大東文化大学の総合型選抜。前期・中期・後期+育成型+基礎学力テスト型の7区分
大東文化大学の2027年度総合型選抜は7区分。前期・中期・後期がそれぞれ通常枠と育成型に分かれ、さらに基礎学力テスト型があります。小論文を課す学科が多い一方で、古文や漢文の基礎確認テスト、書道実技、英文読解の総合問題、グループディスカッション120分と、学科ごとに筆記の中身が違います。基礎学力テスト型だけ配点が公表され、事前課題の小論文が25点です。
大東文化大学の総合型選抜は7区分あります。
| 区分 | 実施 | 試験日 |
|---|---|---|
| 総合型選抜(前期) | 全8学部20学科 | 10/18 |
| 総合型選抜(前期 育成型) | 15学科 | 10/18 |
| 総合型選抜(中期) | 全8学部20学科 | 11/22 |
| 総合型選抜(中期 育成型) | 12学科 | 11/22 |
| 総合型選抜(後期) | 19学科(日本語学科なし) | 12/13 |
| 総合型選抜(後期 育成型) | 9学科 | 12/13 |
| 総合型選抜(基礎学力テスト型) | 全8学部20学科 | 12/13 |
「育成型」は1つの方式に見えますが、要項では前期・中期・後期の3つが独立した区分です。日程も募集人員表も併願規定も、それぞれ別に立っています。
必ず最新の入学試験要項で確認してください。日程・実施学科・選考方法は年度によって変わります。この記事は2027年度 入学試験要項と、2025・2026年度の入試結果によります。 出典:大東文化大学 入試情報。2026年10月4日に確認しました。
育成型の中に出てくる「課題探究方式」「KOUDAIBridge方式」は区分ではなく、学科ごとの方式です(募集人員表の中でA方式・B方式として並びます)。基礎学力テスト型の「2科目型/3科目型」「独自型/英語民間型」も同じく方式で、募集人員は「2科目・3科目あわせて」で1つです。
筆記の中身が、学科ごとに違う
小論文を課す学科が多いのですが、それ以外の形もかなりあります。前期を例にすると、こうなります。
| 学科(方式) | 筆記 | 時間 |
|---|---|---|
| 日本文A/教育/歴史文化/日本語/経営B | 小論文 | 60分 |
| 日本文B | 基礎確認テスト(古文) | 60分 |
| 中国文A | 基礎確認テスト(漢文) | 60分 |
| 中国文B | 中国文化に関する小論文 | 60分 |
| 中国文C | 書道実技(臨書2点=楷書および行草書・半紙) | 60分 |
| 社会経済・現代経済 | 総合問題(小論文を中心に)。地歴・公民分野か現実の経済問題の課題文を読んで小論文 | 60分 |
| 政治 | 総合問題(英文読解) | 60分 |
| 国際関係・国際文化 | グループディスカッションとレポート | 120分(10:00〜12:00) |
| 経営A | 基礎学力テスト(情報) | 60分 |
| 健康科 | 基礎学力テスト(英語) | 60分 |
| 看護 | 小論文(図表読解等を含む) | 60分 |
| 法律 | 筆記なし。出願時の課題論文1,200〜2,000字+口頭試問 | — |
| 英米文/中国語/英語A・B/スポーツ科A・B | 筆記なし(面接または口頭試問) | — |
| 書道 | 実技試験免除(書道展の入賞実績が要件) | — |
| 社会 | 筆記なし(プレゼンテーション+面接) | — |
「大東文化の小論文対策」という括りが成立しません。日本文Bは古文、中国文Aは漢文、政治は英文読解、経営Aは情報、健康科は英語。教科の試験に近いものが並びます。
法律学科には筆記がありません。かわりに出願時に1,200〜2,000字の課題論文を書きます(事前提出レポートの書き方)。
国際関係・国際文化はグループディスカッションとレポートで120分。他の学科の倍の時間です(グループディスカッションの対策)。
中期は、書道学科の実技が重くなる
| 学科 | 中期の筆記 |
|---|---|
| 書道A | 書道実技90分。臨書(半紙)2点+創作(半紙)1点。臨書は楷書・行草書・隷書・仮名の古典A・仮名の古典Bの5題から2題選択、創作は漢語または漢詩句・和歌・俳句・語句の4題から1題選択 |
| 書道B | 書道実技+小論文90分。臨書(半紙)1点+小論文1題。書道に関するテーマについて800字以内 |
| 政治 | プレゼンテーション7分程度(筆記なし) |
| 英米文B | 英語外部試験で出願、筆記なし(面接のみ) |
| 社会 | プレゼンテーション7分以内+面接 |
前期は実技試験免除だった書道学科が、中期では90分の実技になります。書道Bは実技と小論文の両方で、小論文のテーマも書道です。
配点が公表されているのは、基礎学力テスト型だけ
前期・中期・後期・育成型は、配点・満点の記載が要項に一切ありません。評定の欄に「『基準は設けない』は、選考方法の自己推薦書、総合問題等、面接等と併せて調査書を参考に総合的に判断する」とあるだけです。段階評価かどうかも書かれていません。
基礎学力テスト型だけは配点があります。
共通して書類審査25点+事前課題(小論文)25点。そこに教科の点が乗ります。
<2科目型>(1時限=国語または数学/2時限=外国語)
| 学科 | 1時限 | 2時限(英語) | 総点 |
|---|---|---|---|
| ほとんどの学科 | 国語 or 数学 100点 | 100点 | 250点 |
| 英米文・英語 | 国語 or 数学 100点 | 200点 | 350点 |
| 中国語 | 国語 or 数学 200点 | 100点 | 350点 |
| 日本語 | 国語のみ選択可 200点 | 100点 | 350点 |
| 日本文・中国文 | 国語のみ選択可 100点 | 100点 | 250点 |
<3科目型>(1時限=数学/2時限=国語/3時限=外国語。経済学部2学科は実施なし)
| 学科 | 数学 | 国語 | 英語 | 総点 |
|---|---|---|---|---|
| 英語学科以外の17学科 | 100 | 100 | 100 | 350点 |
| 英語学科 | 100 | 100 | 200 | 450点 |
判定の仕方にも特徴があります。
国語・数学・英語(独自型)は偏差値換算し、それ以外は素点
つまり書類審査25点と事前課題25点は素点、教科は偏差値換算です。
国語・数学・英語はマーク式で、面接は行いません。「英語民間型」を選ぶと当日の英語を受けず、民間試験のスコアを換算します。
出題範囲は、国語=「現代の国語」「言語文化」の内容・近代以降の文章、数学=数学Ⅰ・A、英語=リーディング(英語コミュニケーションⅠ〜Ⅲ、論理・表現Ⅰ〜Ⅲ)です。
基礎学力テスト型は、学科試験型なのに事前課題の小論文が25点あるという設計です。250点満点なら全体の10%です。
自己推薦書は手書き。字数は学科で2倍違う
自己推薦書は本学所定用紙で、ワープロ不可の手書きです。しかも筆記具の指定があります。
横書き・楷書・HB以上の鉛筆。ただし英米文・書道・国際関係・国際文化のみ黒のボールペンまたは万年筆
字数は学科でかなり違います。
| 学科 | 字数 |
|---|---|
| 歴史文化 | 2,000字以内(最長) |
| 日本文・教育・英語・日本語 | 1,200字以内 |
| 中国文・書道 | 1,000〜1,200字 |
| 英米文・社会経済・現代経済・中国語 | 1,000字以内 |
歴史文化学科だけ2,000字で、他の倍あります。
中期では英米文・書道・社会経済・現代経済・英語が自己推薦書ではなく「志望理由アンケート」に変わります。こちらはPC作成も可(Wordフォーマット)です。
課題論文(中国語学科の選考方法B〈前期〉と法律学科〈前期・中期・後期〉)も、横書き・楷書による手書きで、ワープロは使えません。
変わったところでは、中国文学科のD方式だけ「本学OB・OG教員の推薦書」が要ります。推薦者は本学文学部の卒業生であり、かつ高校の現職教員(専任・非常勤いずれも可)。受験生と同じ高校でなくてかまいません。
基礎学力テスト型の事前課題(小論文)と志望理由アンケートは、出願システムに入力します。紙の提出は不要です。
出願資格——法律学科だけ年齢制限がある
| 区分 | 現役/既卒 |
|---|---|
| 前期・後期 | 全学科現役・浪人(年数の制限なし) |
| 育成型(前期・中期・後期) | 健康科学科A・Bのみ現役、他は現役・浪人 |
| 中期 | 学科ごとに差がある。2浪まで=日本文・中国文・教育・書道・政治・国際関係・国際文化・英語・日本語・スポーツ科/1浪まで=社会経済・現代経済/制限なし=英米文・歴史文化・中国語・法律・経営・健康科・看護・社会 |
| 基礎学力テスト型 | 全学科共通:現役・浪人、全課程、全学科対象 |
★法学部法律学科は全区分で「2027年4月1日時点で満19歳以下」という年齢の条件があります。
評定の基準も学科で違います(前期の例)。
| 学科 | 基準 |
|---|---|
| 教育 | 3.3以上 |
| 社会経済・現代経済 | 地歴・公民の評定平均値が4.0以上 |
| 経営A | 3.5以上 |
| 経営B | 日商簿記3級以上、全商簿記1級のいずれかの資格 |
| 法律 | 英語外部試験 CEFR A2レベル(英検・GTEC・IELTS・TEAPの4技能) |
評定平均値の算出時点は3学年1学期または前期まで。既卒者は卒業時(3学年3学期終了)までです。
「基準は設けない」学科は、自己推薦書・総合問題・面接などと併せて調査書を参考に総合的に判断する、とされています。
なお、出願資格の1つに「入学手続時にWebフォームからポートフォリオ(活動状況情報)を提出することに同意する者」が入っています。
2026年度の実績
総合型選抜(前期)の合計は志願816名・合格471名でした。学科による差が大きい。
| 学科・方式 | 志願 | 合格 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 歴史文化B | 14 | 2 | 7.0 |
| スポーツ科B | 102 | 21 | 4.8 |
| 社会経済 | 13 | 3 | 4.3 |
| 歴史文化A | 45 | 13 | 3.5 |
| 日本文A | 49 | 19 | 2.5 |
| スポーツ科A | 83 | 38 | 2.2 |
| 現代経済 | 20 | 9 | 2.2 |
| 政治 | 41 | 21 | 2.0 |
| 社会 | 52 | 26 | 2.0 |
| 英語A | 50 | 41 | 1.2 |
| 国際関係 | 24 | 22 | 1.1 |
| 国際文化 | 21 | 19 | 1.1 |
| 英米文 | 15 | 14 | 1.1 |
7.0倍から1.1倍まで開きます。入試結果データは2020年度〜2026年度の7年分が公開されています。
奨学金を狙うなら、基礎学力テスト型
桐門(とうもん)の翼奨学金は、入学する学科の授業料を原則4年間全額免除する制度です。本来は1月31日の奨学金試験で採用しますが——
2027年度入試から、総合型選抜(基礎学力テスト型)の合格者からも採用されます。
- 採用は2科目型から10名以内(予定)
- 「本選抜の2科目型に出願した方は、同時に桐門の翼奨学金へ申請したこととみなします」(要項)
- 基礎学力テスト型で奨学金採用合格となったあと、別の入試区分で合格した学科に振り替えると対象外になります
そしてここが重要です。
総合型選抜(前期・前期育成型・中期・中期育成型・後期・後期育成型)で入学手続した場合、本学の奨学金試験等、他の入試を受験できない
前期〜後期で決めると、奨学金試験を受けられません。一方、基礎学力テスト型は桐門の翼奨学金試験・一般選抜と併願可能です。
授業料の全額免除を狙うなら、基礎学力テスト型を選ぶという構造になっています(保護者のためのお金と事務)。
2026年度の実績では、奨学金試験の採用者は得点率74%(148点以上)でした。
生成AIについての記載は1か所だけ
要項58ページを全部調べた範囲で、生成AIに触れているのは法律学科の課題論文だけです。
総字数は1200字以上2000字以内です。生成AIの利用は一切禁じます。
完全禁止です。出願書類全体や自己推薦書についての包括的な規定は、要項にありません(生成AIと小論文)。
なお、同じ課題論文の課題文そのものにも「今の日本はIT社会、生成AIの急速な発展への対応を急務とするため」という一節があり、テーマの一部としても生成AIが登場しています。
2027年度の変更点
学校推薦型選抜(公募制 多面的評価型)が、2027年度の受験生サイトに載っていません。2026年度入試までは存在し、入試結果データにも全学科の実績があります。11月実施・評定基準あり・一部専願という性格が、2027年度の総合型選抜(中期)とほぼ重なります(中期のページのURLも公募推薦のままです)。
学校推薦型選抜(協定校推薦)は存続しています。KOUDAIBridgeプログラムの案内に「総合型選抜(育成型)や学校推薦型選抜(協定校推薦)に出願ができます」とあります。
あわせて2027年度から一般選抜に「多面的評価型(前期・後期)」が新設されました。要項に「年明けの一般選抜で総合型選抜のように多面的に能力や意欲を評価する入試が新設」と書かれています。年内に決まらなくても、同じ評価軸の入試が年明けにあるということです。
桐門の翼奨学金試験(2027年1月31日実施)は総合型選抜とは別の区分ですが、2027年度は基礎学力テスト型の合格者からも奨学金採用者を出すので、接続があります。
準備の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2〜高3春 | 志望学科の筆記が何かを確認する。小論文とは限りません。古文・漢文・英文読解・情報・書道実技・グループディスカッションのどれかかもしれません |
| 高3 春〜夏 | 法律学科志望なら課題論文1,200〜2,000字。書道学科志望なら、前期は入賞実績、中期は実技90分の準備 |
| 高3 夏 | 小論文の学科は60分で書く練習。看護は図表読解を含みます |
| 高3 10月18日 | 前期・前期育成型 |
| 高3 11月22日 | 中期・中期育成型。書道は実技90分に変わります |
| 高3 12月13日 | 後期・後期育成型・基礎学力テスト型(マーク式2〜3科目+事前課題の小論文25点) |
前期で決まらなくても、中期・後期・基礎学力テスト型と3回チャンスがあります。ただし実施学科が後期に向けて減ります(前期20学科→後期19学科、育成型は15→12→9学科)。
まとめ
- 大東文化大学の総合型選抜は7区分。前期・中期・後期がそれぞれ通常枠と育成型に分かれ、さらに基礎学力テスト型があります
- 「育成型」は1つではなく、前期・中期・後期の3つが独立した区分です。日程も募集人員表も併願規定も別です
- 筆記の中身が学科ごとに違います。小論文のほか、古文・漢文の基礎確認テスト、書道実技、英文読解の総合問題、情報や英語の基礎学力テスト、グループディスカッション120分が並びます
- 法律学科には筆記がなく、出願時に1,200〜2,000字の課題論文を書きます
- 書道学科は前期が実技免除(入賞実績が要件)、中期は実技90分。書道Bは実技+書道に関する小論文800字以内です
- ★配点が公表されているのは基礎学力テスト型だけ。書類審査25点+事前課題の小論文25点+教科(250〜450点満点)で、教科は偏差値換算、書類と事前課題は素点です
- 基礎学力テスト型は面接を行いません
- 2027年度の受験生サイトに、学校推薦型選抜(公募制 多面的評価型)が載っていません。総合型選抜(中期)とほぼ重なる性格です
- 2027年度から一般選抜に「多面的評価型」が新設されました
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。