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小論文の一文の書き方。60字で切る・ねじれを直す・修飾語を近づける

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採点者が読みにくいと感じる答案は、一文が長すぎます。60字の目安、主語と述語のねじれの見つけ方、修飾語の置き場所、読点の基本という4つの技術で文を整えます。

構成は正しいのに読みにくい答案があります。原因を探ると、ほぼ一文の作り方に行き着きます。

一文が長い。主語と述語が噛み合っていない。修飾語がどこに掛かるか分からない。——どれも内容の誤りではありませんが、採点者に「読み直し」をさせた時点で、答案は不利です。読み直させる文章は、それだけで伝える力を疑われます。

この記事は、文単位の技術を4つに絞って扱います。

技術1:一文は60字を目安に切る

一文が長くなるほど、主語と述語の距離が開き、事故が起きます。目安は60字。原稿用紙なら3行です。超えたら、切れないか疑ってください。

長い文は、たいてい次の形をしています。

現代社会においてSNSが普及したことにより誰もが自由に意見を発信できるようになったが、その一方で誤った情報も拡散されやすくなっており、情報を受け取る側のリテラシーが求められるようになっている。(94字)

切り方は単純で、接続助詞(〜が、〜ので、〜おり)の場所で文を分けるだけです。

SNSの普及で、誰もが意見を発信できるようになった。一方で、誤った情報も拡散されやすくなった。受け取る側には、情報を選別する力が求められている。(71字・3文)

内容は同じ、字数はむしろ減り、読み直しなしで頭に入ります。「〜が、」で文をつなぎ続ける癖のある人は、これだけで答案が変わります。

ただし、短文だけを並べると幼く見えます。60字前後の文と30字前後の文を交ぜるのが実際の目標です。すべてを短くするのではなく、一文一義——1つの文に言いたいことは1つ——を守ってください。

技術2:ねじれは「骨格読み」で見つける

主述のねじれとは、主語と述語が文法的に噛み合っていない状態です。

私の目標は、地域医療に貢献できる看護師になりたい。

「目標は〜なりたい」がねじれています。「目標は〜になることだ」か「私は〜なりたい」のどちらかに揃える必要があります。

ねじれの怖さは、書いた本人には見えないことです。頭の中では意味がつながっているからです。見つけるには機械的な方法を使います。

骨格読み:修飾語を全部飛ばして、主語と述語だけを直結して読む。

「私の目標は……なりたい」→ ✕ 「重要なのは……考えるべきだ」→ ✕(重要なのは〜ことだ、が正しい) 「この問題は……解決しなければならない」→ ✕(問題「を」解決する、のねじれ)

ねじれが起きやすいのは、長い文の後半と、「〜は」で始めて途中で主語を乗り換えた文です。技術1で文を短くすると、ねじれは自然に減ります。見直しの際は、各文の頭と尻だけを拾って読むと、短時間で点検できます。

技術3:修飾語は、掛かる相手の直前に置く

私は必死で反対する友人を説得した。

「必死」なのは私か、友人か。読み手には決められません。修飾語と被修飾語が離れるほど、文は曖昧になります。

直し方は2つです。

  1. 修飾語を掛かる相手の直前に移す——「私は、反対する友人を必死で説得した」
  2. 読点で切れ目を示す——「私は必死で、反対する友人を説得した」

もう1つの原則は、長い修飾語を先に、短い修飾語を後にです。

✕ 新しい、地域の高齢者が気軽に立ち寄れる場所 ○ 地域の高齢者が気軽に立ち寄れる、新しい場所

語順を変えるだけで、読点なしでも誤読が消えます。

技術4:読点は「切れ目」に打つ

読点の細かい規則を暗記する必要はありません。答案で機能する原則は3つだけです。

原則 例
主語が長いとき、主語の後に 高齢化が進む地方の自治体では、
接続の言葉の後に しかし、/したがって、
誤読が生まれる場所に 技術3の例のとおり

避けたいのは両極端です。読点ゼロの答案は切れ目を読者に探させ、一文に4つも5つも打つ答案は、そもそも文が長すぎるサインです。読点を打ちたくなったら、まず技術1(切る)を検討してください。

実例:4つの技術で直す

✕ 私が考える地域活性化に必要なのは、若者が地元に残りたくなるような魅力ある雇用を行政と企業が連携して創出することで人口流出を防ぎたい。(66字・ねじれ+長文)

骨格読みをすると「必要なのは……防ぎたい」でねじれています。切って、揃えます。

○ 地域活性化に必要なのは、若者が地元に残りたくなる雇用である。行政と企業が連携して雇用を作れば、人口流出は抑えられる。(58字・2文)

直す順序は、①切る → ②骨格を揃える → ③修飾語を寄せる → ④読点を整える。この順でやると、後の工程がほとんど不要になります。

練習方法

一文の癖は、書きながらは直せません。書いた後の点検で直すものです。

  1. 答案を1本書く
  2. 60字超の文に線を引き、切れるか検討する
  3. 全文を骨格読みして、ねじれを探す
  4. 音読する。息が苦しい場所は、読者も苦しい場所です

この点検を3本分やると、書く段階から癖が消え始めます。練習方法の「1本を3回使う」流れの2回目に組み込むのが効率的です。言葉の格の点検は言い換え辞典、原稿用紙上の形式は表記ルールとセットでどうぞ。

まとめ

  • 一文60字を目安に、接続助詞の場所で切る。「〜が、」の連結をやめる
  • ねじれは骨格読み(主語と述語の直結)で機械的に見つける
  • 修飾語は掛かる相手の直前に。長い修飾語が先、短いのが後
  • 読点は長い主語の後・接続語の後・誤読の起きる場所だけでよい
  • 直す順序は、切る→揃える→寄せる→整える

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