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専修大学の総合型選抜。実施は5学科だけ、しかも小論文の問題が要項に全文載っている

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専修大学の2027年度総合型選抜は8学部19学科のうち5学科だけ。法学部・文学部・人間科学部には年内の公募型入試がありません。国際経済学科と異文化コミュニケーション学科は課題小論文を出願時に提出し、設問も課題図書も要項に全文載っています。異文化は当日に講義40分を受けてから小論文60分。商学部の公募制推薦は英検準2級や数検準2級でも出願できます。

専修大学の総合型選抜は、8学部19学科のうち5学科でしか行われません。日東駒専の4校では、実施の範囲がいちばん狭い大学です。

ただし実施している学科の中身は濃いです。とくに国際経済学科と異文化コミュニケーション学科は、小論文の設問と課題図書が要項に全文載っています。出願の時点で「問題」が公開されている入試です。

必ず最新の入学試験要項で確認してください。日程・実施学科・選考方法は年度によって変わります。この記事は2027(令和9)年度の総合型選抜4要項・公募制推薦2要項と所定用紙、2026年度入試結果、公開されている過去問題によります。 出典:専修大学 入試情報の入学試験要項ダウンロードページ。2026年10月4日に確認しました。

年内に自力で出願できるのは8学科だけ

まず全体像です。

総合型選抜(5学科)

学部 学科 募集人員 校舎
経済学部 国際経済学科 20名 生田
経営学部 経営学科 15名 生田
経営学部 ビジネスデザイン学科 10名 生田
ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科 10名 生田
国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科 12名 神田

年内の公募制推薦(3学科)

学部 学科 募集人員
商学部 マーケティング学科 20名
商学部 会計学科 15名
ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科 10名(2027年度から新規実施)

総合型選抜を実施していないのは、法学部・文学部・人間科学部の全学科と、経済学部の現代経済学科・生活環境経済学科、商学部の両学科、国際コミュニケーション学部の日本語学科です。

このうち商学部は公募制推薦で受けられますが、法学部・文学部・人間科学部には年内の公募型入試が事実上ありません(指定校推薦などはありますが、一般の受験生が自力で出願できるものではありません)。

専修大学の法学部や文学部を総合型選抜で狙う、という計画は立ちません。ここを最初に押さえてください。

出願時に小論文を書いて出す学科が2つある

専修大学の特徴がここです。国際経済学科と異文化コミュニケーション学科は、小論文を出願書類として自宅で書いて提出します。しかも設問が要項に全文載っています。

経済学部 国際経済学科——3つの型から選ぶ

国際経済学科の総合型選抜は、英語資格型・発想力型・探索力型の3方式から1つを選んで出願します。課題小論文の中身が、方式ごとに完全に別物です。

方式 課題 字数
英語資格型 World Inequality Report 2026 の Executive Summary を読み、所得と富のグローバル格差/温室効果ガス排出量の格差/教育機会の格差を図から論じ、提言されている是正策から最も重要だと考える政策を1つ選んで理由を論じる 1,500字以内
発想力型 国際社会や地域社会の問題・課題から1つ選び、自らの体験および学習の双方に基づいて提案や解決策とその実現方法を述べる。解決策が伝わるタイトルをつけ、3項目に分けて記述 合計3,000字以内(問題・課題500字/提案・解決策1,500字/実現方法1,000字)
探索力型 課題図書『ニッポンの移民──増え続ける外国人とどう向き合うか』(是川夕、ちくま新書、2025年)を読んで設問1〜4に答える 各500字以内(計2,000字)

資格が必要なのは英語資格型だけです。発想力型と探索力型には資格要件がありません。「資格がないと専修の総合型は無理」というのは誤りです。

探索力型の設問は4つで、要項にこう載っています(要約)。

  1. 「移民政策不在論」が広く受け入れられてきた理由を、戦後から2000年代前半までの政策の変遷と関連付けながら説明
  2. 2019年施行の「特定技能制度」の概要を述べたうえで、「断絶」と「連続」の双方に焦点をあてて説明
  3. 日本が近年ますます移住先として選ばれるようになっている理由を、課題図書の移民理論とデータを用いて説明
  4. これからの日本は外国人をどのように受け入れていくべきか、課題図書の内容および筆者の主張を踏まえて論じる

設問1〜3は本の内容を正確に読み取る問題で、設問4だけが自分の意見です。新書1冊を読み込む力が前提になります(課題文の要約、事前提出レポートの書き方)。

出典の書き方が細かく指定されています。所定用紙の最後の欄に、著者名・書名・出版社・発行年、雑誌や新聞なら名称と発行年月日、ウェブサイトならタイトル・URLと閲覧年月日を正確に書きます。そして要項にこう明記されています。

Wikipediaや個人ブログ等、記載者・記載団体が特定できず、その記載に責任を負っている人・団体が追えないものの使用は不可

発想力型にはさらに「出典は、本や論文を優先的に参照することを推奨します。ウェブサイトや番組・動画資料のみにならないようにしてください」という但し書きが付きます。

そして定義の指定も見逃せません。

読書や番組・動画の視聴は「体験」には含まれません。「学習」に入ります

発想力型は「自らの体験および学習の双方」が条件です。本を読んだだけでは「体験」になりません。実際に動いた経験が必要です(探究活動の完全ガイド)。

要項には第1次選考で何を重視するかも書かれています。国際経済学科は「小論文の評価をもっとも重視」と明記。方式ごとの観点は次のとおりです。

  • 英語資格型:論題を正しく把握し、関連資料やデータを調べ、論理的に書けているか
  • 発想力型:発想の基となる体験があり、その体験から得た着想か。着想が課題解決に有益か。補う学習をしたか。実現方法が書けているか
  • 探索力型:課題図書を読みこなし、論旨を的確に把握しているか

第2次選考は面接だけです。つまり合否の中心は、出願時に出した小論文ということになります。

国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科——出願時に2本、当日に1本

こちらは出願時の課題小論文が2本(各700字以上850字以内)あり、さらに当日にも小論文60分があります。

課題図書は庵功雄『やさしい日本語──多文化共生社会へ』(岩波新書、2016年)。要項には「課題図書は各自で入手すること。講義の際に書籍を持ち込みたい場合には、紙媒体の書籍を入手すること」とあります。電子書籍だと当日持ち込めません。

出願時の2問は、要項に全文載っています。

  • 問題1:著者が指摘する日本社会の現状と課題を踏まえたうえで、「やさしい日本語」とはどのようなものか、その目的と意義を具体的に説明する。そのうえで、社会とことばの問題について、本書の中で最も重要だと考えた点を一つ挙げ、なぜ重要だと考えるのかを述べる
  • 問題2:「やさしい日本語」は外国人のためだけのものではなく日本社会全体にとって必要なことばであるという著者の考えについて、自身の立場や意見を述べる。その際、本学科の名称である「異文化コミュニケーション」という概念についてどう考えるかにも言及する

問題2の最後の条件が効きます。学科名そのものをどう捉えているかを書かせています。パンフレットの言葉を写しても通りません。

当日は、講義を40分受けてから書く

異文化コミュニケーション学科の第2次選考は、こういう流れです。

時間 内容
9:30〜9:40 受験上の注意
9:40〜10:20 講義(40分)
10:35〜11:35 小論文(60分)
13:00〜 面接(1人20分程度)(※昼食持参)

要項の説明はこうです。

課題図書に基づく講義を受講したうえで、その課題図書及び講義に関連する小論文を書いていただきます

出願時に読んだ本の内容が、当日の講義で深められ、それを踏まえて書くという設計です。本を読んでいることが前提で、しかもその場で聞いた話を取り込む必要があります。聞き取りとメモの訓練が要ります。

字数は要項に書かれていませんが、2026年度の実物は600字以上800字以内でした。

第1次発表が10月2日、第2次試験が10月10日と、専修大学の中で最も早い日程です。

当日に書くもの——学科で全部違う

学部・学科 試験 時間 出題のかたち
経営学部 ビジネスデザイン学科 小論文 60分(9:30〜10:30) 「ビジネス関連のテーマについて論述」。2026年度は課題文型(書籍の抜粋+設問、800文字以内)
ネットワーク情報学部(総合型) 記述式総合問題 70分(10:30〜11:40) 「情報に関する思考力・判断力・表現力を問う問題や、本学部で学ぶ上での関心・意欲を問う問題を3題程度」
国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科 小論文 60分(10:35〜11:35) 講義40分の直後。課題図書および講義に関連する内容
商学部(公募制推薦) 小論文 90分(9:30〜11:00) 「新聞の論説などの文章を読んだうえで、その内容について論述する問題が2題程度」。2026年度は500字以内+300字以内

筆記がないのは3つです。経済学部 国際経済学科(2次は面接のみ)、経営学部 経営学科(2次は面接のみ)、ネットワーク情報学部の公募制推薦(2次は面接のみ)。

ビジネスデザイン学科は小論文のあとにプレゼンテーション(11:00〜)が続きます。

ネットワーク情報学部——3分の自己推薦動画と、公開された評価観点

ネットワーク情報学部の総合型選抜は、1次の書類審査に自己推薦動画が入ります。

そして生成AIについて、専修大学で唯一はっきり書いているのがこの学部です。

生成AIの利用や他者の助言を受けることは禁止しませんが、受験者本人が主体的に作成するようにしてください。面接で確認することがあります

禁止ではなく「面接で確認する」という線の引き方です。他の5要項には生成AIの記載がありません(生成AIと小論文)。

さらにこの学部は、記述式総合問題の「正解・正解例・評価観点」を公開しています。2026年度の第3問は生成AIの誤情報を扱った新聞記事が題材でした。動画の評価基準も公開されていて、「編集技術や画質を審査するのではない」と明記されています。凝った動画を作る必要はありません。

第1次選考の合格者には、記述式総合問題のサンプル問題が送られます。1次を通ってから準備できる設計です。

出願の締切に注意が要ります。この学部だけWEB提出書類の締切が別建てで、事前登録フォームが9月9日23:59、WEB提出が9月11日11:59(午前)。郵送の消印有効より早く締まります。

資格の使い方が、学科でまるで違う

「資格がないと出願できない」と思われがちですが、実際は学科ごとにまったく違います。

入試 資格の扱い
経済学部 国際経済学科 英語資格型だけ資格が必要。発想力型・探索力型は資格不要
経営学部 経営学科 簿記・英語・情報処理・数学・統計の5領域から1つ必須。複数領域で加点(2027年度に数学・統計を追加)
ネットワーク情報学部(総合型) 探究学習アピール型・自己アピール型・海外留学チャレンジ型のいずれか1つ以上に該当すればよい
ネットワーク情報学部(公募制推薦) 英語と数学の両方が必須。ただし数学は実用数学技能検定2級以上のほかに、評定で代替できる(数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cすべてで3.3以上、または数Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cすべてで3.6以上)
商学部(公募制推薦) 14の資格から1つ。英検準2級や数検準2級でも出願できる

商学部の公募制推薦は、普通科の高校生でも入りやすい設計です。英検準2級で出願できる年内入試は、日東駒専の中では貴重です。

そしてネットワーク情報学部の公募制推薦は、数検がなくても評定で代替できます。「数検2級以上が必須」ではありません。

併願のルールが方式ごとに違う

ここは専修大学でいちばん複雑です。

入試 学内併願のルール
ネットワーク情報学部 本学の学校推薦型選抜との併願は不可だが、総合型選抜との併願は可能。つまり同じ学部を9月(総合型)と11月(公募制推薦)の2回受けられる
経営学部 総合型選抜での両学科出願は不可。学校推薦型選抜との併願も不可
商学部(公募制推薦) 「第一志望」が推薦基準。両学科への出願は不可
経済学部 国際経済学科/ネットワーク情報学部 総合型 併願の条項が要項に記載なし

ネットワーク情報学部を志望するなら、9月と11月の2回チャンスがあります。これは知っておく価値があります。

合格したら入学することが前提(専願)という拘束は、経営・異文化・商学部・ネットワーク情報学部の公募制推薦に共通しています。

日程

総合型選抜の出願期間は4要項とも共通で、WEB出願登録が9月1日9:00〜9月11日17:00、書類の郵送が9月7日〜9月11日(締切日消印有効)です。

1次発表 2次試験 2次発表
異文化コミュニケーション学科 10月2日(最も早い) 10月10日 11月2日
国際経済学科 10月9日 10月17日 11月2日
経営学部(両学科) 10月9日 10月17日 11月2日
ネットワーク情報学部 10月14日 10月31日 11月13日

公募制推薦は、WEB出願登録が10月26日9:00〜11月6日17:00、試験が商学部11月14日・ネットワーク情報学部11月21日、合格発表はどちらも12月1日です。

商学部は書類審査・小論文・面接を同日1回で完結(1次発表なし)、ネットワーク情報学部は書類審査→面接の2段階という違いがあります。

合否はすべてマイページ発表のみで、郵送通知はありません。

配点は全方式で非公表

6つの要項すべてを確認しましたが、「配点」「満点」「〇点」という記載が存在しません。経営学部の総合型選抜ページのQ&Aでも「点数については答えることはできません。それぞれの資格のレベルや難易度に応じて点数化します」と回答しています。入試結果にも合格最低点の欄がありません。

配点が読めない以上、どこで差がつくかは要項の言葉から推測するしかありません。国際経済学科だけが「小論文の評価をもっとも重視」と明記しているので、ここは確実な手がかりです。

検定料は全方式35,000円+サービス利用料1,100円。試験会場は生田・神田の学内のみで、地方会場はありません。

奨学金

合格者には新入生特別奨学生があります。公募制推薦・総合型選抜・外国人留学生入試の成績優秀者が対象で、1〜3年次の3年間、授業料の半額相当額。ネットワーク情報学部の要項は本文でこれに言及しています(保護者のためのお金と事務)。

準備の順番

時期 やること
高2〜高3春 志望学科が総合型選抜を実施しているかを確認。法学部・文学部・人間科学部には年内の公募型入試がありません
高3 春 国際経済学科なら3方式のどれで出すかを決める。経営学科志望なら5領域の資格を1つ取る
高3 6〜7月 要項が出たら課題図書を入手して読む。国際経済(探索力型)は『ニッポンの移民』、異文化は『やさしい日本語』。異文化は当日持ち込むなら紙の本
高3 7〜8月 課題小論文を書く。国際経済は最大3,000字、異文化は700〜850字×2本。出典の書き方の指定を守る(Wikipedia・個人ブログは不可)
高3 9月1日〜11日 総合型選抜の出願。ネットワーク情報学部はWEB提出が9月11日11:59(午前)締切で、郵送より早い
高3 10月 2次選考。異文化は10月10日、国際経済・経営は10月17日、ネットワーク情報は10月31日
高3 10月26日〜11月6日 公募制推薦の出願(商学部・ネットワーク情報学部)

いちばん効くのは、夏に課題図書を読み切ることです。専修大学の総合型選抜は、出願の時点で勝負の大半が終わっています。

まとめ

  • 専修大学の総合型選抜は8学部19学科のうち5学科だけ。法学部・文学部・人間科学部には年内の公募型入試がありません
  • 商学部は総合型選抜ではなく公募制推薦(マーケティング20名・会計15名)。ネットワーク情報学部の公募制推薦は2027年度から新規実施です
  • 国際経済学科と異文化コミュニケーション学科は、小論文を出願書類として自宅で書いて提出します。設問も課題図書も要項に全文載っています
  • 国際経済学科は英語資格型(1,500字)・発想力型(3,000字)・探索力型(2,000字)の3方式。資格が要るのは英語資格型だけです
  • 出典の書き方が細かく指定され、Wikipediaや個人ブログは使用不可と明記されています
  • 発想力型には「読書や番組・動画の視聴は『体験』には含まれません」という定義が書かれています
  • 異文化コミュニケーション学科は、当日に講義40分を受けてから小論文60分を書きます。課題図書を紙の本で持ち込めます
  • 商学部の公募制推薦は英検準2級や数検準2級でも出願でき、小論文は90分で新聞の論説などを読んで論述する2題程度です
  • ネットワーク情報学部は自己推薦動画があり、生成AIについて「禁止しないが面接で確認する」と明記。記述式総合問題の正解例と評価観点を公開しています
  • ネットワーク情報学部だけ、総合型選抜と公募制推薦を併願でき、同じ学部を9月と11月の2回受けられます
  • 配点は全方式で非公表。国際経済学科だけが「小論文の評価をもっとも重視」と明記しています

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。

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