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関西学院大学 探究評価型入学試験の対策。14学部で実施、発表経験は校内でよく、法学部は手書きレジュメで5分

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関西学院大学の探究評価型入学試験を募集要項に沿って整理しました。要項が示す「該当する探究活動/該当しない活動」の対比、発表経験という出願資格、学部ごとの二次審査、厳しい専願条件までを解説します。

関西学院大学の探究評価型入学試験は、募集要項が「探究活動とは何か」を定義しているという点で、他に例のない入試です。

しかも、該当する活動と該当しない活動を、具体例で並べて示しています。これは受験生にとって、この上なく有用な資料です。

そのかわり、条件は厳しい。合格したら必ず入学することが出願資格に含まれています。

この記事は、公開されている募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・出願資格・審査方法は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:関西学院大学 入試要項・提出書類/探究評価型入学試験 入学試験要項(PDF)

最初に:専願条件がかなり厳しい

共通冊子に、はっきり書かれています。

本学の総合型選抜は、『本学を第一志望とし強く入学を志望し、合格した場合は本学に入学すること』を出願の資格としています。そのため、審査日以降は合否にかかわらず辞退することはできません。

「合否にかかわらず辞退できない」という書き方に注意してください。審査を受けた時点で、合格したら入学する約束をしたことになります。

さらに、

  • 総合型選抜どうしの併願はできない(探究評価型・グローバル・学部特色・スポーツ選抜のうち1つだけ)
  • 同一年度内で1つの入学試験・学部・学科のみ出願可能
  • 総合型選抜で不合格となった場合、一般選抜への出願は可能

不合格なら一般選抜に戻れます。教科の勉強は止めないでください(総合型選抜と一般入試の両立)。ただし合格した場合の退路はありません。出願前に、本当にこの大学でよいのかを決めきってください。

要項が定義する「探究活動」

ここがこの記事の中心です。要項は、探究活動を次のように定義しています。

本学が定義する「探究活動」とは、以下①~③のように問題解決的な学習が発展的に繰り返されていく活動です。 ① 世界の諸課題・実生活や実社会に目を向け、疑問や関心に基づいて自ら課題を見付ける ② 課題について学び、必要な情報を収集して整理・分析し、知識や技能に結び付け、他者や様々な機関等と協働しながら、課題の解決に取り組む ③ 分析・考察結果や活動から学んだことを振り返り、また新たな課題を見付け、その課題の解決に取り組む

これは探究活動の完全ガイドで書いた7段階と、そのまま重なります。問いを立て、調べ、動き、振り返り、次の問いを見つける。この循環が「探究」です。

該当する活動/該当しない活動

要項は3つの具体例を挙げています。この対比は、探究とは何かを理解する最良の教材なので、そのまま紹介します。

該当しない活動 該当する探究活動
1 スポーツ・文化活動の大会に参加して全国大会で好成績を収めた スポーツ・文化活動で失敗した経験からチームビルディングに興味を持ち、目標を達成したチームとできなかったチーム(計10チーム)にチーム機能の質問紙調査を実施した
2 モデル・アイドル活動等で雑誌やテレビで取り上げられた アイドル活動で取り組んだ地域活性化がきっかけで興味を持ち、全国168の事例を収集して傾向を分析・類型化し、海外との比較で相違点・共通点を検証した
3 修学旅行で訪問する場所について事前に調べ学習を行った 修学旅行で訪れた地域の祭りへの参加がきっかけで、「祭りの機能や意義」を社会学の理論を用いて考察した

そして要項は、こう結んでいます。

本学が定義する「探究活動」は、内容がアカデミックであり、社会的背景を含む活動です。出願前にご自身の活動が本学の定義する「探究活動」に該当するか再度ご検討ください。

この対比から読み取れること

左列に共通するのは「結果の報告」です。全国大会での成績、メディア掲載、事前学習——どれも立派ですが、自分で問いを立てていません。

右列に共通するのは3つ。

  1. 問いがある——なぜチームは機能しないのか/地域活性化はどうすれば成功するのか/祭りにはどんな機能があるのか
  2. 方法がある——質問紙調査、168事例の収集と類型化、社会学の理論を用いた考察
  3. きっかけが個人的である——失敗した経験、アイドル活動、修学旅行

3に注目してください。出発点は「立派なこと」でなくていい。そこから問いを立てて動いたかどうかが分かれ目です。

だから、部活動やアイドル活動が「使えない」わけではありません。そこから何を問い、どう調べたかを示せればよい。この考え方は探究テーマが決まらない人へと問いの立て方にまとめています。

出願資格——「発表したこと」が要る

要項の出願資格で見落としやすいのが(3)です。

⑶ 高等学校もしくは中等教育学校での自身の探究活動において、学校内での発表会や他校との合同発表会、外部機関が主催する大会やコンテスト等で発表を行った者。なお、発表会、大会やコンテスト等の規模やレベルは問わない。ただし、高等学校入学後の実績に限る。

発表した経験が必須です。ただし——規模やレベルは問わないと明記されています。

校内の発表会でよい。全国大会である必要も、入賞している必要もありません。学校の探究発表会で登壇していれば条件を満たします。発表のしかたは探究発表のしかたを参照してください。

逆に、探究をしていても一度も発表していない人は出願できません。高2のうちに、校内でよいので発表の機会を作っておいてください。

そのほかの出願資格

  • ⑵ 高校の「教育課程内の授業」もしくは「正課外活動」で探究活動に取り組んでいる/取り組んだ者(高校入学後の活動に限る)
  • ⑷ 指定の英語資格・検定試験(4技能)のスコア——文系学部はCEFR B1レベル以上、理系学部はCEFR A2レベル以上
  • 理系学部はさらに条件が加わります(要項で確認してください)

理系のA2は、文系のB1より低い水準です。英語が理由で理系学部を諦める必要はありません。

実施学部と募集人員——14学部、最大は文学部と国際学部の10名

2027年度要項の募集人員です。

学部 募集人員 第二次審査日
神学部 若干名 10月24日
文学部(文化歴史学科・総合心理科学科・文学言語学科) 10名 10月24日
社会学部 5名 10月24日
法学部 5名 10月24日
経済学部 7名 10月24日
商学部 5名 10月24日
人間福祉学部 3名 10月24日
国際学部 10名 10月24日
教育学部 若干名 10月24日
総合政策学部 5名 10月31日
理学部・工学部・生命環境学部・建築学部 若干名 10月31日

日程は共通で、出願が9月1日〜8日、第一次審査(書類)の発表が10月16日、最終合格発表が11月13日です。第二次審査は西宮上ケ原キャンパスの学部が10月24日、神戸三田キャンパスの学部(総合政策・理系)が10月31日。教育学部は西宮聖和キャンパスです。

そして注記があります。

審査の結果、本学の求める学力等の水準に満たないと判断された場合、合格者数が募集人員を下回ることがあります。

枠が余っても、基準に届かなければ合格者は出ません。

二次審査——学部で中身が違う

一次審査は書類審査(探究活動の成果物を含む提出書類)です。二次審査の中身が学部ごとに違います。

学部 二次審査
神学部・文学部 面接審査(探究活動に関するプレゼンテーション含む)
社会学部 面接審査(プレゼンの時間は設けない。出願書類以外の資料は不要)
法学部 自筆レジュメによるプレゼン約5分+質疑約15分(下記参照)
経済学部・商学部・教育学部 面接審査(口頭試問、プレゼンテーション含む)
人間福祉学部・総合政策学部・理学部・工学部・生命環境学部 面接審査(口頭試問含む)
国際学部 プレゼンテーション・グループディスカッション審査
建築学部 面接審査(口頭試問・プレゼンテーション含む)

法学部のレジュメが特殊

要項の記載を正確に読んでください。

プレゼンテーション用のレジュメをA4サイズ用紙1枚に出願者本人が自筆(手書きに限る。パソコン使用不可。)で自由に作成し、(審査日の数日前までに)必着で提出してください。レジュメには必ず出願番号と高等学校名、氏名を右上に記入してください。 当日は手書きのレジュメをもとにプレゼンテーション(約5分)実施後、面接を含む質疑応答(約15分)を行います。その際、法学部が用意する黒板またはホワイトボードの使用は可能ですが、それ以外の使用はできません。

手書き限定でA4 1枚。そして当日はスライドもポスターも使えず、黒板かホワイトボードだけ。

5分で話し切り、15分の質疑に耐える。質疑のほうが3倍長いので、レジュメに書いたことを掘られる前提で準備してください(口頭試問の対策、探究発表の質疑)。

社会学部は「資料を持ってこない」

社会学部だけは逆で、プレゼンの時間を設けず、出願書類以外の資料は必要ないと明記されています。提出書類に基づく質疑応答が審査の中身です。

学部によって、当日持っていくものがまったく違います。要項を必ず自分の目で確認してください。

国際学部はグループディスカッション

国際学部は「プレゼンテーション・グループディスカッション審査」です。他者との議論が評価対象になります(グループディスカッション)。

提出書類——成果物は1つだけ

要項が指定する主な提出書類です。

書類
① 探究活動の成果物(論文、ポスター、プレゼンテーション資料、実験の成果物=ラボノートや利用資料 等)。複数ある場合は1つだけ選択
② 成果物が掲載されたことがわかる証拠書類(論文集・雑誌・インターネット等の媒体がある場合)
③ 引用文献の証拠書類(引用した文献のタイトル・著者名・媒体名がわかる資料。表紙のコピー等)
④ 探究活動(成果物)の概要説明書【本学所定用紙】

成果物は1つに絞ります。いちばん語れるものを選んでください。

概要説明書は「探究活動のタイプ」を選んでExcelで作る

④の概要説明書は、まず自分の探究活動が3つのタイプのどれに当たるかを選び、該当するExcelをダウンロードして作成します。

タイプ 内容
A 実験や質問紙調査等により新たなデータを収集し、知見を明らかにしようとした探究活動(アプリ開発・教材作成などの開発・作成関連も含む)
B 他者との交流や協働(例えば海外の学校等)を通した実践活動等の探究活動
C 特定のテーマに関する学術的考察を通した探究活動

要項は「探究活動タイプの選択が評価に影響することはありません」と明記しています。ただし要項のQ&Aによれば、タイプによって評価の重点項目は異なります。

作成上の注意が厳しい。いかなる場合も手書きでの提出は認めません。Excelのフォントやサイズ、体裁、ページ数は変更不可。そして文字数制限がある項目で制限を超えている場合は、公平性の観点から評価の対象としません。半角もスペースも1文字と数えます。書式違反で無効になる入試です。

グループで探究した場合、成果物は全員同じものを提出できますが、他の提出書類や審査では自身の役割や担当箇所を明確にする必要があると要項のQ&Aに書かれています。

そして③に注意。引用した文献は、実物の証拠まで求められます。探究の過程で読んだ本や論文は、書誌情報を記録しておいてください(一次情報の取り方、探究のまとめレポート)。

準備の順番

時期 やること
高1〜高2 探究活動を始める。授業でも正課外でもよい(高校入学後の活動に限る)
探究の途中 引用した文献の書誌情報を記録する。あとから集めるのは大変
高2〜高3春 校内でよいので発表する。発表経験が出願資格。規模は問わない
高2〜高3春 英語資格を取る(文系B1/理系A2レベル)
高3 4〜6月 成果物を1つ選ぶ。概要説明書を書く
高3 夏 学部の二次審査に合わせた準備。法学部は手書きレジュメの練習
高3 9月上旬 出願(インターネット出願+書類郵送)
高3 10月 一次審査結果→二次審査

発表経験がないと出願できないという点が、この入試の実務上いちばんの分かれ目です。高2のうちに一度は登壇しておいてください。

出願実務の落とし穴は出願直前チェック17項目、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。

まとめ

  • 募集要項が「探究活動」を定義し、該当する例・しない例を具体的に示している
  • 分かれ目は「結果の報告」か「自分で問いを立てて調べたか」。きっかけは部活動でもアイドル活動でもよい
  • 出願資格に発表経験が必要。ただし規模やレベルは問わない(校内発表会でよい)
  • 英語資格は文系CEFR B1以上/理系CEFR A2以上
  • 合格したら必ず入学。審査日以降は合否にかかわらず辞退できない
  • 総合型選抜どうしの併願は不可。ただし不合格なら一般選抜に出願できる
  • 二次審査は学部で違う。法学部は自筆A4 1枚のレジュメでプレゼン5分+質疑15分、社会学部は資料不要、国際学部はグループディスカッション
  • 提出する成果物は1つだけ。引用文献の証拠書類も要る
  • 日程・要件は必ず最新の募集要項で確認する

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