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甲南大学の総合型選抜。4区分あり、257名は「マークシート2教科」で決まる

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甲南大学の2027年度総合型選抜を入学試験要項から整理しました。公募制推薦【AO型】の3方式に加えて、全学部257名の【教科科目型】も大学自身が総合型選抜と位置づけています。教科科目型は調査書を10倍して50点、志望理由書が15点か30点と配点が全部公開。小論文があるのは知能情報学部の1枠だけで、過去問も読めます。4区分とも専願ではありません。

甲南大学の総合型選抜は、「公募制推薦」という名前で行われます。そして一般的な感覚と逆のことが2つ起きています。

1つめ。「公募制推薦」なのに、大学はこれを総合型選抜として位置づけています。要項にも公式サイトにも「総合型選抜」というラベルが付いています。

2つめ。4つある区分のうち、いちばん人数が多い257名は、マークシート2教科の筆記試験で決まります。

必ず最新の入学試験要項で確認してください。日程・実施学部・選考方法は年度によって変わります。この記事は2027年度 入学試験要項(公募制推薦【AO型】個性重視方式/探究活動評価方式/女子特別推薦方式、公募制推薦【教科科目型】の各要項)と、公開されている2026年度の過去問・入試結果によります。 出典:甲南大学 入学試験要項。2026年10月4日に確認しました。

4つの区分

区分 実施 募集人員 選考
【AO型】個性重視方式 文学部 歴史文化学科/経営学部/マネジメント創造学部/グローバル教養学環 約2名/若干名/約15名/約5名 書類 → グループワークまたは面接
【AO型】探究活動評価方式 理工学部 宇宙理学・量子物理工学科/物質化学科/環境・エネルギー工学科/フロンティアサイエンス学部 約2名/約2名/若干名/約3名 書類 → 面接のみ
【AO型】女子特別推薦方式 理工学部 宇宙理学・量子物理工学科/環境・エネルギー工学科/知能情報学部 約2名/若干名/約3名 書類 → 知能情報だけ小論文+面接、他は面接のみ
【教科科目型】 全学部・学環 257名 マークシート2教科+調査書+志望理由書

AO型3方式を合わせても約34名+若干名3枠。それに対して教科科目型が257名です。人数で見れば、甲南の総合型選抜はほぼ教科科目型ということになります。

4区分とも専願ではありません。教科科目型の要項にも「専願制ではありませんので、他大学との併願が可能です」と明記されています。そして4区分とも学校長の推薦書が不要です。

2027年度に【個性重視型】から【AO型】個性重視方式へ名称が変わりました。

教科科目型——評定が、そのまま点数になる

ここが甲南でいちばん珍しい設計です。配点が全部公開されていて、しかも調査書と志望理由書に点数が付いています。

  • 調査書=全体の学習成績の状況を10倍して得点化(50点満点)
  • 志望理由書・自己推薦書=15点または30点

つまり評定3.9なら39点、3.2なら32点。差は7点です。評定が点数に直結する総合型選抜という、あまり見ない形です。

学部ごとの配点はこうなっています。

学部・学科 評価 外国語 国語/数学 調査書 志望理由書 満点
文学部 日本語日本文学・社会・人間科学 国語 150 国語150 50 15 365
文学部 英語英米文学 国語 200 国語100 50 15 365
文学部 歴史文化(一般方式) 国語 100 国語100 50 30 280
文学部 歴史文化(外部英語活用) 国語 150 国語150 50 30 380
経済学部 国語/数学 100 100 50 15 265
法学部 国語/数学 160 160 50 30 400
経営学部 国語/数学 200 200 50 30 480
マネジメント創造学部 国語 200 国語100 50 30 380
同 数学 100 数学200 50 30 380
グローバル教養学環 国語 200 国語200 50 30 480
理工 宇宙理学・量子物理工 数学 100 数学200 50 30 380
理工 生物・物質化学 数学 200 数学200 50 30 480
理工 環境・エネルギー工 数学 150 数学150 50 30 380
知能情報学部 数学 100 数学200 50 15 365
フロンティアサイエンス学部 数学 200 数学200 50 30 480

経営学部は480点満点のうち80点が書類(調査書50+志望理由書30)です。学科試験で挽回しにくい分、評定と志望理由書が効きます。

合否判定についても、要項に明記があります。

各学部・学科、学環が指定する試験教科・科目、調査書の得点化、志望理由書・自己推薦書の評価の合計点により行います。基準点制度は採用しません。

どれか1つが悪くても、合計点で判定されます。最低基準点を置く大学(日本大学など)とは逆の設計です。

そして合格最低点が全学部・全方式で公表されています。たとえば経営学部の一般方式・国語評価は333/480点(69.4%)、競争倍率10.8倍。しかも「※合格最低点には、調査書・志望理由書の得点も含まれています」という注記つきです。

志望理由書は200字+200字+300字の3問だけ。短いぶん、密度が要ります(志望理由書の書き方)。

筆記はオールマークシート

時限 時間 国語評価 数学評価
1時間目 10:00〜11:00 国語 —
2時間目 12:30〜13:30 外国語(英語) 外国語(英語)
3時間目 14:30〜15:30 — 数学

全教科マーク方式で、記述はありません。国語の出題範囲は「現代の国語、言語文化(古文および漢文を除きます)」です。

同じ学部・学科の中なら併願できます。一般方式と外部英語試験活用方式、国語評価と数学評価の組み合わせで、経営学部なら最大4併願。それぞれに合否判定が出ます。ただし複数の学部・学科に出願することはできません。

検定料は1出願35,000円、2出願目から各5,000円です。

小論文があるのは、知能情報学部の1枠だけ

AO型3方式を通して、小論文があるのは女子特別推薦方式の知能情報学部だけです。

内容
時間 10:00〜11:00(60分)
内容 教科「情報」に関する内容を含む
面接 13:00〜(個人面接)

理工学部の宇宙理学・量子物理工学科と環境・エネルギー工学科は、面接だけです(13:00〜)。小論文はありません。

そして過去問が公開されています。2026年度(試験日2025年10月11日)の設問は、課題文なしのテーマ型1題でした。

人工知能(AI)は、これまで人間が担ってきた知的作業の多くを代替しつつあります。AIが高度に発展した社会において、大学で学ぶことの意義は何だと考えますか。あなたが甲南大学知能情報学部で目指す学びについて、考えを述べなさい。

字数指定は問題用紙にありません。60分で、志望学部での学びにつなげて書くことになります(生成AIと小論文)。

ただし知能情報学部は、出願までが重い。志望理由書1,000字+修学活動計画書600字+研究活動に関するレポート800字=合わせて2,400字を書いたうえで、小論文60分と面接です。甲南のAO型でいちばん負担が大きい設計です。

2026年度の実績は、志願者12→1次合格6→最終合格5でした。

個性重視方式にはグループワークがある

小論文の代わりに、グループワークが入る学部があります。

学部・学環 試験 開始
文学部 歴史文化学科 グループワーク(歴史や地理の資料読解および記述を含む) 10:30〜
同 面接(個人) 13:00〜
経営学部 面接(個人)のみ 10:00〜
マネジメント創造学部 グループワーク(資料の読解および要旨記述含む) 10:00〜
同 面接(個人または集団) 13:00〜
グローバル教養学環 面接(英語での質疑応答を含む) 10:00〜

歴史文化学科とマネジメント創造学部のグループワークには「記述」が入ります。話し合うだけではなく、資料を読んで書く場面があります(グループディスカッションの対策)。

グローバル教養学環は面接に英語が入ります。しかも出願に評定3.5以上と英語スコアが必要です(ケンブリッジ140/TOEFL iBT〈改定前〉45/TOEFL iBT〈改訂版〉2.5/IELTS 4.0/GTEC 920/TEAP 235/英検CSE1980のいずれか)。

探究活動評価方式——レポートが論文の型を強制する

探究活動評価方式の「探究活動に関するレポート」は、6項目のフォームになっています。

項目 字数
探究した研究課題 50字以内
研究背景 350〜500字
設定した目的・仮説 125字以内
課題を解決するためにとった方法 100〜300字
得られた結果 300〜500字
グループ活動の場合は、探究活動で果たした役割 125字以内

そのまま研究論文の構成です。しかも目的の欄には文型が指定されています。

本研究では、〜することを目的として研究(調査)を行った。

学科ごとの記入例まで印字されていて、宇宙理学なら「電子の比電荷を求める」、物質化学なら「○○川におけるマイクロプラスチックの流入源の調査」。表やグラフ、写真は別紙で提出できます。

評価の観点も明示されていて、「内容、文章表現、探究活動の独自性」です。

高校の探究活動を、そのまま研究論文の形に落とし込ませる設計です。探究の進め方は探究活動の完全ガイド、書き方は事前提出レポートの書き方を見てください。

理系の女子は、2方式を同時に出せる

理工学部の宇宙理学・量子物理工学科と環境・エネルギー工学科は、探究活動評価方式と女子特別推薦方式を併願できます。志望理由書の様式も共用で、「併願する場合は両方の□に✓」と書かれています。

併願した場合の扱いが独特です。

  • 面接は女子特別推薦方式の時間(13:00〜)に1回にまとめて実施
  • 合否判定は方式ごとに別々

面接1回で、2つの判定を受けられます。

面接では卒業後の将来像に加えて、「物理・数学(または物理・化学)に関する基礎的な内容」も問われます。実質の口頭試問です(口頭試問の対策)。

女子特別推薦方式の趣旨も、要項に書かれています。

国内における理工系人材の男女比率の格差是正のため、実質的公平性の観点から

日程は二段構え。AO型に落ちてから教科科目型に出せる

出願 試験 発表
AO型(3方式) 9月1日〜9月7日 1次発表9月25日 → 2次10月10日(土) 11月4日
教科科目型 10月1日〜10月13日 11月7日(土) 11月20日

AO型の1次発表(9/25)を見てから、教科科目型に出願できます。しかも教科科目型の検定料返還条件の1つが「公募制推薦【AO型】において、公募制推薦【教科科目型】に出願した同一学部・学科、学環に合格した場合」。大学が二重出願を前提にしています。

検定料はAO型が1次10,000円+2次25,000円=計35,000円です。

出願資格の違い

AO型3方式 教科科目型
既卒 卒業年次の制限なし 2年以内(2025年3月以降卒業)
学校長の推薦書 不要 不要
専願 専願ではない 専願ではない

AO型には卒業年次の制限がありません。とくにマネジメント創造学部は、高卒認定・在外教育施設修了・飛び入学・個別の入学資格審査まで可で、出願資格の間口が最も広い設計です。しかも評定の要件もありません。

評定の要件があるのは、経営学部(3.6以上+資格7種のいずれか)とグローバル教養学環(3.5以上+英語スコア)です。

2026年度の実績

学部・方式 志願 1次合格 最終合格
マネジメント創造学部(個性重視) 152 — 28
経営学部(個性重視) 62 13 3
知能情報学部(女子特別) 12 6 5
理工学部(探究活動評価) 1〜3 ほぼ全員通過 —

マネジメント創造学部は4年連続で志願者100人超。一方、経営学部はAO型でいちばん通りにくく、62人から3人です。

探究活動評価方式の理工学部は志願者が1〜3人で、1次はほぼ全員通過しています。探究をやってきた理系の人には、かなり開いた枠です。

奨学金はAO型と結びついていない

  • 甲南の星奨学金(文系120万円・理系168万円、100名)は一般選抜と共通テスト利用型のみが対象
  • 立野純三奨学金(年額50万円・4名)は教科科目型のみ。中国・四国9県出身者限定で、申請期間が教科科目型の出願期間と同じ10月1日〜13日

AO型3方式と結びついた奨学金はありません。立野奨学金を狙うなら、教科科目型の出願と同時に申請する必要があります(保護者のためのお金と事務)。

配点・過去問・生成AI

  • AO型3方式は配点が非公表です。経営学部だけ「内容の独自性、論旨の明確性、文章表現の的確性等を点数化し、評価対象とします」と書かれていますが、数値はありません
  • 過去問は2026年度分のみ公開(2025年度は著作権の関係で非公開)。出題意図が公開されているのは教科科目型と一般選抜です
  • 生成AIについては、4区分の要項・出願書類・全制度共通事項のどこにも記載がありません。近いのは教科科目型の志望理由書の注記「記載内容に虚偽がある、または、本人以外が記載したことが判明した場合は、不合格となることがあります」と、AO型全様式の「本人直筆に限ります。黒・青のボールペン。消せるボールペンは使用不可」です

準備の順番

時期 やること
高2〜高3春 AO型で行くか教科科目型で行くかを決める。ただし両方出せます(AO型の1次発表9/25のあとに教科科目型の出願10/1〜13)
高3 春 教科科目型なら評定が50点に直結することを意識する。志望理由書は200字+200字+300字
高3 夏 探究活動評価方式なら6項目のレポートを書く。研究背景350〜500字、結果300〜500字
高3 9月1日〜7日 AO型の出願(検定料1次10,000円)
高3 9月25日 AO型の1次発表
高3 10月1日〜13日 教科科目型の出願。立野純三奨学金を狙うならここで同時に申請
高3 10月10日 AO型の2次(グループワーク・小論文・面接)
高3 11月7日 教科科目型の筆記(マークシート3時限)

まとめ

  • 甲南大学の総合型選抜は4区分。【AO型】の個性重視方式・探究活動評価方式・女子特別推薦方式に加えて、【教科科目型】も大学自身が総合型選抜と位置づけています
  • AO型3方式が約34名+若干名3枠に対して、教科科目型は257名。人数では教科科目型が中心です
  • 4区分とも専願ではなく、学校長の推薦書も不要です
  • ★教科科目型は配点が全部公開されています。調査書は全体の学習成績の状況を10倍して50点、志望理由書は15点か30点。経営学部なら480点中80点が書類です
  • 基準点制度は採用しないと明記されています。合計点で判定されます
  • 合格最低点が全学部・全方式で公表されています(経営学部の国語評価は333/480=69.4%、10.8倍)
  • 小論文があるのは女子特別推薦方式の知能情報学部だけ(60分・教科「情報」に関する内容を含む)。過去問も公開されています
  • 個性重視方式にはグループワークがあり、歴史文化学科とマネジメント創造学部は資料の読解と記述を含みます
  • 探究活動評価方式のレポートは6項目のフォームで、研究背景350〜500字・結果300〜500字など、論文の型が指定されています
  • 理工学部の2学科は、探究活動評価方式と女子特別推薦方式を併願でき、面接1回で2つの判定を受けられます
  • AO型の1次発表(9/25)を見てから、教科科目型に出願できます(10/1〜13)

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。

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