津田塾大学の総合型選抜。要項が6本に分かれ、当日やることが6通り違う
津田塾大学の2027年度総合型選抜は6区分85名で、要項が学科ごとに6本に分かれています。当日やることは面接だけ・小論文40分・小論文60分・プレゼン・英語の講義とディスカッションと6通り。志望理由書も600〜2000字と3倍以上違います。英語スコアの基準があるのは探究型だけで、4技能型にはありません。配点は6区分とも非公表です。
津田塾大学の総合型選抜は6区分で85名です。そして、この大学には全学共通の入学試験要項がありません。要項が学科ごとに6本に分かれています。
その結果、「津田塾の総合型選抜」という一つの入試は存在しません。当日やることが6通りに分かれます。
| 区分 | 募集 | 第2次選考で当日やること |
|---|---|---|
| 総合政策学部 総合政策学科 | 20名 | 面接のみ(当日の筆記試験なし) |
| 学芸学部 情報科学科 | 10名 | 小論文40分(10:50〜11:30)+面接13:00〜 |
| 学芸学部 国際関係学科 | 30名 | 現代世界に関する小論文60分(9:00〜10:00)+面接10:50〜 |
| 学芸学部 多文化・国際協力学科 | 5名 | プレゼン10分+面接20分 |
| 学芸学部 英語英文学科(探究型) | 10名 | プレゼン10分+質疑応答10分程度 |
| 学芸学部 英語英文学科(英語4技能型) | 10名 | 英語の録画講義20分→ライティング30分/英語グループディスカッション30分/面接 |
学芸学部の数学科は総合型選抜を実施していません。
必ず志望学科の最新の入学試験要項で確認してください。日程・実施学科・選考方法は年度によって変わります。この記事は2027年度の6本の入学試験要項と、公開されている事前課題の問題用紙によります。 出典:津田塾大学 入試情報。2026年10月4日に確認しました。
日程は共通、合格発表だけ2組に分かれる
| 全区分共通 | |
|---|---|
| 出願 | 2026年9月1日(火)〜9月16日(水) 必着 |
| 第1次選考(書類)の発表 | 10月3日 |
| 第2次選考(試験日) | 10月31日 |
| 合格発表 | 11月6日(学芸学部)/11月11日(情報科学・総合政策) |
| 入学手続締切 | 11月20日/12月18日(情報科学・総合政策) |
出願はWebではなく郵送のみです。市販の角形2号封筒に「出願用封筒表紙」をA4カラー印刷して貼り、簡易書留・速達で送ります。大学窓口での受付は行いません。
検定料は35,000円で、銀行窓口の電信扱のみ。志願票に銀行の収納印を確認します。
総合政策学科だけ試験会場が千駄ヶ谷キャンパスです。
英語スコアの基準があるのは「探究型」だけ
英語英文学科には2つの型がありますが、出願資格の条件が逆です。
| 英語4技能型 | 探究型 | |
|---|---|---|
| 英語外部試験のスコア基準 | なし | あり(下表) |
| 事前提出の課題 | なし | 探究活動報告書1,200字以内 |
| 志望理由書 | 1,200字以内 | 600字以内 |
| 当日 | 英語の講義+ライティング+ディスカッション+面接 | プレゼン+質疑応答 |
探究型の出願資格(2024年4月1日以降に受験したもののみ有効)
| 試験 | 基準 |
|---|---|
| TOEFL iBT | 42以上(2026年1月20日以前の受験者)/3以上(2026年1月21日以降の受験者) |
| TOEIC | L&R 550以上かつS&W 240以上(両方必須。TOEIC IPは利用不可) |
| IELTS | 4.0以上(Academic Moduleに限る) |
| GTEC | 930以上(CBTタイプおよび検定版) |
| TEAP(4技能) | 225以上(同一試験日のスコアのみ有効) |
| 実用英語技能検定(英検) | CSE 2.0スコア 1950以上(2級以上を受験。級の合否ではなくCSEスコアが基準) |
英語4技能型には、このスコアの下限がありません。出願資格は「第一志望・入学確約」と「卒業見込み等」の2条件だけで、英語の能力を証明する書類は提出しますが基準値の指定がありません。
そしてこの2つは併願できません。要項に「本学学芸学部英語英文学科総合型選抜(英語4技能型)との併願はできません」と明記されています。
スコアを持っているなら探究型、持っていなくても英語で勝負したいなら4技能型、という使い分けになります。
出願の時点で、すでに本番が始まっている
事前課題があるのは、情報科学科と総合政策学科の2区分だけです(探究型の探究活動報告書を含めると3つ)。
総合政策学科——事前課題が実質の筆記試験
当日は面接だけです。つまり書く試験は事前課題しかありません。
2027年度の課題は8月1日に公開されました。大学が公表している設問文はこうです。
以下の設問について、自分の言葉で述べて下さい。
1.次ページに記載の表から読み取れることを述べて下さい。(200字以内)
2.人間と野生動物(クマに限らない)との共存について、ご自分と関わりのある地域ではどのような課題がありますか。また、それに対してどのような方策が考えられますか。その方策のメリット、そしてデメリットとともに論じて下さい。(1000字以内)
資料の読み取り200字+論述1,000字という構成です。しかも設問2は「ご自分と関わりのある地域」と限定されています。一般論では書けません。
注意書きも細かい。
- 手書きの場合、数字やアルファベットは1マス1文字。句読点も1マス1文字
- 引用・参考文献を明記すること。手書き・PCいずれも別紙として(手書きは3枚目、PCは2枚目)記載する
- 別紙は制限字数に含みません
字数に含まれないなら、参考文献はしっかり書いたほうが有利ということになります(資料・グラフの読み取り、事前提出レポートの書き方)。
情報科学科——数学の事前課題と、面接での口頭試問
情報科学科の事前課題は数学です。そして面接でその解答を問われます。
面接では、数学の事前課題の解答や、試験日に解答した小論文に関連する事柄等について質問し、数理的思考力や論理表現力を主に評価します
出題範囲は数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A(図形の性質、場合の数と確率)、数学B(数列)、数学C(ベクトル)です。
これとは別に、出願資格の履修要件は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C(数学Ⅲを含む)です。出題範囲と履修要件は別物なので、混同しないでください。
当日の小論文は40分(10:50〜11:30)。志望理由書は1,000字以内で、PCで作る場合は本文を1行25字の横書きという指定があります。
探究型——探究活動報告書は、論文の構成が指定されている
1,200字以内で、構成が決められています。
問いの提示(序論)→ 問いに答えるために調査した内容(本論)→ 問いに対する答え(結論)
そして参考文献リストや図版・データの表を含めます。参考文献リスト等は字数に含めません。
PCで作成(所定のWord形式)で、概要は1ページ目、参考文献リスト等は2ページ目以降という指定もあります(探究活動の完全ガイド)。
志望理由書の字数が、区分で3倍以上違う
| 区分 | 字数 | 書式 |
|---|---|---|
| 多文化・国際協力 | 2,000字以内 | A4用紙2枚まで |
| 英語4技能型・国際関係・総合政策 | 1,200字以内 | A4用紙1枚 |
| 情報科学 | 1,000字以内(用紙2枚) | PCは1行25字の横書き |
| 探究型 | 600字以内 | PC必須(所定のWord形式) |
探究型の600字と多文化の2,000字で、3倍以上の差があります。
書くべき中身も指定されています。
- 英語4技能型:志望動機を、英語に関する活動も含めて。要項が挙げる例はクラブ活動、ボランティア活動、スピーチ・コンテスト、エッセイ・コンテスト、留学・研修など
- 多文化・国際協力:志望動機に、「大学でフィールドワークによって探究したい研究テーマ」を含めて
- 情報科学:志望理由を、現在の活動や関心、大学生活への期待、卒業後の抱負などにふれながら、なるべく具体的に
- 国際関係・総合政策:「志望動機について」のみ
多文化・国際協力学科は、出願前にフィールドワークを済ませる必要がある
ここは準備の順番が特殊です。
- 志望理由書2,000字に「大学でフィールドワークによって探究したい研究テーマ」を書く
- 当日はプレゼン10分+面接20分。しかもフィールドワークを実施して得た資料・データを使うことが必須
出願の時点で、すでに自分で観察や聞き取りをしていないと受けられません。ただし要項は、身近な事例でよい、高校の自由研究でもよいと明記しています。ハードルは見た目ほど高くありません(探究の問いの立て方、プレゼン型入試の対策)。
併願できるかどうかが、学科で正反対
| 区分 | 他大学との併願 |
|---|---|
| 総合政策・情報科学 | 可(ただし学内の他の総合型選抜とは併願不可) |
| 英語英文(両型)・国際関係・多文化 | 不可。第一志望・入学確約の専願 |
専願の4区分には「入学後に同学部他学科への転科ならびに他学部他学科への転部転科は認められません」という条件も付いています。
さらに国際関係学科は「2025年3月以降卒業」と、既卒2年までの制限があります。
当日の中身——6通りの違い
英語4技能型
英語の録画講義を20分見てからライティング30分(計60分)、英語によるグループディスカッション30分、そして面接(英語での質疑応答を含む)。
要項の見出しは「英語4技能(listening/speaking/reading/writing)の総合試験」です。聞く・話す・読む・書くのすべてを1日で見られます。
国際関係学科
「現代世界に関する小論文」60分(9:00〜10:00)+面接(10:50〜)。津田塾の総合型選抜で、いちばん長い小論文です。
情報科学科
小論文40分(10:50〜11:30)+面接(13:00〜)。短い代わりに、数学の事前課題があります。
総合政策学科
面接だけです。当日の筆記はありません。そのぶん事前課題(200字+1,000字)が実質の筆記試験になります。
探究型
プレゼン10分+質疑応答10分程度。日本語でも英語でもかまいません。スライドのPDFを試験日前に提出します。
多文化・国際協力学科
プレゼン10分+面接20分。フィールドワークのデータが必須です。
配点は6区分とも非公表
6本の要項すべてを調べた範囲で、「配点」「満点」「○点」という語が1件も出てきません。段階評価という記載もありません。調査書の点数化についても書かれていません。
最終判定の文言は「第1次選考の提出書類及び第2次選考の成績による総合判定」です(情報科学だけ「提出書類及び小論文、面接により総合判定」)。
第1次選考(書類選考)の文言にも違いがあります。
- 国際関係/多文化・国際協力/情報科学/総合政策:「提出された書類をもとに、本学○○学部○○学科の求める学生像を基準として審査します」
- 英語4技能型/探究型:「提出された書類をもとに、審査を行います」
数字が示す「学科で別物」
2026年度の実績です。
| 区分 | 志願 | 受験 | 合格 |
|---|---|---|---|
| 総合政策学科 | 281 | 117 | 58 |
| 学芸学部(5区分合計) | 98 | — | 77 |
総合政策学科は281人出願して、第2次選考を受けられたのが117人。書類選考の段階で6割近くが落ちています。一方、学芸学部の各学科は実質1倍台前半です。
同じ大学の同じ入試でも、性格がまったく違います。
なお、情報科学科の募集人員は2026年度の「若干名」から2027年度に「10名」へ変わりました。
そのほか
- 過去問は「問題・解答/解答例・講評(出題の意図)」を2年度分公開しています(閲覧にユーザー登録が必要)
- 生成AIの注意書きは、探究型の要項にだけあります
- 津田スピリット奨学金は一般選抜限定で、総合型選抜の合格者は対象外です
- 2028年度から、英語英文学科に「総合型選抜11月期(他大学併願可)」を新設予定です
準備の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2〜高3春 | 志望学科を決める。要項が6本あり、当日やることが6通り違うので、ここが決まらないと準備が始まりません |
| 高3 春 | 探究型を狙うなら英語の外部試験を受けておく(英検CSE1950、IELTS 4.0など)。2024年4月1日以降の受験のみ有効 |
| 高3 春〜夏 | 多文化・国際協力志望ならフィールドワークを実施する。出願時に研究テーマを書き、当日はそのデータで発表します |
| 高3 8月1日 | 総合政策学科の事前課題が公開されます。200字+1,000字 |
| 高3 夏 | 情報科学科志望なら数学の事前課題。面接で解答を問われます |
| 高3 夏 | 志望理由書を書く。600字(探究型)から2,000字(多文化)まで3倍以上の差があります |
| 高3 9月1日〜16日 必着 | 出願(郵送のみ・簡易書留速達)。検定料は銀行窓口の電信扱 |
| 高3 10月3日 | 第1次選考(書類)の発表。総合政策は6割近くがここで落ちます |
| 高3 10月31日 | 第2次選考 |
まとめ
- 津田塾大学の総合型選抜は6区分85名。全学共通の要項がなく、学科ごとに6本に分かれています
- ★当日やることが6通り。面接のみ(総合政策)/小論文40分(情報科学)/小論文60分(国際関係)/プレゼン+面接(多文化)/プレゼン+質疑応答(探究型)/英語の講義+ライティング+ディスカッション+面接(4技能型)
- ★英語スコアの基準があるのは探究型だけです。4技能型には下限がありません。この2つは併願できません
- 事前課題があるのは情報科学と総合政策の2区分(+探究型の探究活動報告書1,200字)
- 総合政策は当日が面接だけなので、事前課題(資料読み取り200字+論述1,000字)が実質の筆記試験です。2027年度の課題は人間と野生動物の共存で、8月1日に公開されました
- 情報科学の事前課題は数学で、面接で解答を問われます。出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・C(出願資格の履修要件は数学Ⅲも含むので別物)
- 志望理由書は600字(探究型)から2,000字(多文化)まで3倍以上の差があります
- 多文化・国際協力は、出願前にフィールドワークを済ませていないと受けられません(ただし身近な事例・高校の自由研究でよいと要項が明記)
- 併願できるのは総合政策と情報科学だけ。残り4区分は第一志望・入学確約の専願で、国際関係はさらに既卒2年まで
- 配点は6区分とも非公表です
- 2026年度の総合政策は281人出願→117人受験→58人合格で、書類選考の段階で6割近くが落ちています。一方、学芸学部は実質1倍台前半です
- 出願は郵送のみ(Web出願なし)。検定料は銀行窓口の電信扱です
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。