日東駒専の総合型選抜。4校で「型」の作り方がまったく違う
日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学の総合型選抜を公開情報に沿って整理しました。東洋大の学科別の型と共通時程、駒澤大の2方式と奨学金、日大の学部完全独立、専修大の資格活用までを解説します。
日東駒専の総合型選抜は、併願のしやすさと選考の中身で、4校がきれいに分かれます。
東洋大学は学科ごとに「型」を用意し、駒澤大学は2つの方式を並べ、日本大学は学部ごとに完全に独立、専修大学は資格を出願条件に使う。
「日東駒専の総合型対策」という括りは成立しません。この記事は、4校の設計を並べて整理するためのものです。
必ず志望大学・学部の最新の入学試験要項で確認してください。日程・実施学部・選考方法は年度によって変わります。とくに日本大学と専修大学は学部ごとに要項が分かれています。 出典:東洋大学 入学試験要項/駒澤大学 自己推薦選抜/日本大学 入試情報/専修大学 入試情報
4校の設計を並べる
| 東洋大学 | 駒澤大学 | 日本大学 | 専修大学 | |
|---|---|---|---|---|
| 名称 | AO型推薦入試/自己推薦入試 ほか | 自己推薦選抜(総合評価型/特性評価型) | 総合型選抜 | 総合型選抜/公募制推薦入試 |
| 実施の幅 | 多くの学部・学科 | 総合評価型は全学部 | 多くの学部(学部ごとに独立) | 4学部程度と限定的 |
| 選考の骨格 | 小論文60分+2限目(学科で変わる) | 小論文60分+面接・口頭試問 | 学部により完全に別 | 書類+面接が中心 |
| 併願 | 基礎学力テスト型は併願可 | 自己推薦選抜は専願 | 学部・方式による(併願型を新設した学部あり) | 要項で要確認 |
東洋大学——学科ごとの「型」と、共通の時程
型の一覧
要項を見ると、学科ごとに「〜型」という区分が用意されています。記事執筆時点の要項に現れる型を数えると、こうなります。
| 型 | 数 |
|---|---|
| 小論文型 | 25 |
| 総合問題型 | 2 |
| 漢文型 | 2 |
| 論文型/理系型/文系型/実技型 | 各1 |
小論文型が圧倒的多数です。そのうえで、学科の性格に合わせた型が用意されています。
- 文学部哲学科——小論文型/ディベート型
- 文学部東洋思想文化学科——小論文型/漢文型
漢文型という区分があるのは、東洋思想文化学科という学科の性格そのものです。自分の強みで型を選べる設計になっています。
共通する時程
要項の時間割を並べると、多くの学科で骨格が共通しています。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 9:00 | 集合 |
| 9:00〜9:20 | 説明 |
| 9:20〜10:20 | 小論文(60分) |
| 10:40〜(学科により10:50〜) | 2限目 |
そして2限目の中身が学科で変わります。
| 2限目 | 学科の例 |
|---|---|
| 面接(口頭試問を含む) | 多数 |
| グループディスカッション | 子ども支援に関する学科など |
| プレゼンテーション・質疑応答 | 学科により |
小論文60分は、ほぼ全学科で共通と考えて準備してよい。そのうえで2限目に何が来るかを要項で確認してください。
口頭試問の内容が学科別に明記されている
これは対策上ありがたい情報です。要項には、口頭試問で何を問うかが学科ごとに書かれています。
| 学科の例 | 口頭試問の内容 |
|---|---|
| 電気電子情報工学科 | 数学・物理に関する内容 |
| 生命科学科・生物資源学科 | 化学・生物に関する内容 |
| 環境系の学科 | 環境に関する基礎知識 |
| 理系型の学科 | 化学「物質の変化とその利用(化学基礎の範囲)」もしくは生物「ヒトの体…」 |
| 学科により | 出願時に提出された志願理由書の内容 |
「口頭試問=志望動機の面接」ではありません。理系学科では、教科の知識がそのまま問われます。準備の方向は口頭試問の対策にまとめています。
事前課題が要項に載っている
プレゼンテーションを課す学科では、課題そのものが要項に書かれています。記事執筆時点の要項から例を挙げると——
- 「自分が実施しているスポーツ(に関する課題)」
- 「年収の壁」について——参照すべきWebサイトが要項に明記され、「そもそも、年収の壁とは、どのような現象・状況であ(るか)」から論じる構成
そして提出方法の指定。
課題に関するプレゼンテーションの要旨を、ワープロソフトを用いてA4用紙(40字×36行)1枚以内(で作成)
参照資料まで指定されているので、何を読めばよいかで迷いません。要項が出たらすぐ着手してください。準備はプレゼン型入試を参照してください。
基礎学力テスト型は併願可
東洋大学には、総合型選抜 基礎学力テスト型入試(公募制・併願可)という別枠があります。
併願できる総合型選抜は、日東駒専の中では貴重です。専願に踏み切れない人にとって、有力な選択肢になります(総合型選抜と一般入試の両立)。
駒澤大学——2つの方式と、大きな奨学金
自己推薦選抜は2方式
| 総合評価型 | 特性評価型 | |
|---|---|---|
| 対象 | 全学部 | 学部により |
| 評価するもの | 高校での学業意欲と入学後の学習意欲 | 高校で取得した資格・課外活動の実績 |
| 選考 | 小論文+面接・口頭試問 | 1次=書類審査/2次=オンライン面接・口頭試問 |
両方とも専願です。公開情報によれば「合格後は本学に入学することを出願の条件とします」とされています。
総合評価型の時程
公開情報によれば、次の構成です。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10:00〜11:00 | 小論文(60分) |
| 12:00〜 | 面接・口頭試問(特定学科ではグループ討論) |
そして医療健康科学部は筆記試験で、出題は「数学Ⅰ・Ⅱ・A・B、物理基礎、化学基礎」とされています。小論文ではなく教科試験です。
出願資格の評定基準は学科により異なるので、要項で必ず確認してください。
特性評価型は2次がオンライン
特性評価型は、2次選考がオンラインの面接・口頭試問です。会場に行く必要がないぶん、遠方の受験生に有利です。
ただし、評価されるのは資格と課外活動の実績なので、証明できるものを持っていることが前提になります(活動報告書に書くことがない人へ)。
奨学金がある
公開情報によれば、合格発表時に奨学金の対象かどうかも分かる仕組みで、年額50万円が最大4年間とされています。学費負担の観点から、検討の材料になります(保護者のためのお金と事務)。
日本大学——学部ごとに完全に独立
日本大学は規模が大きく、総合型選抜の設計が学部ごとにまったく違います。公開情報から例を挙げます。
| 学部 | 選考の性格 |
|---|---|
| 法学部 | プレゼンテーション型/小論文型 |
| 文理学部 | 18学科で実施。学科ごとに口頭試問・小論文・実技など |
| 経済学部 | 書類審査+面接 |
| 商学部 | プレゼンテーション+面接 |
「日本大学の総合型対策」は成立しません。学部、さらに学科の要項を読んでください。
法学部は2027年度から2方式に
公開情報によれば、法学部は2027年度入試からCL方式(専願型)に加えてCL方式(他大学併願型)を新設し、複数の学科で両方式を実施するとされています。
併願型が新設されたことの意味は大きい。専願を避けたい人に選択肢ができたということです。
そして法学部の総合型小論文について、公開情報はこう説明しています。
総合型小論文は高等学校の教育課程を踏まえ、論理的読解力・論理的思考力を日本語と英語の出題で確認します。
英語の出題が含まれます。英文課題文型の小論文の準備が必要です。分野の背景は法学部の小論文対策を土台に、法と正義、裁判と司法参加を押さえてください。
専修大学——実施は限定的、資格が効く
4校の中で、実施学部が最も少ないのが専修大学です。公開情報によれば、記事執筆時点の実施はおおむね次のとおり。
| 制度 | 実施学部・学科 |
|---|---|
| 総合型選抜 | 経済学部国際経済学科/経営学部(経営学科、ビジネスデザイン学科)/国際コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科/ネットワーク情報学部 |
| 公募制推薦入試 | 商学部(マーケティング学科、会計学科)/ネットワーク情報学部(新規) |
資格試験の使い方が特徴的
経営学部経営学科の総合型選抜では、公開情報によれば簿記・英語・情報処理・数学・統計の5領域の資格が評価対象で、難易度に応じて評価されるとされています。2027年度から対象資格が追加されました。
ネットワーク情報学部の公募制推薦では、英語外部試験のスコアに加え、実用数学技能検定2級以上などの数学関連資格が求められるとされています。
資格を持っている人にとっては、強みがそのまま点数になる設計です。逆に、資格がない人向けの枠もあります——経済学部の「発想力型」のように、資格を問わない総合型選抜も用意されています。
小論文の準備——4校に共通して
東洋大と駒澤大は小論文60分が骨格です。日本大学も学部により小論文型があります。
60分は短い。構成を考える時間を先に決めておかないと書き切れません。
形式は要項に明記されないことが多いので、課題文型もテーマ型も資料型も一通り練習しておいてください。土台は小論文の完全ガイド、形式別は課題文型の手順・テーマ型・資料・グラフ型にまとめています。
学部系統別のテーマは学部系統別の小論文対策から自分の系統へ進んでください。
併願の観点で選ぶ
年内入試を組み立てるうえで、専願か併願かは最も重要な条件です。
| 併願を考えるなら | 専願で臨むなら |
|---|---|
| 東洋大学 基礎学力テスト型(併願可) | 東洋大学 AO型推薦・自己推薦 |
| 日本大学法学部 CL方式(他大学併願型) | 駒澤大学 自己推薦選抜(総合評価型・特性評価型) |
| — | 日本大学法学部 CL方式(専願型) |
併願可の枠が増えているのが近年の傾向です。要項で必ず確認してください。
準備の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2〜高3春 | 志望校・学部を決める。専願か併願かを最初に判断 |
| 高2〜高3春 | 専修大志望なら資格を取る(簿記・英語・情報処理・数学・統計など) |
| 高3 4〜7月 | 小論文60分の演習を始める。形式を絞らず一通り |
| 高3 7〜9月 | 要項が出たら、事前課題・プレゼン課題をすぐ確認(東洋大は課題が要項に載っている) |
| 高3 夏 | 志望理由書・活動報告書。理系学科は口頭試問に備えて教科を復習 |
| 高3 9月 | 出願 |
| 高3 10月 | 試験(小論文+2限目) |
理系学科の口頭試問対策を忘れないでください。東洋大の要項が示すとおり、数学・物理・化学・生物の基礎がそのまま問われます。
出願実務の落とし穴は出願直前チェック17項目、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。
まとめ
- 4校で設計が違う。東洋=学科別の型、駒澤=2方式、日大=学部完全独立、専修=資格活用
- 東洋大は学科ごとに小論文型・ディベート型・漢文型などの型がある。小論文型が最多
- 東洋大の時程はおおむね共通で、9:20〜10:20に小論文60分、そのあと2限目(面接/グループディスカッション/プレゼン)
- 東洋大は口頭試問の内容が学科別に要項へ明記されている。理系は教科の知識が問われる
- 東洋大のプレゼン課題は要項に実物が載っており、参照資料まで指定されている
- 東洋大の基礎学力テスト型は併願可
- 駒澤大の自己推薦選抜は専願。総合評価型は小論文60分+面接・口頭試問。医療健康科学部は教科の筆記試験
- 駒澤大は年額50万円・最大4年の奨学金が合格発表時に分かる
- 日本大は学部ごとに完全に別。法学部は2027年度から他大学併願型を新設し、小論文は日本語と英語の出題
- 専修大は実施が限定的。経営学科は簿記・英語・情報処理・数学・統計の5領域の資格を難易度に応じて評価
- 志望学部の最新の入学試験要項で必ず確認する
同じ規模帯では東海大学 総合型選抜、帝京大学・武蔵野大学・神奈川大学、大東文化・亜細亜・国士舘・拓殖もまとめました。どちらも他大学と併願でき、評定を要件にしない入試を持っています。