総合型選抜で不合格だったとき。最初の3日間で親がすること
総合型選抜の不合格は、学力試験の不合格とは効き方が違います。人格を否定されたと感じやすい理由と、言ってはいけない言葉、一般入試へ切り替える実務を整理しました。
秋、合格発表の日。番号がなかった。
このとき保護者がどう振る舞うかで、そのあと3か月の受験がまったく違うものになります。
この記事は、その日のために書いています。
総合型の不合格は、効き方が違う
まず知っておいていただきたいことがあります。
総合型選抜の不合格は、一般入試の不合格より本人に刺さります。
理由は、提出したものの性質にあります。
| 一般入試 | 総合型選抜 |
|---|---|
| 提出したのは答案 | 提出したのは自分の考えと経験 |
| 落ちた理由は点数 | 落ちた理由は開示されない |
| 「勉強が足りなかった」と整理できる | 「自分が否定された」と感じやすい |
志望理由書には、なぜその道に進みたいのかを書きます。活動報告書には、高校時代に打ち込んだことを書きます。それを見せて、断られた。本人にはそう感じられます。
だから、「次があるよ」で流さないでください。流されると、感情の行き場がなくなります。
言ってはいけない言葉
発表直後に出やすく、そして刺さる言葉です。
| 言いがちな言葉 | 本人にどう届くか |
|---|---|
| だから一般の勉強もしろって言ったでしょ | 責められている。相談できなくなる |
| もっと早くから準備してれば | 過去は変えられない。無力感だけが残る |
| あの学校じゃなければ受かってたのに | 志望そのものを否定されたと感じる |
| まあ、実力どおりだね | 立ち直りを妨げる |
| 気にしなくていいよ、たいしたことない | 打ち込んだ時間まで軽く扱われたと感じる |
最後の1つは、慰めのつもりで出やすい言葉です。「たいしたことない」と言われると、本気だった自分が否定されます。
最初の3日でやること
1日目:何も分析しない
原因を探さないでください。
「何がいけなかったんだろう」という会話は、当日にやると自責にしかなりません。総合型の評価基準は開示されないので、正確な原因は誰にも分かりません。
この日にできることは、事実を1つだけ伝えることです。
あれだけ考えて書いたものが評価されなかったのは、実力の問題だけじゃないと思う。
これは慰めではなく事実です。総合型選抜は、大学が求める学生像との相性で決まる部分が大きい入試です。同じ書類でも、大学が変われば結果は変わります。
2日目:日常を戻す
食事、睡眠、通学。特別扱いをやめて、普通の生活に戻します。
腫れ物に触るような扱いは、本人に「自分は失敗した人間だ」と再確認させます。いつもどおりに接することが、いちばん強いメッセージになります。
3日目:これからの選択肢を、事実として並べる
ここで初めて、今後の話をします。感情ではなく情報として並べてください。
| 選択肢 | 確認すること |
|---|---|
| 一般入試に集中する | 残り何か月か。どの科目が間に合うか |
| 他大学の総合型Ⅱ期・Ⅲ期を受ける | 出願期限。書類の使い回しが可能か |
| 学校推薦型を検討する | 校内選考の期限。評定は足りるか |
| 併願校の結果を待つ | 残っている出願先の確認 |
どれを選ぶかは本人が決めます。保護者の役割は、選択肢を漏れなく並べることです。
一般入試への切り替えは、早いほど楽になる
現実的な話をします。
総合型の準備をしていた生徒は、夏に受験勉強が止まっています。ここから共通テストまでは、多くの場合3か月前後しかありません。
だからこそ、切り替えの判断は早いほど有利です。
| やること | 目安 |
|---|---|
| 受験科目を確定する | 発表から1週間以内 |
| 志望校を組み直す | 同上 |
| 学習計画を立て直す | 2週間以内 |
このとき保護者ができるのは、「まだ間に合う」と根拠つきで言うことです。根拠のない励ましは効きませんが、残り日数と必要な科目を具体的に示せると、動き出せます。
もともとの併願設計については総合型選抜と一般入試の両立に書いています。
次の総合型を受けるなら
Ⅱ期・Ⅲ期や、他大学の総合型に出す場合、同じ書類をそのまま出さないでください。
落ちた書類には、たいてい共通した弱点があります。総合型選抜で落ちる人に共通する5つのパターンを本人と一緒に確認してください。
ただし「どこが悪かったか」を親が指摘するのは避けてください。この時期に親から評価されると、書き直す気力が残りません。学校の先生や第三者に見てもらうほうが、はるかに機能します。
保護者自身について
最後に、お伝えしておきたいことがあります。
保護者も落ち込みます。
これは自然なことです。何か月も見てきて、応援してきた結果です。ただ、その落胆が表情や態度に出ると、本人は「親をがっかりさせた」という荷物を追加で背負います。
つらいと感じたら、配偶者や友人など、子ども以外の相手に話してください。それが結果的に、本人の負担を減らします。
まとめ
- 総合型の不合格は、自分の考えと経験を否定されたと感じやすい
- 「だから言ったでしょ」「たいしたことない」は避ける
- 1日目は分析しない。原因は誰にも分からない
- 2日目は日常を戻す。特別扱いをやめる
- 3日目に選択肢を情報として並べる。選ぶのは本人
- 一般入試への切り替えは、早いほど有利
- 次に出す書類を、親が評価しない