小論文キャンパス
大学別対策

拓殖大学の総合型選抜。小論文という科目がなく、配点が全部公開されている

約12分で読めます

拓殖大学の2027年度総合型選抜はⅠ期4方式+Ⅱ期2方式の6区分。小論文という科目はなく、基礎国語・基礎英語・基礎数学・簿記・実技のマークシートです。配点は全区分で公表され、自己推薦方式は書類100点の内訳(評定×5など)まで出ています。プレゼン方式は学科ごとに課題が要項に全文載っていて、商学部はPCもPowerPointも使えません。

拓殖大学の総合型選抜は6区分です。そして他の大学と大きく違う点が2つあります。

1つめ。「小論文」という科目がありません。筆記は基礎国語・基礎英語・基礎数学・簿記・実技(描画表現)で、しかもマークシートです。

2つめ。配点が全区分で公表されています。自己推薦方式にいたっては、書類審査100点の内訳(評定平均値×5など)まで出ています。

必ず最新の入学試験要項で確認してください。日程・実施学科・選考方法は年度によって変わります。この記事は2027年度 総合型選抜 入学試験要項と、大学が公開している2026年度の基礎力評価方式の解説・問題・解答(48ページ)によります。 出典:拓殖大学 入試情報。2026年10月4日に確認しました。

6つの区分

区分 実施 募集人員 専願/併願
Ⅰ期(基礎力評価方式) 5学部15学科すべて 250名 他大学併願可。本学2学科まで併願可
Ⅰ期(プレゼン方式) 5学部15学科すべて — 他大学併願可
Ⅰ期(自己推薦方式) 5学部15学科すべて — 他大学併願可
Ⅰ期(工学部女子枠) 工学部4学科 — 本学専願制
Ⅱ期(プレゼン方式) 5学部15学科すべて — 他大学併願可
Ⅱ期(自己推薦方式) 5学部15学科すべて — 他大学併願可

Ⅱ期(プレゼン方式)は2027年度の新設です。

要項の章立ては4章ですが、募集人員表はⅠ期の行とⅡ期の行に分かれていて、出願期間・試験日・合格発表日・入学手続締切日もすべて別です。「Ⅰ期4方式+Ⅱ期2方式=6区分」と数えるのが正確です。

学校推薦型選抜は指定校制のみで、公募制推薦はありません。年内に自力で出願できるのは総合型選抜だけ、ということになります。

配点が全部公表されている

Ⅰ期(基礎力評価方式)——満点220点

学部・学科 配点
商/政経/外国語/国際(11学科) 書類審査10点+調査書10点+基礎国語100点+基礎英語100点
工(機械システム工・電子システム工・情報工) 書類審査10点+調査書10点+基礎数学100点+基礎英語100点
工(デザイン) 書類審査10点+調査書10点+選択科目100点(基礎数学/基礎国語/実技〈描画表現〉から1科目)+基礎英語100点

各科目60分。時間割は10:40〜11:00 諸説明/11:00〜12:00 1科目目/13:00〜14:00 基礎英語。昼食は各自持参で、学生食堂は使えません。

書類審査10点・調査書10点の内訳は非公表です。つまり220点中200点が学科試験。実質的に学力試験です。

Ⅰ期・Ⅱ期(プレゼン方式)——満点250点

書類審査100点+プレゼンテーション・面接150点。全学部・全学科共通です。書類審査100点の内訳は非公表。

Ⅰ期・Ⅱ期(自己推薦方式)——満点350点

書類審査100点+選択科目100点(60分)+面接150点。

選択科目が学部・学科で違います。

学部・学科 選択科目
商(3学科) 基礎英語/基礎国語/簿記から1科目
政経(3学科) 基礎英語/基礎国語から1科目
外国語 英米語 基礎英語(固定)
外国語(中国語・スペイン語・国際日本語) 基礎英語/基礎国語から1科目
国際 基礎英語/基礎国語/簿記/基礎数学から1科目(4択)
工(機械システム工・電子システム工・情報工) 基礎数学(固定)
工 デザイン 基礎英語/基礎国語/基礎数学/実技(描画表現)から1科目(4択)

面接は13:00から。「面接は、出願書類についての質問が中心」と要項に書かれています。

書類審査100点の内訳まで出ている

ここが拓殖大学でいちばん珍しい点です。

項目 配点
(1) 高校生活、課外活動、資格取得等を評価 50点
(2) 学業成績点 50点
① 全体の学習成績の状況(評定平均値)× 5 25点満点
② 志望学科の指定する教科の学習成績の状況(評定平均値)× 5 25点満点

評定4.0なら20点、3.0なら15点。計算式が公開されているので、自分の持ち点が出願前に分かります。350点満点のうち50点が学業成績点です。

「小論文」という科目はない

総合型選抜で課される筆記はこれだけです。

科目 時間 配点 実施
基礎国語 60分 100点 基礎力評価方式/自己推薦方式(選択)
基礎英語 60分 100点 基礎力評価方式/自己推薦方式
基礎数学 60分 100点 基礎力評価方式(工)/自己推薦方式(工・国際)
簿記 60分 100点 自己推薦方式(商・国際のみ・事前申請制)
実技(描画表現) 60分 100点 デザイン学科のみ・事前申請制

記述式の小論文はありません。大学が公開している解説から、出題の形がはっきり分かります。

基礎国語

  • 出題範囲は「現代の国語」「言語文化」。古文・漢文は出題されません
  • 大問8題、四択または五択のマークシート、設問数は35問程度
  • 大問1〜6は漢字の読み書き、熟語、慣用表現、文学史(近現代のみ)
  • 大問7・8は中規模程度の長さの文章の読解。人文科学・社会科学・自然科学の評論やエッセイ、小説から

基礎英語——〔Ⅰ〕長文読解/〔Ⅱ〕会話問題/〔Ⅲ〕文法・語法の短文空所補充/〔Ⅳ〕英文整序

基礎数学——「工学部入学後に必要な数学の基礎学力を確認することが目的」「高校教科書の例題レベルを確実に学習しておくことが重要」。大きく4つの設問で、計算結果をマークシートに記入。出題範囲は主に高校2年生までに学習する「数学Ⅰ・Ⅱ」

実技(描画表現)——「文章や図から状態をイメージして描画する問題」。採点は「描画要素(条件遵守)、描画力(構図・質感・陰影)などの項目に分けて」。用具は鉛筆(B〜4B程度)、色鉛筆(12色以内)、鉛筆削り、消しゴムで、色鉛筆を用いることは必須条件です

簿記と実技は出願時に申請が必要で、出願後の変更はできません。申請したら必須科目になります。

同じ科目の問題は全学部共通です。学部による差は、どの科目を選ぶかだけです。

プレゼン方式——学部ごとにルールが違う

全学共通ではありません。とくに資料と機器の扱いが学部で分かれます。

学部 発表 質疑・面接 資料 機器
商 5分 質疑応答+面接 A4 2枚以内・横書き・片面印刷。1行目に受験番号と氏名(左揃え)、2行目にタイトル(中央揃え)。口頭の説明がなくても資料だけで概要を理解できる構成にすること。図表には通し番号と出所 ★PC・タブレット・スマートフォン等のデバイス、PowerPoint等のアプリケーションは使用不可。資料以外の持ち込みも不可。資料の読み上げも不可
政経 5分 5分程度の質疑応答+面接 A4片面2枚以内。左上に氏名・受験番号・テーマ 記載なし
外国語 4〜5分(日本語。時間厳守) 質疑応答と面接を5〜10分程度 A4片面2枚以内。PCで作成したもの、手書き・手作り、いずれも可。左上に受験番号・氏名・テーマ 記載なし
国際 5分 質疑応答・面接を5〜10分ほど A4片面2枚以内・横書き。左上に受験番号・氏名・希望コース・発表テーマ ★生成AIを使って作成した文章やアイデア等を、そのまま資料に使うことは禁止。生成AIで作成した図表は明記
工 5分以内 質疑応答+面接を5〜10分ほど PowerPoint等のスライドを印刷したもの、または内容を説明する書類。枚数の指定なし。ポスターや作品の実物を持参しても構わない 事前に用意した原稿を見ながら発表しても構わない

資料はどの学部も3部(自分用1部+面接担当者用2部)です。

商学部と工学部が正反対です。商学部はPCもPowerPointも使えず、原稿の読み上げも不可。工学部はスライドの印刷でよく、実物を持参でき、原稿を見ながら話してもよい。

生成AIについて書いているのは国際学部だけです(生成AIと小論文)。

プレゼンの課題が、要項に全文載っている

学科ごとに課題が公表されています。何を調べればよいかが、要項を見た時点で決まります。

学科 課題(要約)
経営 企業経営の具体的な取り組み(新規事業、既存事業の変革、ICTの利活用、社会・環境への貢献等)、または自らの起業計画。客観的な資料やデータに基づいて発表し、持続可能な営利事業を前提とすること
国際ビジネス 本年の新聞記事(紙面または新聞社の公式電子版に限る)から国際ビジネスに関する報道を取り上げ、日本で生活する私たちにどう影響するかを説明
会計 ①大学生活で会計の勉強をどう進めるか ②卒業後どんな仕事に就きたいか を図表等を用いて時系列に並べて説明。さらに③現在から大学入学までの間に何を行う予定か
法律政治/経済/社会安全 国内外の法律・政治/経済/社会安全上の問題に関する報道から1つ選び、文献を参考にしながら背景・現状・課題を発表。自分の考えと、入学後に学びたい内容との関係も
英米語 「英語をどのように自分の将来に活かすか」
中国語 中国語や中国に関する本を1冊選び、内容を紹介したうえで、面白いと思った点・もっと知りたい点
スペイン語 「スペイン語学科で学び、それをどのように自分の将来に活かすか」
国際日本語 日本語あるいは日本の文化にかかわる事柄から1つ。「日本の文化」は伝統文化のほかポップカルチャーやサブカルチャーも含む
国際 A:関心のある国際問題/日本国内の国際化の問題/B:入学後に何を・どのように学ぶつもりか(地域・言語も)。A・Bから1つ選択
機械システム工/電子システム工 タイプA(研究)=高校時代の課題研究・自由研究・課外活動・作品/タイプB(課題)=「今から5年後、あなたの周りではどのような機械(または電子・通信の機器や技術)が利用されていると思いますか?」
情報工 「作ったもの」=これまでのプログラム・システム・作品(実物の持参も歓迎。例:学校紹介のWebページ、ロボット制御のプログラム)/「考えたもの」=将来実現できたらよいシステム・サービス・器具(例:ペットとの会話システム、自動小説生成システム)。から1つ選択

「報道から選ぶ」学科が多いのが特徴です。政経学部の3学科と国際ビジネス学科は、ニュースを追う習慣がそのまま準備になります。しかも国際ビジネス学科は「本年の新聞記事」と年を限定しています。

機械システム工と電子システム工のタイプBは、実績がなくても出せる課題です。「5年後にどんな機械が使われているか」なら、高校での実績を問われません。

準備はプレゼン型入試の対策、調べ方は探究の問いの立て方を見てください。

工学部女子枠だけが専願

Ⅰ期(工学部女子枠)だけが本学専願制です。対象は工学部の4学科(機械システム工・電子システム工・情報工・デザイン)。

他の5区分はすべて他大学と併願できます。しかも基礎力評価方式は本学の2学科まで併願可です。

準備の順番

時期 やること
高2〜高3春 3方式のどれで行くかを決める。学科試験で勝負するなら基礎力評価方式、話すなら プレゼン方式、評定と活動があるなら自己推薦方式
高3 春 自己推薦方式なら、自分の持ち点を計算する。評定平均値×5が2本で50点満点です
高3 春 プレゼン方式なら、要項の課題を読む。学科ごとに全文載っています。政経や国際ビジネスはニュースを追い始める
高3 夏 基礎力評価方式なら大学公開の解説と過去問を見る。基礎国語はマークシート35問程度、基礎数学は教科書の例題レベル
高3 夏 簿記や実技を選ぶなら、出願時に申請。出願後に変更できず、申請したら必須科目になります
高3 秋 Ⅰ期。商学部志望ならA4 2枚だけで伝わる資料を作る(PCもPowerPointも使えません)
高3 冬 Ⅱ期(プレゼン方式・自己推薦方式)。Ⅱ期のプレゼン方式は2027年度の新設です

まとめ

  • 拓殖大学の総合型選抜は6区分(Ⅰ期の基礎力評価方式・プレゼン方式・自己推薦方式・工学部女子枠+Ⅱ期のプレゼン方式・自己推薦方式)。Ⅱ期のプレゼン方式は2027年度の新設です
  • 「小論文」という科目はありません。筆記は基礎国語・基礎英語・基礎数学・簿記・実技で、マークシートです
  • 基礎国語は大問8題・35問程度のマークシート。漢字・熟語・慣用表現・文学史(近現代のみ)と、評論・エッセイ・小説の読解。古文・漢文は出ません
  • ★配点が全区分で公表されています。基礎力評価方式は220点中200点が学科試験、自己推薦方式は書類100点の内訳(評定平均値×5が2本で50点)まで出ています
  • プレゼン方式のルールが学部で違います。★商学部はPC・タブレット・PowerPointが使えず、原稿の読み上げも不可。工学部はスライドの印刷でよく、実物を持参でき、原稿を見ながら話してもかまいません
  • プレゼンの課題が学科ごとに要項に全文載っています。政経3学科と国際ビジネスは「報道から選ぶ」形で、ニュースを追う習慣がそのまま準備になります
  • 生成AIについて書いているのは国際学部だけ(資料にそのまま使うことを禁止、図表に使ったら明記)
  • 簿記と実技は出願時に申請が必要で、申請したら必須科目になります
  • 専願なのは工学部女子枠だけ。基礎力評価方式は本学2学科まで併願可です
  • 学校推薦型選抜は指定校制のみで、公募制推薦はありません

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。

Related

関連記事

← 「大学別対策」の記事一覧へ