名古屋音楽大学の総合型選抜。音楽教育・音楽療法・音楽ビジネスの3コースは実技ではなく小論文100点
名古屋音楽大学の2027年度 総合型選抜は全4回。16コースのうち音楽教育・音楽療法・音楽ビジネスの3コースだけは実技ではなく小論文100点で判定され、要項には例題も載っています。
名古屋音楽大学は名古屋市中村区にある音楽の単科大学です。音楽学科に16のコースを置いていて、2027年度の総合型選抜は全4回実施されます。
音楽大学の入試といえば実技、という印象が強いと思います。実際この大学の総合型選抜でも、多くのコースは実技100点+面接です。ところが音楽教育コース・音楽療法コース・音楽ビジネスコースの3つだけは、実技がなく小論文100点で判定されます。しかも募集要項には例題が載っています。
出典:名古屋音楽大学「募集要項」(https://www.meion.ac.jp/recruitment.html )、「2027年度名古屋音楽大学学生募集要項」(PDF/https://www.meion.ac.jp/wp/wp-content/themes/meiondai/pdf/gakuseibosyu2027-2.pdf )。いずれも2026年9月23日に確認しました。
最終選考でどう評価されるか
総合型選抜の最終選考の内容は、コースごとに決まっています。
| コース | 実技 | 小論文 | 面接 |
|---|---|---|---|
| ピアノ/管楽/弦楽/打楽/声楽/ミュージカル/作曲/メディアサウンドデザイン/電子オルガン/ジャズ・ポピュラー/音楽総合 | 100点 | - | あり |
| 音楽教育 | - | 100点 | あり |
| 音楽療法 | - | 100点 | あり |
| 音楽ビジネス | - | 100点 | あり |
面接はA・B・C判定です。つまり点数がつくのは実技か小論文のどちらか1つだけで、この3コースにとっては小論文が唯一の得点源ということになります。
なおピアノ演奏家コース(8名程度)は一般選抜と一般選抜(二次)のみ、指揮コースは一般選抜のみの実施で、総合型選抜では募集していません。
小論文の字数と時間
要項には、3コースそれぞれの条件が明記されています。
| コース | 字数 | 選抜時間 |
|---|---|---|
| 音楽教育コース | 1000字程度 | 90分 |
| 音楽療法コース | 1000字程度 | 90分 |
| 音楽ビジネスコース | 800字程度 | 90分 |
90分で1000字程度というのは、小論文としてはかなり余裕のある時間配分です。60分で800字を課す大学が多いなかで、この設定は「考える時間を取ってよい」というメッセージに近いと考えられます。構成メモを20分かけて作っても十分間に合う計算です。
要項に載っている例題
名古屋音楽大学は、募集要項に小論文課題の例題を掲載しています。3コース分がそのまま載っているので、対策の起点として非常に使いやすい資料です。
音楽教育コース
中学校音楽科の授業で創作を取り上げるとします。・歌詞を与えて、旋律を創作する ・旋律を与えて、歌詞を創作する あなたはどちらを支持しますか。理由とともに述べてください。
二択を選んで理由を述べるタイプです。どちらが正解ということはなく、選んだ側の教育的な意味を説明できるかが問われます。中学校の音楽の授業を思い出しながら、「生徒にとって何が学びやすいか」「何が音楽的な力を伸ばすか」という軸で考えると書きやすくなります。選ばなかった側の弱点にも触れると、比較として成立します。
音楽療法コース
音楽は、医師が処方して薬剤師が扱う薬とは違い、誰もが扱えるものです。誰もが扱える音楽ですが、それにはさまざまな療法的な力があります。例えば音楽は緊張をほぐし気持ちを落ち着けたり、人の気持ちを代弁したり、他者と仲良くなったりすることを可能にします。誰かの心のケアをするのに、どのように音楽の力を使うことができると思いますか?またどのような人に対しては、専門的な音楽療法の訓練が必要だと思いますか?あなたの考えを論じなさい。
設問が2つあるのが特徴です。「どのように音楽の力を使うか」と「どのような人には専門的な訓練が必要か」。1000字のうち、前半と後半で配分を決めておかないと片方が薄くなります。しかも後半は「音楽療法の専門性とは何か」を問う設問で、誰にでもできることと、専門家でなければできないことの線引きを自分の言葉で書けるかが鍵になります。音楽療法コースを志望するなら、この線引きは面接でも聞かれる可能性が高いところです。
音楽ビジネスコース
音楽ビジネスという職種、その意義について、自分の考えを述べなさい。
こちらは開かれた問いです。800字程度なので、あれもこれもと詰め込むより、自分が関心を持っている領域(ライブ制作、レーベル、配信、マネジメント、楽器や音響の流通など)を1つか2つに絞って、そこから「意義」を語るほうがまとまります。
3つに共通しているのは、知識を問う問題ではないということです。どれも「あなたはどう考えるか」を書かせています。音楽の専門用語を並べる必要はなく、自分の経験と結びつけて筋を通すほうが評価されやすい設問です。
エントリーから合格までは7ステップ
この大学の総合型選抜は、いきなり出願するのではありません。エントリー → 面談 → 第1次選考 → 出願 → 最終選考という流れです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | エントリー期間 2026年9月1日(火)〜12月9日(水)消印有効 |
| 2 | 面談期間 2026年9月3日(木)〜12月16日(水) |
| 3 | 第1次選考発表 |
| 4 | 出願期間 |
| 5 | 最終選考(選抜日) |
| 6 | 合格発表(発送) |
| 7 | 入学手続期間 |
第1次選考は面談および書類審査です。書類審査は「エントリーカード・総合型選抜志望理由書」と「総合型選抜推薦書」に基づいて行われ、面談は出願までに1〜2回程度実施されます。
4回の日程は次のとおりです。
| 回 | 第1次選考発表 | 出願期間(消印有効) | 最終選考 | 合格発表(発送) |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 9月29日(火) | 10月1日(木)〜10月14日(水) | 10月24日(土) | 11月2日(月) |
| 第2回 | 10月27日(火) | 10月29日(木)〜11月9日(月) | 11月21日(土) | 12月1日(火) |
| 第3回 | 11月10日(火) | 11月12日(木)〜11月19日(木) | 12月5日(土) | 12月11日(金) |
| 第4回 | 12月22日(火) | 12月24日(木)〜1月14日(木) | 1月30日(土) | 2月3日(水) |
要項には、各回で受験するためのエントリーの目安の期日も書かれています。第1回は9月16日(水)まで、第2回は10月14日(水)まで、第3回は10月28日(水)まで、第4回は12月9日(水)まで。エントリーが遅れると受けられる回が後ろにずれる仕組みです。
募集定員は総合型選抜・総合型選抜(音楽系部活動)を合わせて20名、検定料は20,000円です。
推薦者が必要
出願資格でひとつ見落としやすいのが、推薦の扱いです。要項にはこう書かれています。
総合型選抜…本学専願者で、音楽指導者・本学卒業生等の推薦する者。
学校長の推薦ではなく、音楽指導者やこの大学の卒業生の推薦です。習っている先生や、吹奏楽部の指導者などが想定されていると読めます。エントリー時に「総合型選抜推薦書」(大学所定用紙)を提出します。
もうひとつ注意書きがあります。
エントリー期間中、本出願までに学校長の推薦を受けた場合には、学校推薦を優先するものとします。
途中で学校推薦型選抜の推薦が決まった場合は、そちらが優先されるということです。
合格すると入学前セミナーが無料で受けられる
総合型選抜には特典があります。
特典(入学前セミナー)11月、12月、2月(最大3回)実施。合格者は所定の手続き後、入学時まで、本学教員による実技レッスンや音楽理論、ソルフェージュ(11月・12月・2月)を無料で受講できる特典があります。
早く決まった人ほど回数を多く受けられる構造なので、第1回で合格するメリットが大きい設計です。
学校推薦型選抜だと小論文の配点が変わる
同じ3コースでも、学校推薦型選抜(専願公募・併願公募)では配点が違います。
| コース | 実技 | 小論文 |
|---|---|---|
| 音楽教育 | 50点 | 50点 |
| 音楽療法 | 50点 | 50点 |
| 音楽ビジネス | - | 100点 |
音楽教育と音楽療法は、学校推薦型選抜だと実技も課されます。総合型選抜なら小論文だけ、学校推薦型選抜なら実技と小論文が半分ずつ。実技に自信がないなら総合型選抜、実技で点を取れるなら学校推薦型選抜、という選び方ができます。選抜日は2026年11月21日(土)、合格発表は12月1日(火)です。
特待生試験でも小論文が使われる
総合型選抜(1〜4回目)の合格者のうち、大学が選出した人は特待生試験を受けられます。試験科目は実技試験(オーディション形式)または小論文です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申込期間 | 2027年2月1日(月)〜2月8日(月)郵送のみ・消印有効 |
| 試験日 | 2027年2月12日(金) |
| 結果発表 | 2027年2月15日(月) |
| 特待内容 | 1年次の授業料の全額・半額・4分の1を奨学金として支給 |
| 検定料 | 5,000円(銀行振込のみ) |
対象は音楽総合コースを除く全コースです。ただし電子オルガンコースでヤマハのエレクトーン演奏グレード5級以上により実技選抜が免除された人は、特待生試験の受験対象外になります。
どこから手をつけるか
音楽教育・音楽療法・音楽ビジネス志望なら、まず要項の例題を書いてみることです。90分・1000字(音楽ビジネスは800字)という条件は要項に出ているので、条件どおりに1本書けば、自分に何が足りないかがすぐ見えます。例題はいずれも「あなたの考え」を問う形なので、音楽をやってきた経験のなかから使えるエピソードを棚卸ししておくと書きやすくなります。
それ以外のコースは実技100点なので、小論文の準備は不要です。ただし面接はあります。エントリー時の志望理由書がそのまま面談と面接の材料になるので、そちらに時間を使ってください。
エントリーは早いほど有利です。第1回で合格すれば入学前セミナーを3回とも受けられますし、落ちても第2回以降に挑戦できます。エントリー期間は12月9日(水)までありますが、第1回に間に合わせるなら9月16日(水)が目安です。
推薦者の確保も早めに動いてください。学校長ではなく音楽指導者や卒業生の推薦なので、レッスンの先生に相談するところから始まります。
まとめ
- 名古屋音楽大学の2027年度 総合型選抜は全4回。募集定員20名、検定料20,000円、専願
- 音楽教育・音楽療法・音楽ビジネスの3コースは実技がなく、小論文100点+面接(面接はA・B・C判定)
- 字数と時間は音楽教育1000字程度・音楽療法1000字程度・音楽ビジネス800字程度、いずれも90分
- 募集要項に3コース分の小論文課題の例題が掲載されている
- 流れはエントリー → 面談(1〜2回程度)→ 第1次選考(面談と書類審査)→ 出願 → 最終選考
- エントリーは2026年9月1日〜12月9日。ただし第1回で受けるなら9月16日が目安
- 推薦は学校長ではなく音楽指導者・本学卒業生等。ただし学校長の推薦を受けた場合は学校推薦が優先
- 合格者は入学前セミナー(実技レッスン・音楽理論・ソルフェージュ)を無料で最大3回受講できる
- 学校推薦型選抜だと音楽教育・音楽療法は実技50点+小論文50点に変わる
- 特待生試験の科目も実技または小論文。1年次授業料の全額・半額・4分の1が支給される
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。愛知県の私立大学は豊田工業大学、日本福祉大学、名古屋葵大学の記事にもあります。