次発表10/9、試験10/25、合格発表11/2)。学科で違うのは当日の時間割だけです。

出願のハードルは低い

項目
評定の基準 なし
学校長の推薦 不要
既卒 可(年数制限の記載なし)
専願 規定なし

学校推薦型選抜(公募制)とは別物です。あちらは13学科・専願・評定基準ありで、現代社会・心理・国際文化の3学科は公募制がなく総合型だけです。

検定料は35,000円+手数料1,200円=36,200円。試験場は目白キャンパスです。

当日の試験は10通り

学科 1時限 2時限 午後 書く試験の合計
日本語日本文 適性検査 9:30〜11:00(90分) — 口述試験 13:30〜 90分
英文 小論文(日本語)60分 — 口述試験(日本語) 60分
歴史文化 小論文 60分 — 口述試験 60分
経済 適性検査 60分 — プレゼン及び質疑応答 60分
現代社会 小論文 60分 — 口述試験 60分
社会福祉 小論文 60分 — 口述試験 60分
教育 適性検査 60分 — 面接試験 60分
心理 — — 口述試験 なし
国際文化 小論文 60分 — プレゼン及び質疑応答 60分
数物情報科 適性検査 60分 小論文 11:00〜11:40(40分) 口述試験 100分
化学生命科 小論文 9:30〜10:10(40分) 適性検査 60分 面接試験 100分
建築デザイン 空間表現 9:30〜11:40(130分) (通し) 口述試験 130分
児童/被服/食科/栄養 小論文 60分 — 口述試験 60分

午後の開始は13:00ですが、日本語日本文学科だけ13:30です。

そして心理学科は試験開始時刻が違うため、12時から試験室に入れます。

口述試験は、原則として出願受付順に行われます。早い順番を希望するなら、早めに出願してください。

字数・出題形式・配点は、要項に一切書かれていません。成績開示もありません。過去問・例題は「総合型選抜入学試験ガイド」にありますが、閲覧にパスワード請求が要ります。

ただし学科ごとのアドミッション・ポリシーに「何を見るか」が明記されていて、これは誰でも読めます。以下はそこからの引用です。

名前が「適性検査」でも、中身は論述

ここがいちばん誤解されやすい点です。時間割の科目名だけ見て「小論文がないから楽」と判断してはいけません。

経済学科のアドミッション・ポリシーはこう書いています。

適性検査(筆記試験)にて社会問題や経済問題に関する資料を理解し、それと関連づけながら自らの意見を発信する能力があるかどうかを見る

教育学科も同じです。

適性検査(筆記試験)にて資料を読み取る力、論理的に考える力、自分の意見を文章で表現する力を判定する

どちらも資料型の論述です。実質は小論文に近い(資料・グラフの読み取り)。

一方、日本語日本文学科の適性検査90分は知識型です。

筆記試験で文学の基礎的な知識の修得を判定し

同じ「適性検査」でも中身が違います。

学科ごとに、何を見るかが書かれている

学科 当日の筆記で見ること(アドミッション・ポリシーより)
英文 筆記試験と口述試験を通して、論理的な思考力や他者と議論する力。※試験も答案も日本語で、英語で書く試験ではありません
現代社会 現代社会における諸問題に関心を持ち、その解決に向けて多角的に考えているか、身近な出来事と社会全体の動向との関わりの探究に意欲を持っているか
社会福祉 小論文により現実社会の諸問題に関する基礎的な理解、論理的な思考力、判断力、文章表現力
国際文化 小論文にて国際文化の諸問題に関する論理的な思考力、判断力、表現力
児童 子どもや子どもの環境から課題を見つけ、その課題の問題を解決したり、新たな発見をしたりする主体的探求心をもつ意欲と、論理的な思考力、判断力、表現力
数物情報科 適性検査にて基礎的な知識、小論文にて論理的な表現力。口述試験では数学または物理または情報の基礎的な学力
化学生命科 適性検査にて理科と数学の基礎的な知識、小論文にて論理的な思考力、判断力、表現力
被服 筆記試験と口述試験を通して、被服に関連した基礎的な知識の修得状況

現代社会学科の「身近な出来事と社会全体の動向との関わり」という書き方は、準備の方向をそのまま示しています。時事と自分の生活を往復させる型です。

児童学科はさらに踏み込んで、「情報や条件から論理的に結論を導くことができる能力、得意なことやユニークなことを学修に生かせる応用力など、文系理系を問わずに幅広い能力を持つ学生を求めている」と書いています。

食科・栄養は「午前に書いた小論文が、午後の口述で掘られる」

この2学科だけ、こう書かれています。

口述試験により小論文の課題に関連する基礎的知識の修得を判定し

16学科でこの書き方をしているのはこの2学科だけです。しかも募集人員は2名と3名で最小。

書いたものを説明できるところまでが試験だということです(小論文と面接の接続)。

建築デザイン学科の「空間表現」130分は、絵と文章の複合

要項の説明です。

出題された条件に沿って三次元的なモノの形や配置といった空間の構成をイメージし、それを絵として描写していただきます。また、その状況や構成意図を文章で説明していただきます。

16学科で最長の130分。評価も「『空間表現』試験による表現力(描写力、文章力)と口述試験による言語化」と、描く力と書く力の両方です。

持ち物は鉛筆デッサン用具一式(鉛筆各種、消しゴムまたはネリゴム、鉛筆削り〈カッター可〉)。着彩用具・木炭・フィキサチーフ・測り棒は持ち込み不可です。

心理学科は筆記ゼロ

1時限も2時限も「—」。口述試験だけです。

つまり書く力は、出願書類(自己アピール1,000字+志望理由書1,000字)だけで評価されます。16学科で書類の比重が最も高い学科です。

4学科は、出願の時点で論文を書く

学科別課題があるのは4学科です。しかも全部タイプが違います。

学科 課題 字数
日本語日本文 卒業論文の執筆を想定し、6分野(古典文学/近現代文学/日本語学/中国文学・思想〈漢文学〉/図書館情報学/日本語教育学)から一つ選び、「研究計画書」を作成。本文に研究のテーマ・研究の背景・研究の方法を含め、末尾に参考文献リスト(字数に含めない) 1,200〜1,600字(横書き)
歴史文化 小論文。題目は自分で設定し、参考図書・典拠を明示 1,800〜2,000字
児童 図書1冊を読んで要約+選んだ理由+自分の考え 要約800字+理由400字+考え800字
経済 「卒業論文で探求したい事柄」。字数指定なしの「自由表現」2枚 —

日本語日本文学科は募集人員25名で最大級なのに、高校3年の9月に卒業論文の設計図を書かせます。研究のテーマ・背景・方法という構成が指定されていて、これは研究計画書そのものです(探究の問いの立て方、事前提出レポートの書き方)。

経済学科の「自由表現」2枚は、当日に手元へ持ち込めません。プレゼンのときに資料として使えない形です(後述)。

用紙も学科で違います。

  • 【様式2-1】手書き用(全学科共通課題)=マス目のない横罫線だけのA4・1枚。1,000字は自分で数えます
  • 【様式3】(日本語日本文・児童)=20字×20行=400字詰の横書き原稿用紙
  • 【様式3-歴】(歴史文化)=22字×20行=440字詰が5枚つづり

生成AIの扱いが、2学科で書かれている

日本語日本文学科のほうが詳しい。

文章の作成に生成AIを使用することは禁止します。それ以外の目的で使用する場合は、参考文献のあとに、①生成AIの名称 ②使用の目的 ③使用箇所を明記してください。……剽窃や捏造(ハルシネーション)があった場合の責任は本人に帰するものとします

歴史文化学科は簡潔です。

生成系AIを用いてレポートの文章を生成することは禁止する

どちらも「文章を生成させること」が禁止で、日本語日本文学科だけがそれ以外の用途について申告のルールを定めています(生成AIと小論文)。

国際文化学科のプレゼンは、5言語から選べる

この学科の最大の特徴です。

外国語(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語)でプレゼンテーションしてよい

【様式1】の「プレゼンテーション使用言語」に〇をつけます。そして質疑応答も原則その言語で行われます。

ただし注意があります。

経済学科・国際文化学科のプレゼンテーションでは、一切の資料・メモの持ち込みを禁止します

手ぶらで話します。スライドも原稿もありません(プレゼン型入試の対策)。

第一次選考(書類審査)の厳しさが、学科で5倍違う

2026年度の1次通過率です。

学科 志願 1次通過 通過率
心理 60 13 21.7%
社会福祉 100 29 29.0%
栄養 — — 40.0%
現代社会 49 20 40.8%
英文 98 98 100%
教育 34 34 100%
数物情報科 49 49 100%

全員通過の学科がある一方で、心理学科は5人に1人まで絞られます。

しかも心理学科は当日の筆記がゼロです。つまり自己アピール1,000字+志望理由書1,000字だけで、5人に1人まで絞られることになります。「書類は出せば通る」という前提は、この学科には当てはまりません(志望理由書の書き方、自己PRの書き方)。

奨学金と、被服学科だけの賞

桜楓樹(おうふうじゅ)給付奨学金

給付 入学金+4年間の学費+入寮費用
採用候補者 若干名
条件 1都3県以外の高校出身かつ自宅外通学
申請 出願と同時(9/7〜9/15)
二次選考 11月7日(土)オンライン面接
採用決定 11月10日

総合型選抜の選考とは「一切関係ない」と要項が明記しています。

被服学科賞

総合型選抜で合格し被服学科に入学する者のうち、最優秀1名に入学金相当額20万円。申請は不要で、総合型の合格発表当日にUCAROで通知されます。16学科で被服学科だけの制度です。

準備の順番

時期 やること
高2〜高3春 学科を決める。当日の試験が10通りに割れるので、ここが決まらないと準備が始まりません
高3 春 アドミッション・ポリシーのPDFを読む。学科ごとに「何を見るか」が書かれています。「適性検査」でも中身が論述の学科があることを確認
高3 夏 学科別課題がある4学科(日本語日本文・歴史文化・児童・経済)はここで書く。日本語日本文は研究計画書1,200〜1,600字、歴史文化は1,800〜2,000字
高3 夏 全学科共通課題(自己アピール1,000字+志望理由書1,000字)を書く。心理学科はこれだけで5人に1人まで絞られます
高3 9月7日〜15日 出願。口述試験は出願受付順なので、早い順番を希望するなら早めに。桜楓樹奨学金も同時申請
高3 10月9日 1次発表
高3 10月25日 試験(目白キャンパス)

まとめ

  • 日本女子大学の総合型選抜は16学科すべてで実施、183名。方式の分岐はなく1区分です
  • ★2027年4月に経済学部 経済学科が新設され(定員99名)、家政学部 家政経済学科は募集停止になります
  • 評定の基準も学校長の推薦も不要で、既卒も出願できます。専願の規定もありません
  • ★当日の試験が10通りに割れます。小論文60分が8学科、小論文40分+適性検査60分が理学部2学科、適性検査のみが3学科、空間表現130分が1学科、そして心理学科は筆記ゼロ
  • ★名前が「適性検査」でも中身は論述の学科があります。経済学科は「資料を理解し、それと関連づけながら自らの意見を発信する能力」、教育学科は「資料を読み取る力、論理的に考える力、自分の意見を文章で表現する力」
  • 食科・栄養は「口述試験により小論文の課題に関連する基礎的知識の修得を判定」と明記。書いたものを説明できるところまでが試験です
  • 4学科は出願時に論文を書きます。日本語日本文は卒業論文を想定した研究計画書1,200〜1,600字、歴史文化は1,800〜2,000字、児童は要約800字+理由400字+考え800字、経済は字数指定なしの「自由表現」2枚
  • 生成AIについて書いているのは2学科。日本語日本文は文章の生成は禁止、それ以外の用途は名称・目的・使用箇所を申告、歴史文化は文章の生成を禁止
  • 国際文化学科のプレゼンは5言語(英・独・仏・中・韓)から選べ、質疑応答も原則その言語。ただし経済・国際文化は資料・メモの持ち込みが一切禁止です
  • ★第一次選考の厳しさが学科で5倍違います。心理21.7%・社会福祉29.0%に対し、英文・教育・数物情報科は100%。しかも心理学科は筆記がないので、書類だけで5人に1人です
  • 配点は非公表で、成績開示もありません
  • 被服学科だけ、総合型の最優秀1名に入学金相当額20万円が出ます

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。

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