金沢学院大学の総合型選抜。3方式で小論文800字を50分で書き、合格ではなく「適格判定」が先に来る
金沢学院大学の総合型選抜を、2027年度の総合型選抜ガイドから整理しました。自己推薦・資格取得・文化芸術活動・スポーツ活動・吹奏楽活動・学力選抜の6方式の違い、800字50分の課題論述型小論文、自己PRと質疑応答の面接、一次出願から適格判定を経て二次出願する流れ、KGスカラシップの金額まで解説します。
金沢学院大学の総合型選抜は6方式あります。そのうち3方式で小論文が出ます。
分量と形式は、総合型選抜ガイドにはっきり書かれています。
小論文 800字程度(50分) 【課題論述型】与えられた設問(テーマ)について自分の考えや意見を述べる形式
50分で800字。しかも「課題論述型」と名前がついていて、資料文を読ませる形ではなく、設問に対して自分の考えを述べる形式だと明記されています。
そしてもうひとつ、この大学には独特の仕組みがあります。試験を受けたあとに来るのは合格発表ではなく、適格判定です。
出典:総合型選抜ガイド2027(金沢学院大学、PDF・8ページ)、2027年度入学者選抜試験概要、過去問題。いずれも2026年9月23日に確認しました。
6方式を1枚で
| 方式 | 専願/併願 | 当日の試験 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 自己推薦方式 | 専願 | 小論文+面接 | 全学部・全学科 |
| 資格取得方式 | 専願 | 小論文+面接 | 全学部・全学科 |
| 文化・芸術活動方式 | 専願 | 小論文+面接 | 全学部・全学科 |
| スポーツ活動方式 | 専願 | 面接のみ | 栄養学部を除く |
| 吹奏楽活動方式 | 専願 | 面接のみ | 全学部・全学科 |
| 学力選抜方式 | 専願・併願 | 英語・国語・歴史/理科・数学 | 全学部・全学科 |
小論文が出るのは上の3方式です。スポーツ活動方式と吹奏楽活動方式は面接だけ、学力選抜方式は教科試験だけで小論文はありません。
小論文は50分で800字、課題論述型
当日のタイムテーブルはこうです。
| 試験科目 | 入室完了時刻 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 小論文 | 9:10 | 9:30〜10:20(50分) |
| 面接 | 10:40 | 10:50〜 |
入室完了が9時10分で、小論文の開始が9時30分。20分前に着席していないといけません。
800字を50分で書くという条件は、1分あたり16字です。構想に10分、執筆に35分、見直しに5分。この配分をあらかじめ決めておかないと、書き終わらないほうに転びます。
そして肝心なのは形式です。課題論述型、つまり資料文の読解ではなく、設問に答える形。長い文章を読む時間が要らないぶん、50分すべてを自分の主張の組み立てと執筆に使えます。逆に言えば、材料は自分の頭の中にあるものだけです。
過去問について、大学ははっきり書いています。
※総合型選抜、学校推薦型選抜の小論文試験の過去問題は公開していません。
公開されているのは学力選抜方式の問題と解答例だけで、それも「各入試区分につき1日分」です。小論文のテーマは事前に知りようがありません。
面接は「自己PR 3〜5分」+「質疑応答15分程度」
小論文の50分後、10時50分から面接が始まります。中身は2つに分かれています。
自己PR 自分の長所、これまでの活動、入学後に学びたい内容、大学・短大卒業後の目標などについて口頭で発表する。(3〜5分) ※これまでの活動で成果物がある場合は持参し、それをもとに自己PRを行うこともできます。 成果物例:受験生本人が作成または作成に関わった作品・レポート・ポートフォリオ等。持参が難しい場合は写真等で提示してください。 質疑応答 志望分野に対する適性、基礎知識、学習意欲等を質疑応答の形式で確認します。(15分程度)
自己PRが3〜5分の一方的な発表であることに注意してください。質問に答えるのではなく、自分で話を組み立てて話し切る形式です。原稿を用意して、時間を計って練習しないと3分は持ちません。
そして成果物を持ち込めます。作品、レポート、ポートフォリオ。持参が難しければ写真でもよいと書かれています。芸術学部や情報工学部を志望するなら、これは使わない手はありません。
質疑応答のほうは15分程度で、見られるのは「志望分野に対する適性、基礎知識、学習意欲」です。基礎知識が入っているので、志望分野についてまったく調べていないと持ちません。
なお短期大学の幼児教育学科だけは、自己PRに代えて自己表現を行います。ピアノなどの楽器演奏や弾き歌い、手遊び・指遊び、素話や絵本の読み聞かせ、歌、ダンスなど。表現方法は自由で、用具は大学で準備できるものもあり、「子どもの前で行うこと」を想定してくださいと注意書きがついています。
合格発表の前に「適格判定」が来る
この大学の総合型選抜は、出願が2回あります。
| STEP | 内容 |
|---|---|
| 1 | 一次出願(インターネット出願+検定料納入→書類を書留速達郵便で郵送) |
| 2 | 受験票のダウンロード・印刷(郵送はされません) |
| 3 | 小論文・面接(スポーツ/吹奏楽は面接のみ) |
| 4 | 適格判定 |
| 5 | 二次出願(適格学科をインターネット出願サイトで登録) |
| 6 | 合格発表 |
適格判定の説明はこうです。
小論文、面接及び出願書類により、志望学科への適性を判定し、判定結果は2週間を目処に本人と出身学校長あてに通知します。
つまり試験のあと2週間ほどで、「この学科に向いているかどうか」の判定がまず届きます。そのうえで二次出願で適格学科を登録すると、合格発表に進みます。二次出願では志願票の提出は不要です。
受験票が郵送されない点も見落とさないでください。
各受験票出力開始日時に受験票の印刷が可能になります。インターネット出願サイトよりダウンロードのうえ、必ず印刷し、試験日当日に持参してください。受験票はA4用紙に印刷してください。受験票の郵送はいたしません。
日程はⅠ期からⅣ期まで。加えて学力選抜方式
| 区分 | 一次出願期間 | 受験票出力開始 | 試験日 | 合格発表 | 入学手続締切 |
|---|---|---|---|---|---|
| Ⅰ期 | 2026年9月1日〜9月14日消印有効 | 9月17日13時 | 9月19日(土) | 11月2日(月) | 11月13日(金) |
| Ⅱ期 | 2026年9月21日〜10月12日消印有効 | 10月15日13時 | 10月17日(土) | 12月1日(火) | 12月11日(金) |
| Ⅲ期 | 2026年11月16日〜12月7日消印有効 | 12月10日13時 | 12月12日(土) | 1月8日(金) | 1月22日(金) |
| Ⅳ期 | 2027年1月4日〜3月12日消印有効 | 本学が指定する日 | 本学が指定する日 | 本学が指定 | 本学が指定 |
| 学力選抜方式 | 2026年11月16日〜12月7日消印有効 | 12月10日13時 | 12月12日(土) | 12月18日(金) | 12月25日(金) |
2026年9月23日時点で、Ⅰ期は終わっています(出願9月14日消印有効、試験9月19日)。いま動けるのはⅡ期で、一次出願は9月21日に始まったばかり、締切は10月12日消印有効です。
試験会場はⅠ〜Ⅳ期がすべて本学。学力選抜方式だけは本学・富山・福井・新潟・長野の5会場です。北陸と甲信越から通いやすいように配置されています。
入学検定料は30,000円です。
Ⅳ期が3月12日消印有効まであるのも押さえておきたいところです。年度末ぎりぎりまで受けられます。
出願書類は「自筆」指定
4方式に共通する書類はこれです。
| 書類 | 提出方法 |
|---|---|
| 入学志願票 | WEB出願登録・入学検定料支払い後に印刷したもの |
| 志望理由カード | 本学所定の用紙に自筆で記入(HPから様式をダウンロード、必ずA4両面1枚) |
| 活動報告書 | 本学所定の用紙に自筆で記入(同上) |
| 調査書 | 文部科学省指定の様式により出身学校長が作成し、厳封したもの |
志望理由カードと活動報告書は自筆です。パソコンで作って印刷、ができません。しかもA4両面1枚という指定があります。カラーでもモノクロでも構いません。
方式ごとに追加の書類があります。
- 資格取得方式 — 合格証明書(写し)
- 文化・芸術活動方式 — 活動実績の証明となる資料(賞状や合格証の写し、新聞・雑誌記事の写し、メンバー表・記録等。証明となる資料の提出が難しい場合は入試部に相談)
- スポーツ活動方式・吹奏楽活動方式 — 活動実績証明書(本学所定の用紙に出身学校長もしくは部活動顧問が作成し厳封。A4片面1枚)
一次出願の書類は、郵便窓口から書留速達郵便で送ります(持参も可)。
方式ごとの出願資格
自己推薦方式は、条件が最も広いものです。
本学を第1志望(専願)とし、志望学部・学科での学習に強い関心と意欲を有する者
実績も資格も要りません。全学部・全学科が対象です。
資格取得方式は、国・都道府県・高等学校長協会やこれに準ずる団体が認定した資格・検定を持っていることが条件です。
文化・芸術活動方式の対象範囲が広いのが面白いところです。
文学、音楽、美術、写真、演劇、能楽、茶道、書道、囲碁、将棋などの活動実績において、県レベル以上の大会・コンクールで優秀な成績を収めた者
囲碁や将棋、能楽や茶道まで入っています。運動部でなくても、県大会以上の実績があれば乗れます。
スポーツ活動方式は「入学後も本学のクラブ活動の活性化に寄与・貢献しようとする意欲を持つ者」が条件で、栄養学部だけ対象外です。
KGスカラシップの金額
合格したあとの奨学金が、方式によって大きく違います。
| 方式 | ランクと給付内容 |
|---|---|
| 自己推薦方式 | 奨学生選考はありません |
| 資格取得方式 | B1=入学金全額相当/B2=入学金半額相当 |
| 文化・芸術活動方式 | B1=入学金全額相当/B2=入学金半額相当 |
| スポーツ活動方式 | SS=学納金全額相当/SA=授業料全額相当/SB=授業料半額相当/A=年間20万円 |
| 吹奏楽活動方式 | B1=入学金全額相当/B2=入学金半額相当 |
ガイドははっきりこう書いています。
自己推薦方式には、奨学生選考はありません。
奨学金を狙うなら、資格や実績で出せる方式を選ぶことになります。
資格取得方式の基準の一部を挙げるとこうです。
| 資格・検定 | B1(入学金全額相当) | B2(入学金半額相当) |
|---|---|---|
| 実用英語技能検定 | 2級以上(CSEスコア1980以上) | 準2級以上(CSEスコア1728以上) |
| GTEC | 930(960)点以上 | 680(690)点以上 |
| 日商簿記検定 | 2級以上 | 3級 |
| 日本漢字能力検定 | 準1級以上 | 2級 |
| 実用数学技能検定 | 準1級以上 | 2級 |
| ITパスポート試験 | 合格 | ー |
| 基本情報技術者試験 | 合格 | ー |
| 色彩検定 | 1級 | 2級 |
| ジュニアマイスター | ゴールド | シルバー |
| アグリマイスター | プラチナ・ゴールド | シルバー |
ここに落とし穴があります。
- 2027年3月31日までに「KGスカラシップ高校活動評価型(資格取得)申請書」および該当資格の「合格証明書(写し)」を提出してください。
- 複数の資格を取得している場合は、上位の資格1つを適用します。
- 上記期日までに申請書が提出されなかった場合、奨学金は給付されません。
合格しただけでは給付されません。 申請書を別途出す必要があります。
募集人員と2027年の新設学科
| 学部 | 学科・専攻 | 募集人員 |
|---|---|---|
| 情報工学部 | 情報工学科(コンピュータサイエンス/データサイエンス) | 15名 |
| 経済学部 | 経済学科(理論・政策分析/現代経済) | 25名 |
| 経済学部 | 経済情報学科(2027年4月開設) | 10名 |
| 経済学部 | 経営学科(戦略・マーケティング/アントレプレナーシップ/簿記会計) | 25名 |
| 文学部 | 文学科(日本文学/英米文学/歴史学・考古学/心理学) | 35名 |
| 教育学部 | 教育学科(小学校教諭/中学校・高校英語教諭/幼稚園教諭・保育士) | 13名 |
| 芸術学部 | 芸術学科(絵画/造形/ビジュアルデザイン/デザイン工学/映像メディア/演劇) | 18名 |
| 栄養学部 | 栄養学科 | 10名 |
| スポーツ科学部 | スポーツ科学科(アスリート・指導者養成/体育教員養成/公安・公務員養成/スポーツビジネス) | 100名 |
スポーツ科学科の100名が突出しています。総合型選抜の枠としては、この大学で最大です。
そして経済情報学科は2027年4月開設で、募集人員10名です。
合格したら入学前教育がある
総合型選抜で合格された入学予定者を対象に、入学までの時間をより有効に活用して準備を進める本学独自の「入学前教育」を実施しています。詳細は合格後にお知らせしますが、課題への取り組みは必須となります。
Ⅰ期で合格すると、11月2日から4月まで5か月あります。課題は必須なので、合格=終わりではありません。
どこから手をつけるか
まず方式を選びます。 実績も資格もなければ自己推薦方式。資格があれば資格取得方式(奨学金がつきます)。県大会以上の文化・芸術の実績があれば文化・芸術活動方式。スポーツ・吹奏楽はクラブ活動が前提です。教科試験で勝負したい人と併願したい人は学力選抜方式です。
小論文は「800字を50分で書く」練習から始めます。 課題論述型なので、資料文の読解練習は要りません。設問だけ与えられて自分の考えを書く練習です。過去問は公開されていないので、志望学部に関係する社会的なテーマを自分で立てて、時間を計って書く。書いたら必ず人に読んでもらってください。
自己PRの3〜5分を原稿にして、声に出して計ります。 「自分の長所、これまでの活動、入学後に学びたい内容、卒業後の目標」の4点が指定されています。4点を3〜5分に収めるには、1点あたり1分弱です。
成果物があるなら持っていきます。 作品・レポート・ポートフォリオ。持参が難しければ写真でも可。自己PRの材料としてガイドが明記しているので、使わないほうが損です。
志望理由カードと活動報告書は自筆で、A4両面1枚です。 下書きをしてから清書してください。書き損じたときのために、様式は早めに複数ダウンロードしておくのが安全です。
質疑応答15分に備えて、志望分野の基礎知識を入れます。 見られるのは「適性、基礎知識、学習意欲」です。志望学科のカリキュラムと、その分野でいま話題になっていることを2〜3個押さえておけば、15分は持ちます。
奨学金を狙うなら、2027年3月31日の申請書締切を忘れないでください。 合格しただけでは給付されません。
まとめ
- 金沢学院大学の総合型選抜は6方式(自己推薦/資格取得/文化・芸術活動/スポーツ活動/吹奏楽活動/学力選抜)
- 小論文が出るのは自己推薦・資格取得・文化芸術活動の3方式です
- 小論文は800字程度・50分・課題論述型。「与えられた設問(テーマ)について自分の考えや意見を述べる形式」と明記されています
- 総合型選抜の小論文の過去問は公開されていません
- 面接は自己PR(3〜5分の口頭発表)+質疑応答(15分程度)。成果物を持参して自己PRに使えます
- 小論文の入室完了は9:10、試験は9:30〜10:20。面接は10:50〜です
- スポーツ活動方式と吹奏楽活動方式は面接のみ、学力選抜方式は教科試験のみで小論文はありません
- 流れは一次出願→受験票を自分で印刷→試験→適格判定(2週間を目処に通知)→二次出願→合格発表
- 志望理由カードと活動報告書は自筆・A4両面1枚です
- 日程はⅠ期(試験9月19日)、Ⅱ期(10月17日)、Ⅲ期(12月12日)、Ⅳ期(出願3月12日消印有効まで)
- 2026年9月23日時点でⅠ期は終了、Ⅱ期の一次出願が9月21日から10月12日消印有効で受付中です
- 試験会場はⅠ〜Ⅳ期が本学のみ。学力選抜方式だけ本学・富山・福井・新潟・長野です
- 検定料は30,000円
- 自己推薦方式には奨学生選考がありません。スポーツ活動方式はSSランクで学納金全額相当まであります
- 資格取得方式の奨学金は2027年3月31日までに申請書を出さないと給付されません
- 経済学部 経済情報学科が2027年4月に開設されます(募集人員10名)
- 総合型選抜の合格者には入学前教育があり、課題への取り組みは必須です
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。石川県の私立大学は金城大学、北陸大学、金沢工業大学の記事にもあります。