小論文キャンパス
大学別対策

横浜薬科大学・神奈川歯科大学の総合型選抜。評定の基準がなく、探究の成果物を出せば面接30分だけで受けられる

約13分で読めます

横浜薬科大学と神奈川歯科大学の総合型選抜を2027年度の要項から整理しました。横浜薬科の4種類(AI学習型・特定地域枠・探究型・AO)と評定基準なし・既卒可の条件、神奈川歯科の小論文400〜600字と課題文アピール、聖マリアンナ医科大学に総合型選抜がないことまで解説します。

医療系の年内入試は評定が壁になりがちです。神奈川の2校は、その壁の作り方が違います。

横浜薬科大学の探究型は、評定平均の基準がありません。既卒でも出願でき、受験科目はオンラインの個別面接30分だけ。高校でやった探究活動の成果物を出し、それについて口頭で聞かれます。

神奈川歯科大学の総合型選抜は、小論文400〜600字と「課題文アピール」の2本立てです。出願時に提出した課題文について、試験当日に口頭で説明します。配点は小論文100点・課題文アピール100点の合計200点です。

一方、聖マリアンナ医科大学には総合型選抜がありません。令和9年度の入学者選抜要項にあるのは学校推薦型選抜・共通テスト利用選抜・一般選抜だけです。

横浜薬科大学(横浜市戸塚区)と神奈川歯科大学(横須賀市)の総合型選抜を、2027年度の要項に沿って整理します。

必ず最新の要項で確認してください。日程・募集人員・選考方法は年度によって変わります。 出典:横浜薬科大学 入試のポイント/同 募集要項・入試日程/同 令和9年度 入試ガイド(PDF)/神奈川歯科大学 入試情報/同 2027年度 入学試験要項(PDF)/聖マリアンナ医科大学 入学者選抜要項/同 令和9年度医学部医学科入学者選抜要項(PDF)

横浜薬科大学:総合型選抜が4種類

健康薬学科60名、漢方薬学科120名、臨床薬学科160名(いずれも6年制)、薬科学科30名(4年制)の薬学部です。総合型選抜は4種類で、すべて専願制、合格者は入学金が免除されます。

種類 選考方法 出願の条件
AI学習型 書類審査+個別面接20分 指定の14単元から8単元以上を修了し修得チェックに合格
特定地域枠・高大連携校枠 書類審査+基礎学力検査60分+個別面接20分 特定地域(神奈川・静岡・栃木・長野)の高校の在学者・出身者または在住者
探究型 個別面接30分のみ(オンライン) 探究活動の成果物を提出できる、または大学の研究会で発表した
AO 書類審査+基礎学力検査60分+個別面接20分 ―

共通の仕組み

  • 複数回受験割引があります。1回目の検定料は30,000円ですが、2回目以降はどの選抜区分でも15,000円です
  • 2回目以降の受験では調査書の提出が不要です
  • 特待生のチャンスは合計9回(特待生チャレンジ選抜3回、共通テスト利用前期1回、一般選抜Ⅰ期3回・Ⅱ期2回)あり、免除された授業料の返済義務はありません。2年次以降も学業成績・出席状況に問題がなければ継続されます

総合型選抜で合格しても、特待生へのランクアップを目指して受け直せる設計です。入学金は免除されたうえで、授業料の免除に挑戦できます。

探究型:評定の基準なし、既卒可、面接30分だけ

4種類のうち、探究活動をしてきた人にいちばん向いているのが探究型です。

出願できるのは次のどちらかです。

  • 高等学校での課題探究活動による「自然科学・健康・福祉等の分野」の研究ポートフォリオ等の成果物を提出できる人
  • 大学が実施する『ハマヤクサイエンス研究会』で研究発表された人

大学が挙げる5つのポイントは次のとおりです。

ポイント
1 高等学校での探究活動の成果物を評価します
2 評定平均の基準なし
3 既卒でも出願OK(高1〜高3の活動を評価します)
4 受験科目はオンラインでの「個別面接試験(30分)」のみ ※探究活動の成果物についての口頭試問を含む
5 合格後は「特待生」へのランクアップを目指しての受験も可能

筆記試験がありません。30分の面接で、出した成果物について聞かれます。日程は願書受付2026年9月1日〜9月16日、試験9月27日、合格発表11月2日です。

『ハマヤクサイエンス研究会』は「自然科学全般に関する研究に取り組んでいる高校生や科学系の部活に所属している高校生に対する研究発表の場」で、第5回学術発表会は令和8年8月22日に横浜薬科大学で開かれました。目的として「高校生の理科探究の学習機会の創出」「大学・高校生の相互交流の場の創出」「高校生の研究・学びへの意欲向上」が挙げられています。

探究の成果物のまとめ方は探究活動 完全ガイド、口頭試問の準備は総合型選抜の面接で聞かれる質問と面接で聞かれることは書類に全部書いてあるを参考にしてください。薬学系の論点は薬学部の総合型選抜・学校推薦型対策にまとめました。

AI学習型:AIが理解度を診断する

2027年度入試でめずらしいのがAI学習型です。

本学が指定する14単元の中から8単元以上の単元学習(AI学習プログラム)を期間内に修了し、修得チェックが「修得済み」と判定された方を対象とした選抜です。 AI学習プログラムで「化学基礎・化学」の指定単元を学習し、単元ごとの理解度をAIが診断し、理解度に応じてサジェストされる単元の講義・演習を繰り返しながら知識の修得をすすめることができます。

期間中は何度でも修得チェックを受験できます。一発勝負の学力試験ではなく、夏のあいだに化学を学び直した記録が出願資格になる形です。試験当日は20分の個別面接だけです。

提出書類は調査書・自己紹介書・自己アピール文です(満23歳以上で社会人として1年以上の職務経験がある人は、自己紹介書のかわりに経歴書)。

日程は第1回が受付・単元学習2026年7月1日〜9月12日、願書9月1日〜9月16日、試験9月27日(本学またはオンライン)。第2回は単元学習7月1日〜10月8日、願書9月1日〜10月8日、試験10月18日(オンライン)です。

AOと特定地域枠は基礎学力検査がある

AOと特定地域枠・高大連携校枠は、基礎学力検査(60分)理科「化学基礎・化学」(有機化合物・高分子化合物を除く)と個別面接20分です。

AOも評定平均の基準がなく、既卒でも出願できます。日程は第1回9月26日、第2回10月17日、第3回2027年3月17日です。特定地域枠は神奈川・静岡・栃木・長野のいずれかの県内の高校の在学者・出身者、またはその地域の在住者で、卒業後に該当県で社会貢献することを強く希望する人が対象です。提出書類は調査書・自己紹介書・志望理由書です。

令和8年度の結果

学科 定員 受験者 合格者 入学者
健康薬学科 60 223 209 47
漢方薬学科 120 387 354 93
臨床薬学科 160 817 726 175
薬科学科 30 116 120 24
合計 370 1,543 1,409 339

合格者の男女比は男31%・女69%、現役85%・既卒15%です。

学納金は一般学生で入学金40万円・授業料135万円・施設充実費60万円(6年制学科、令和9年度)です。特待生Sは授業料全額免除、Aは80万円免除、Bは40万円免除、専願制選抜は入学金免除です。

神奈川歯科大学:小論文と「課題文アピール」

歯学部の総合型選抜は人物重視型の専願制で、募集人員は10名です。要項の趣旨にはこう書かれています。

総合型選抜は、人物重視型専願制入試制度で、高等学校時の成績だけでなく、小論文・面接他、本学の選考方法を通して評価し、次の高い目的意識をもった人たちの入学を許可するものです。

求める人物像は3つです。

  1. 本学のアドミッション・ポリシーに対し深い理解を示す者
  2. 歯科医師になるための確固とした志望動機と、そのためにはいかなる困難をも克服するという強い目的意識をもつ者
  3. 歯科医学・歯科医療に意欲的に取り組み、本学の発展の一助となるという意欲をもつ者

出願資格に「合格した場合に入学を確約できる者(合格後の入学辞退はできません)」が明記されています。

当日の流れ

時間 内容 配点
10時20分(開場9時50分) 集合 ―
10時40分〜11時30分 小論文(テーマ型形式、400字〜600字) 100点
11時30分〜12時10分 昼休み(昼食持参) ―
12時20分〜 課題文アピール(提出した課題文について口頭説明) 100点
同上 面接 ―
合計 200点
  • 小論文は50分で400〜600字です。「テーマ型形式」と明記されているので、課題文を読むのではなくテーマについて書く形式だと考えられます
  • 課題文アピールは、出願時に提出した「総合型選抜課題文」について口頭で説明するものです。書いたものを自分で説明できるかが100点分という配点になっています
  • 試験開始後20分以内の遅刻に限り受験が認められます

出願書類は入学志願票・質問票・出身学校調査書(厳封)・総合型選抜課題文です。質問票と課題文は大学のサイトからダウンロードします。

400〜600字は短いので、結論を早く出して理由を2つに絞る構成が向いています。書き方は小論文の書き方 完全ガイドと時間配分を参考にしてください。歯学部で問われる論点は医学部の小論文対策と重なるところが多く、チーム医療や地域医療も使えます。

日程は4期

出願期間(必着) 試験日 合格発表
1期 2026年9月1日〜10月13日 10月18日 11月2日16時
2期 11月1日〜11月10日 11月14日 12月1日16時
3期 11月11日〜12月1日 12月5日 12月9日16時
4期 12月2日〜2027年1月6日 1月9日 1月14日16時

合格後に学費の減免をねらえる

要項の総合型選抜のページには、こう書かれています。

入学手続完了者のうち希望者には、一般選抜1期受験資格を与えます(面接は免除します)。一般選抜1期受験者のうち成績上位1位の者は初年度学生納付金395万円を全額免除します。2位〜3位までの者は初年度授業料200万円を免除、4位〜15位までの者は初年度授業料100万円を免除します。

総合型選抜で合格を確保したうえで、2月の一般選抜1期を受けて学費の免除に挑戦できます。面接は免除され、A日程・B日程それぞれで減免があります。

聖マリアンナ医科大学には総合型選抜がない

神奈川の医療系を扱う以上、聖マリアンナ医科大学にも触れておきます。結論から書きます。

聖マリアンナ医科大学は総合型選抜を実施していません。令和9年度の医学部医学科入学者選抜要項の表題は次のとおりです。

学校推薦型選抜(一般公募制)/学校推薦型選抜(神奈川県地域枠)(臨時定員増認可申請中)/大学入学共通テスト利用選抜/一般選抜(前期・後期)

要項の本文に「総合型」の語はありません。年内に受けられるのは学校推薦型選抜です。

学校推薦型選抜(一般公募制)と(神奈川県地域枠)は併願でき、その場合の入学検定料は90,000円で、出願書類は1通で構いません。両方に合格した場合は神奈川県地域枠が優先されます。

医学部の年内入試は医学部の総合型・学校推薦型にまとめました。

どこから手をつけるか

  1. 評定が足りなくても出せる方式を探す。横浜薬科の探究型とAOは評定平均の基準がなく、既卒でも出願できます
  2. 探究の成果物を形にする。横浜薬科の探究型は「自然科学・健康・福祉等の分野」の研究ポートフォリオ等が出願資格です
  3. 神奈川歯科は課題文を先に書く。出願時に提出する課題文について、当日100点分の口頭説明があります
  4. 複数回受験の割引を確認する。横浜薬科は2回目以降の検定料が15,000円になり、調査書の提出も不要です
  5. 合格後の学費減免を視野に入れる。横浜薬科は特待生へのランクアップ、神奈川歯科は一般選抜1期での減免があります

まとめ

  • 横浜薬科大学の総合型選抜はAI学習型・特定地域枠/高大連携校枠・探究型・AOの4種類で、すべて専願制、合格者は入学金免除です
  • 横浜薬科の探究型は評定平均の基準がなく、既卒でも出願でき、オンラインの個別面接30分のみです
  • 横浜薬科のAI学習型は、化学基礎・化学の指定単元をAI診断つきで学習し、8単元以上の修得が出願資格になります
  • 横浜薬科は2回目以降の検定料が15,000円で、調査書の提出も不要です
  • 神奈川歯科大学の総合型選抜は募集10名の専願制で、小論文(50分・400〜600字)100点+課題文アピール100点の合計200点です
  • 神奈川歯科は合格後、希望者が一般選抜1期を受けると最大で初年度学生納付金395万円の全額免除をねらえます
  • 聖マリアンナ医科大学には総合型選抜がありません

神奈川の私立大学は関東学院大学、神奈川工科大学・湘南工科大学・桐蔭横浜大学、鎌倉女子大学・相模女子大学・田園調布学園大学、湘南医療大学・湘南鎌倉医療大学・横浜創英大学の記事にもあります。歯学部は日本歯科大学の総合型選抜と鶴見大学(基礎学力試験80分のあとに小論文600字60分)、医療系は北里大学と杏林大学の記事も参考になります。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。

Related

関連記事

← 「大学別対策」の記事一覧へ