愛知東邦大学の総合型選抜。課題探究入試の課題レポート800字は6テーマが全文公開されている
愛知東邦大学の2027年度 総合型選抜は自己プロデュース入試・課題探究入試・活動実績入試の3種類。課題探究入試は学部ごとに2テーマずつ、計6つの課題が資料つきで公開されており、800字程度のレポートを事前に作って出します。
愛知東邦大学は名古屋市名東区にある私立大学です。経営学部(ビジネス学科・コミュニケーション・デザイン学科)、人間健康学部(人間健康学科)、教育学部(子ども発達学科)の3学部を置いています。
2027年度の総合型選抜は自己プロデュース入試・課題探究入試・活動実績入試の3種類。いずれも専願で、アドバンスプログラムへの参加が出願要件です。
このうち書く力が直接点数になるのが課題探究入試で、800字程度の課題レポートが50点。そしてその課題が、学部ごとに2テーマずつ、計6つ、資料つきでPDF公開されています。
出典:愛知東邦大学「総合型選抜入試紹介」(https://www.aichi-toho.ac.jp/admission/recom02 )、「募集要項・出願書類ダウンロード」(https://www.aichi-toho.ac.jp/admission/essentials )と、そこから公開されている各入試の募集要項PDFおよび「課題探究入試:課題2027」PDF。いずれも2026年9月23日に確認しました。
3つの総合型選抜
| 入試 | 何で評価されるか |
|---|---|
| 自己プロデュース入試 | プレゼンテーション10分(50点)、口頭試問10分(50点)、調査書(5点) |
| 課題探究入試 | 書類審査=課題レポート800字(50点)、面接20分=志望理由書400字を資料に(50点)、調査書(5点) |
| 活動実績入試 | 書類審査=活動実績シート600字と証明資料(50点)、面接20分=志望理由書400字を資料に(50点)、調査書(5点) |
配点の構造は3つとも同じで、50点+50点+調査書5点の105点満点です。調査書は「学習成績の状況」を除く記載事項から主体性を評価する、と要項に明記されています。つまり評定平均値は点数化されません。
入学検定料はいずれも30,000円。日程も共通です。
| 区分 | 出願期間(必着) | 選考日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 前期(奨学金対象) | 2026年9月18日(金)〜10月8日(木) | 2026年10月18日(日) | 2026年11月2日(月) |
| 中期 | 2026年10月30日(金)〜11月12日(木) | 2026年11月22日(日) | 2026年12月1日(火) |
| 後期 | 2026年11月20日(金)〜12月10日(木) | 2026年12月20日(日) | 2026年12月24日(木) |
学納金手続締切日は3区分とも2027年1月21日(木)。出願期間最終日の受付は17時までです。要項には前期に「奨学金対象」の表示があります。
当日のスケジュールは学部で分かれ、経営学部は9時入室、人間健康学部と教育学部は13時入室です。
課題探究入試の課題は6つ公開されている
課題探究入試は、事前に課題レポートを書いて出し、当日は面接だけという設計です。その課題が公開されています。
次のテーマの中から1つを選択し、800字程度(720字以上800字以内)でレポートを作成してください。ただし、ここで示された内容のみで作成するのではなく、あなた自身でテーマに関する文献・資料(図書、雑誌、新聞、Web資料など)を収集・調査し、自らの考えを論じてください。
720字以上800字以内という明確な指定があり、さらに自分で資料を集めて調べることが条件になっています。
なお、レポート作成にあたり使用した文献・資料等は、必ず「課題レポート表紙」の所定の欄に記載してください。
使った資料を明記するところまで求められています。大学のレポートの作法をそのまま高校生に課している形です。
テーマは学部ごとに2つずつ、計6つです。
| 学部 | テーマ | 問われていること |
|---|---|---|
| 経営学部 | 外国人問題を考える | 外国人増加に伴う問題を整理したうえで、今後の日本の外国人政策はどうあるべきか |
| 経営学部 | 作品の価値について考える | 多角的に整理したうえで、自身が最も重要と考える観点を1つ明確にし、その観点を軸に作品の価値を論じる |
| 人間健康学部 | 体育授業におけるデジタル技術の活用 | メリットとデメリットを示した上で、これからの体育授業でどう活用していくべきか |
| 人間健康学部 | フレイル予防 | 高齢者のフレイル予防における運動・スポーツ活動の意義と、大学が果たすべき役割 |
| 教育学部 | 総合的な学習の時間 | 小学校で「総合的な学習の時間」を増やすことの意義や課題(自分で調べた事例をもとに) |
| 教育学部 | スポットワーク保育士 | 導入された背景を踏まえ、保育に与える影響と今後の課題 |
配布されるPDFには、各テーマについて新聞記事が資料として添付されています。経営学部のテーマ2はマウリツィオ・カテランの《コメディアン》(壁にテープで貼ったバナナ)が約624万ドルで落札された件、教育学部のテーマ1は東京都渋谷区の「シブヤ未来科」、教育学部のテーマ2はこども家庭庁の短期雇用に関する通知と実態調査——というように、具体的な事例が起点になっています。
「テーマによっては個別の問いが設定されている場合があります。本文をよく確認して課題に取り組んでください」という注意書きもあります。
6つのテーマの書き方の型
課題文を読むと、求められている構造がテーマごとにはっきり違うのが分かります。
経営学部テーマ1(外国人問題)は「問題を整理する → 政策のあり方を述べる」。現状把握と提言の2部構成です。
経営学部テーマ2(作品の価値)は「多角的に整理する → 最も重要と考える観点を1つ明確にする → その観点を軸に論じる」。観点を絞れと明示されているので、あれこれ並べると条件違反になります。
人間健康学部テーマ1(体育DX)は「メリットとデメリットを示す → どう活用すべきか」。両面を書くことが必須です。
人間健康学部テーマ2(フレイル予防)は「運動・スポーツ活動の意義 → 大学が果たすべき役割」。後半で視点が自分から大学へ移るので、大学の地域貢献まで調べておく必要があります。
教育学部テーマ1(総合的な学習の時間)は「意義や課題」を、自分で調べた事例をもとに書くこと。記事の事例だけで書くと指示に反します。
教育学部テーマ2(スポットワーク保育士)は「背景を踏まえる → 影響と今後の課題」。3段構成です。
どれも「あなたの考え」を求めていますが、その前に整理・分析のステップが指定されているのが共通点です。いきなり意見から書き始めると、条件を満たしません。
自己プロデュース入試はA3シート1枚が勝負
自己プロデュース入試は、プレゼンテーション10分と口頭試問10分で100点が決まります。書く試験はありません。
大学が用意している準備の手順が具体的です。
| STEP | 内容 |
|---|---|
| STEP1 情報収集 | シラバスを読む/研究室訪問/先輩訪問(訪問は申請制) |
| STEP2 資料作成 | 集めた情報をもとに4年間の大学生活をプロデュースし、A3のシートにまとめる |
| STEP3 本番 | プレゼンテーションから始まり、その後教員が内容について質問 |
大学はA3シートについてこう書いています。
A3という限られたスペースに、いかに情報を整理して配置するかが重要なポイントです。
研究室訪問と先輩訪問が入試の準備として用意されているのは珍しい仕組みです。シラバスで気になった先生がいたら訪問を申請でき、先輩学生は自分の経験をもとにしたアドバイスを準備して待っている、と案内されています。
提出書類はWeb入学志願票、調査書、プレゼンテーションシート、アドバンスプログラム参加証明書の4点です。
活動実績入試は「成績は関係ない」
活動実績入試は、活動実績シート600字と活動実績を証明する資料で50点、面接20分で50点です。
大学の説明で目を引くのは次の一文です。
活動における成績は関係ありません。活動から得たことが大切です。
大会の順位や受賞歴ではなく、その活動から何を得て、入学後の学びにどう活かすかが評価される、という設計です。対象は学業、スポーツ、ボランティア、生徒会活動など幅広く取られています。
600字という分量は、課題探究入試の800字より短い代わりに、自分の経験だけで埋めなければなりません。エピソードを1つか2つに絞って深く書くほうがまとまります。
アドバンスプログラムが出願の前提
3つとも共通の出願要件があります。
本学の総合型選抜入試はアドバンスプログラムへの参加が出願要件となります。アドバンスプログラムは、本学への出願を決める前でも参加できるイベントです。
大学は理由も説明しています。
総合型選抜入試は全て“専願入試”となり、入試に合格した場合は入学することになります。そのため、受験を決める前にしっかりと大学のことを知ってもらいたいと考えています。参加=出願必須とはなりませんので、気軽に参加してください。
出願時には「アドバンスプログラム参加証明書」を提出します。参加していないと総合型選抜には出願できません。
なお、このプログラムには副次的な利点もあります。一般入試を受ける場合、アドバンスプログラム参加者は入学検定料が半額(30,000円→15,000円)になります。ネット出願の際に【入試名称(AP割)】を選ぶ仕組みです。
小論文は学校推薦型選抜のほうにある
「小論文」という名前で出てくるのは、公募制推薦入試です。
小論文または基礎学力テスト(国語・英語)で合否を判定します。
そしてこの入試には珍しい仕組みがあります。
試験当日は配付された問題冊子を確認してから、小論文か基礎学力テスト(国語・英語)のどちらを解答するか決めることができます。
当日、問題を見てから選べるのです。小論文の課題が自分に書けそうなら小論文、難しそうなら国語・英語、という判断が試験会場でできます。これは受験生にとってかなり有利な設計です。
公募制推薦入試には[専願]と[併願]があり、併願は学納金手続締切日が2月下旬に設定されています。本命校の一般入試に臨めるように、という配慮です。
さらに入試成績優秀者奨学金制度があり、公募制推薦入試前期を受験して成績が3学部総合の上位10名以内なら、入学後に280,000円(入学金相当額)が給付されます。
どこから手をつけるか
まずアドバンスプログラムに参加すること。これがないと総合型選抜には出願できません。参加しても出願義務は生じないので、迷っている段階でも行っておく価値があります。一般入試の検定料半額にもつながります。
書く力で勝負するなら課題探究入試です。課題が全文公開されているので、今日からレポートを書き始められます。6つのテーマのうち、自分の学部のものは2つ。どちらか選んで、自分で資料を集めて720〜800字にまとめる。使った資料を表紙に書く欄があるので、出典のメモも取りながら進めてください。当日は面接だけなので、レポートの完成度がそのまま点になります。
話すほうが得意なら自己プロデュース入試。研究室訪問と先輩訪問の申請を早めに出して、A3シートの材料を集めるところから始まります。
高校時代に打ち込んだことがあるなら活動実績入試。成績は関係ないので、実績が地味でも構いません。600字で「何を得たか」を書けるかどうかです。
併願したい人は総合型選抜ではなく公募制推薦入試[併願]を見てください。当日に小論文か国語・英語かを選べて、学納金手続締切日は2月下旬です。
まとめ
- 愛知東邦大学の2027年度 総合型選抜は自己プロデュース入試・課題探究入試・活動実績入試の3種類。すべて専願、検定料30,000円
- アドバンスプログラムへの参加が3つとも出願要件。参加しても出願義務はない
- 配点はどれも50点+50点+調査書5点。調査書は「学習成績の状況」を除く記載事項から主体性を評価するので、評定は点数化されない
- 課題探究入試の課題は学部ごとに2テーマ、計6つがPDFで公開。800字程度(720字以上800字以内)で、自分で文献・資料を集めて調べることが条件、使った資料は表紙に記載
- 課題探究入試は当日は面接20分のみ(志望理由書400字が面接用資料)
- 自己プロデュース入試はプレゼンテーション10分+口頭試問10分。A3シート1枚にまとめる。研究室訪問・先輩訪問が準備の機会として用意されている
- 活動実績入試は活動実績シート600字。大学は「活動における成績は関係ありません」と明記
- 日程は前期10月18日(日)/中期11月22日(日)/後期12月20日(日)。前期が奨学金対象
- 小論文があるのは公募制推薦入試で、当日に問題冊子を見てから小論文か基礎学力テスト(国語・英語)かを選べる
- 公募制推薦入試前期の成績上位10名(3学部総合)には入学後280,000円を給付
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。愛知県の私立大学は星城大学、豊橋創造大学、東海学園大学の記事にもあります。